【したらば 10周年】
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投下するスレ3
1
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/20(火) 21:44:37 ID:???0
投下するスレ2
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28112/1228218671/
2
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:46:47 ID:???0
前スレより板を移しまして、こちらで投下させて頂きます。
こちらの板には賛否両論あるようですが、新スレが立てられて人がいそうなのがここだけなので…。
どうぞよろしくお願いします。
3
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:48:52 ID:???0
では、早速今回の分投下して行きますねー
4
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:49:53 ID:???0
「ここから少し北に行くと、港があるんだ」
「港?」
「うん。 といっても、大げさなもんじゃないんだけど。
岩場に、いくつか古い船が止めてあるだけ。
普通なら、港とは思えないような代物だよ」
「…えーと、つまり」
「うん、船を出して、まっすぐ東へ行く。
海を超えた先が、スピナーが旅に出てる地だよ」
…まぁ、予想していなかったわけではないのだけど。
いざこうして断言されると、やっぱりなんというか、びっくりする。
「ホントに、この海の先に、地面があるんですか?」
「うん」
akimaruさんが頷く。
5
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:52:00 ID:???0
「ただし、一般人は千年漕いだって辿りつかない。
途中、空間が特殊な構造になってるのがその原因なんだけど。
一般人がまっすぐ東に漕いでいっても、そのうち霧に包まれて、方向感覚を失ってしまうんだ。
気づいたら、またこの大陸の近くに戻ってきてるんだけど」
「スピナーならそれを超えられる、ってことですか」
「そう。まぁ、たいした魔法はいらないからね。
ペン回しを始めて半年も経ってればなんとかなるんじゃないかな」
akimaruさんが言う。
海という存在の不思議さはもとから感じていたが、ここにもスピナーが絡んでたのか。
つくづく、この世界はスピナーありきなんだな。
「で、その…」
「うん、分かってるよ。
その海の先に何があるんだ、っていう話だよね。
ただ普通の地面があるだけなら、スピナーが皆そこに行く理由にはならないからね」
そう。
そこが一番重要だ。
6
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:53:49 ID:???0
旅の目的地がどこなのか、なんてのはさして重要じゃない。
そこにどうしていかなきゃならないのか、ってのが問題なのだ。
「90、お前ここには魔法で飛んできただろ?」
突然、がおさんがそんなことを聞いた。
藪から棒な質問に少し面食らいつつ、答える。
「ええ、そうですね…。
場所によっては歩きましたけど、JEBから出てから大体」
「なんか違和感感じなかったか?
いまいち調子が出ないような感覚だ」
「…はい、なんか不調だな、って思いましたけど」
「船にのって、しばらく行けばそれがさらに顕著になる。
生まれる魔力がどんどん薄くなってく。
途中、さっき言った障害を攻略するんだけど、魔力が薄いからこそ骨が折れるんだ。
普通の場所だったら、それこそK4LC一発でケリがつくようなもんなんだけどな。
で、そこを超えてからもさらに薄くなっていって…ある所で、ぽっつりと消える」
「…消える?」
7
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:54:50 ID:???0
「ああ。
そこからしばらく言えば、土地が見える。
ここの海岸にあるもんとは、比べ物にならないような凄い港が見えるはずだ」
「…あの、つまり」
「海の先にあるのは、魔力が使えない世界だ」
がおさんが、少しゆっくりとした口調で言った。
「俺たちは、『リアル』って呼んでる」
「…リアル、すか」
「ああ」
「その、魔力がない、っていうと…」
「そのまんまだよ。
いくらペンを回そうが魔力は生まれないし、当然俺達が使ってるような力は何も使えない。
リアルは元々そういう世界らしいから、あっちの人は魔力なんて実在するとは思ってないな」
8
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:55:48 ID:???0
「…そう、なんですか…」
なんというか、予想以上に突拍子のない話だ。
そんな世界があるなんて、こうして言われても現実味がなさすぎる。
「…ていうかがお、一番大事なとこ自分で話しちゃったじゃないか。
僕の口から話せって言っといて」
苦笑しながら話すakimaruさん。
「いや、お前が話してんの聞いてたら、なんか言いたくなっちゃってさ。
そういえば俺、このこと誰かにネタバレしたことなかったんだよなー。
なんか気持良くねえか?」
「それはよく分かんないけど…」
2人の会話が何やら滑稽に思える。
衝撃を受けた、というよりは唖然としてしまった、っていう感覚だ。
「えーと…その…」
リアクションに困って口ごもっていると、akimaruさんがそれを遮った。
9
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/20(火) 21:57:01 ID:???O
きた!
10
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:57:18 ID:???0
「うん、魔力が無いのは分かったけど、どうしてそこにスピナーが行くのか、って話だよね」
「…ああ、はい、そうですね…それが不思議です」
何かを聞こうとした訳ではないけど…まぁいいか。
確かに、魔力がない世界に行く理由がまだ聞けていない。
「スピナーなら、逆に力が使えない場所って居づらいような気もするんですが…」
「確かに僕らは、普段の生活でも何気なく簡単な魔法を使うのが染みついてるからね。
そういう意味ではちょっと違和感を感じることもあるよ。
でも、リアルは、魔力がない代わりに…ってわけかどうか分からないけど、
いろいろな技術がこっちとは比べ物にならないほど発達してる。
だから、生活のレベルや暮らしやすさは、あっちの方が上かもしれない」
「…じゃあ、それが目的で?」
「いくら、客観的に見た暮らしやすさが上だからって、俺達の故郷はこっちだ。
変に発達した技術は、俺なんかは少し気味が悪く思ったりもするし。
何より、あっちには知り合いなんて数えるほどしかいないんだぜ」
がおさんが答える。
11
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 21:59:18 ID:???0
「…ああ、そうか…じゃあ、あんまり気が進まないですよね。
じゃあ、理由は別に?」
「えーと、EiH1くんは最近、目眩が凄くするとか、右手が思うように動かないとか…。
そういう、なんか変な症状が出たことって、ない?」
akimaruさんから、脈絡のない質問がまた来た。
でも、こっちはがおさんの質問とは違って、身に覚えはない。
「経験ないですけど…」
「んー、じゃあ本当に無いんだなぁ。
スピナーにはね、まあ一種の職業病みたいなものがあるんだよ。
普通は2年もやってれば、1回は症状が来るはずなんだけどなぁ…」
「職業病、ですか?」
「うん。
みんな、あんまり人前じゃ話さないようにしてるからなぁ。
知らなくても無理はないのかな」
「えーと…それって、みんなかかるものなんですか?」
12
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:00:45 ID:???0
「俺は、今のところかからずに済んだという話は聞いたことがないな。
症状のキツさはかなり個人差があるから、かかってもあまり苦労しなかった、って奴はいるが。
もしかしたら、お前もかなり軽い方で、単に気づかなかったのかもしれないな」
がおさんが言う。
職業病、って…?
思わず眉をひそめて、聞く。
「病気っていうと、どんな…」
「目眩がしたり、利き腕に違和感が来たり、これも結構個人差があるが。
共通の特徴としては、ペンを回している間は特に症状が重くなる、ってとこだ」
「…ほんとに、そんなのがあるんですか?」
「ああ。原因も、確証がある訳ではないが定説が1つある。
魔力が体に悪影響を与えているんだ」
…魔力?
「魔力の強力さは、お前も身に染みて分かってるだろ。
それを使用するのに必要な代償、ってところなんだろうな」
13
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:01:29 ID:???0
「…待って下さい、じゃあ俺も、ペンを回してたら体が何かおかしくなってる、ってことですか?」
なんだか背筋がぞくりとした。
確かに、魔法の凄さっていうか、スピナーの持つ力は常識的なものではない。
副作用というか、そういうのがあってもおかしくない、というのは理解できる。
理解できる、けど…。
でも、今までそんなことを考えたこともなかったし。
何気なく使ってきた魔力が、自分の体を蝕んでいる。
これが事実だとしたら…。
なんだか凄く恐ろしく感じられた。
「さっきも言ったとおり、個人差はあるが、何らかの形でスピナーには訪れる。
お前も例外ではないだろうな。
ただ、心配はしないでくれ。命にかかわるとか、そういうことではねーんだ。
重い症状の奴でも、数日ペンを回さなきゃ症状自体は治まるしな。
…またペンを回したら、再発するが」
「じゃあ、それが発症したら、ペンはもう回せない、ってことですか?」
14
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:03:29 ID:???0
「まぁ、落ち着いてよ、EiH1くん」
akimaruさんが慌てて言う。
…うん、変にてんぱってもしょうがない。
「さっきから話してる旅に行く理由ってのが、それなんだ」
「理由、ですか?」
「うん。この職業病ってのは、魔力が原因。
だから、魔力が無いあっちの世界に行けば、自然と体は元に戻ってくんだ。
あっちの世界全体が、この職業病に対する薬になってる。
別にこっちの空気が汚れてるとか、そういう訳じゃないんだけど」
「つまり、何らかの症状が出た奴は、あっちで体を治してるんだよ。
どれくらいかかるかは、さっきから言ってるように個人差次第だ。
体力とか、ペンにどれくらい普段から触れているかとか、いろんな条件によって違うからな」
がおさんが、akimaruさんの言葉に続けて言う。
15
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:05:32 ID:???0
「…それが旅に行く理由なんですね」
「ああ。
一般的には、短期間に集中的に腕をあげたような奴は、症状が重くなりやすい。
他に強く影響するのは…年齢か」
年齢…それって…。
「あの、スピナーが皆若い、ってのは」
「ああ、これが理由だ。
20を超えた頃から、だんだん厳しくなってくる。
姫とかは、その辺を本当にうまくやりくりしてるんだよな。
あの年齢でスピナーをやってるのは、それだけで凄いことなんだぜ」
ayshさんは、スピナーの中では最年長として知られている。
20歳前後がほとんどであるスピナー。その年齢層も関係してたのか。
「こんなところかな。
このことは、JEBの場合、登録する前に師から話すことになってるんだ。
弟子入りのあとにそのセンスや人柄を師が見極めて、
最後にこのリスクに関して話し、本人がスピナーになるかどうか判断する、と。
この過程を経ることができなかったのは、EiH1くんにとってアンラッキーだったね」
16
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:06:25 ID:???0
「…いえ、がおさんが言ってた通り、変な形でスピナーになっちゃったのは俺が悪かったと思うんで…」
「そうかなぁ…」
akimaruさんが言う。
その後、仕切り直すようにしてがおさんが口を開いた。
「さて、90。俺達が話せることは大体話したぜ。
あんまりのんびりしてらんねーんじゃねえのか?」
…?
何の話だ?
「いえ、今日は一日潰すつもりで来たので、そんなに急ぎではないんですけど…」
俺の返答に、がおさんは意外そうな顔つきをする。
「あれ、お前したらばの一件に絡んでるんじゃなかったのか?
さっき、したらばでいざこざ起こしたとか言ってたし、そうだと思ってたんだが」
今度は、俺が驚く番であった。
「したらばの、一件って…ザコテ達の話ですか?
どうしてがおさんがそれを?」
17
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:07:04 ID:???0
「ザコテ、って…ああ、そういえばそういうこと言ってたな」
「言ってた、って…がおさん、あの人と知り合い?」
「あの人って、お前主犯の正体知ってんのか?」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
俺とがおさんの会話に、akimaruさんが割り込んでくる。
「2人とも落ち着いてよ…なんか会話がかみ合ってないって。
一件って何の話さ、がお」
「分かった、説明する。
俺の知り合いから聞いたんだが、ザコテ達を率いて何やら企んでやがる奴がいるんだ。
それに関して90が関わってる、んだよな?」
「はい。
以前、そのザコテ達の集会の時に、ちょっと戦闘に巻き込まれまして。
それ以来、個人的にちょっと調べ回ったりしてたんです。
主犯格とも会話をしたりもしました…したらばでだったんで、顔を直接見た訳じゃないんですが」
18
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:07:48 ID:???0
「お前、でもその主犯の正体知ってるんだろ?」
「…目星はついてます」
「ふーん…。
俺は静観を決め込んでるんだが、関わる気をしてるなら、やっぱり急いだ方がいいぜ」
がおさんが真面目な声色で言う。
「というと?」
「あいつら、今日動くつもりだ。
確かな情報筋だ、まちがいない」
…今日?
「待って下さい、主犯の男は、まだ動くには時間があるって…」
「それがいつの話かは知らねえが…。
したらばでちょっと話しただけのお前より、俺の情報が信憑性があるのは間違いないと思うぜ」
がおさんがそう言い切る。
19
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:08:25 ID:???0
「…」
確かに、そうかもしれない。
あのとき、「したらばを変えてみろ」という主犯の言葉も…嘘だったのか?
確かにいいように時間を稼がれた、と見れなくもないけど…。
「あの人ら、何をする気なんですか?」
「あ?
お前、それは聞いてないのか?」
「は、はい」
「あいつらはな…」
20
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:10:38 ID:???0
「仲間割れ、なのか…?」
したらばを監視するために集まった、とある民家の部屋。
そんなkUzuの呟きに、toroが答える。
「まー、そんなに仲の良いイメージはないですよねー。
そこまで不思議な話でもないと思いますけどー」
「それはそうだが…。
主犯格が1人いるだろ、あいつの存在が気になる。
声を聞いただけだが、かなり雰囲気があった気がするんだよな。
仲間割れみたいなことは起こさせないと思うんだが…」
「…なるほど。
まぁ確かに、雰囲気はありましたよ。
そういえば生で見たのは、僕と、90さんだけですね」
toroが言う。
21
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:11:50 ID:???0
「あ…。
あの人かな?
さっき入ってったんですけど、すぐ出てきた人が」
scissor'sが画面を指差しながら言う。
「そうですね、なら間もなくcoco_Aさんから…」
『使いが戻りました』
SEVENの言葉に即座に反応するように、coco_Aの声が響く。
coco_Aは、少し間を置くと、何やら困惑した口調で言った。
『彼の話によると…中で、戦闘になっているようです』
「は?」
kUzuがそう言うと同時に。
したらばの遠景を移していた画像に異変があった。
1件の建物から、火の手が上がった。
22
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:12:29 ID:???0
「なっ」
中から人がわらわらと出てくる。
同時に、ごちゃごちゃとした中で、戦闘が始まる。
「一体、どうなってるの…?」
呆然とscissor'sがつぶやく。
「おい、SEVEN」
kUzuが鋭くSEVENの名を呼ぶ。
「行かなくていいのか?」
「…待って下さい。
仲間割れならば、こちらで動く必要はありませんし…陽動の可能性もあります」
「どう見ても陽動じゃねえと思うが…ホントに静観でいいのかよ」
「したらばの中に踏み込むのは、好ましくない…。
もう少し様子を見ます」
「SEVEN…」
23
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:14:53 ID:???0
『失礼』
2人の会話を遮って、coco_Aの声が響く。
『詳しく話を聞きましたが、どうやら仲間割れではなさそうです。
状況から見て、ザコテ達らしき人物と、それ以外の匿名との間での戦闘の可能性が高いかと』
「それ以外って、どーいう…?」
toroをはじめ、一同は困惑した表情を見せる。
そんな中SEVENが1人、別な表情で
「となると、やはり…」
とつぶやいた。
『…SEVENは感づいているようですね。
予想外でしたが、彼らはすでに動き出した、と見た方がいいでしょう』
「…いったいどういうことですか?」
そうtoroが問うと。
「彼らの標的はJEB側でなく…したらば、なのでは」
SEVENが、低い声で答えた。
24
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/20(火) 22:19:10 ID:???0
今日はここまでで。
最近更新が滞り気味で申し訳ありません。
あと、最初に書くの忘れちゃったんですけど、こちら、お世話になってるサイト。
投下するスレまとめさん ttp://toukasurusr00.ninja-web.net/
二次創作サイトさん ttp://toukasuru.web.fc2.com/
いつも本当にありがとうございます。
25
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/21(水) 04:14:55 ID:???0
まとめの中の人です。
こちらのスレの名前は投下するスレ3となっていますが、若干ややこしいですが、こちらは投下するスレ3周目という解釈で、
サイト内では、投下するスレシリーズ、「投下するスレ2」の続きという形でよろしいでしょうか?
26
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/21(水) 06:15:25 ID:???0
移転記念
http://firestorage.jp/download/8325187a73616278cba0d5ff227cf08be012eb7c
前のPVとは違う人です。
あっちと同じことしても意味が無いので投下するスレ2の予告的なのが前半
後半はひろばーぶいをイメージした映像になっています。
27
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/21(水) 20:10:18 ID:???O
おつー!
28
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/22(木) 18:27:00 ID:???O
まってたぜ!
まとめの人とかもおつ
29
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/25(日) 15:35:44 ID:???0
PV2の再うpお願いします。
リンク切れしてて見れないです・・・・
30
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/26(月) 06:07:31 ID:???0
http://firestorage.jp/download/2413e2a160e295f268901ff424e1acc9b8b6d339
どぞー
31
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:03:32 ID:???0
「したらばを…?」
scissor'sが、完全に虚を突かれた様子で、そう口にする。
『その可能性が高いと私も思います。
匿名の装いをしていたから、彼らは匿名に肯定的かとばかり…。
完全にノーマークでした』
「…匿名のザコテ叩きは厳しいからな。
あそこなら、あいつらの恨みを買ってもおかしくはないか…」
kUzuが顎に手をあてながら言う。
「こうなったらしょうがねえ。
SEVEN、中に入って止めよう。したらばだから、とか言ってられない」
kUzuがSEVENに向かって言うが、SEVENは無言を保ったままである。
「おい、SEVEN?」
少し考えた後、SEVENはゆっくりと、こう問いかけた。
32
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:04:23 ID:???0
「我々が止めても、いいのでしょうか」
「…SEVEN?」
toroが思わず聞き返す。
「管理人達には、匿名を守る義務はありません。
ノータッチという形を貫いて来ましたし、向こうもこちらの介入は頑なに拒んできました。
ここで、我々が動く義理はない…」
「おい待てよ、目の前で戦闘になってるのに放置するってのか?」
『物的な被害は出るでしょうが、人的な被害はそう大きくはならないかもしれませんね。
あそこの住人達は、危険を感じればしたらばの外に出ればいい訳ですから…。
匿名としてあそこにいなければ、狙われる危険はありませんので』
coco_Aが冷静な声で引き継ぐ。
「…coco_Aまで」
『客観的なことを言ってみただけです、落ち着いて下さい。kUzuさん。
…私も悩んでます、あそこに手を出すのが正しいか、判断が難しい…』
33
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:05:07 ID:???0
「元々、最近の匿名は目に余るところがありましたし…。
今回は、身から出た錆だと言えなくもないですから」
SEVENの言葉に、場は静まり返る。
「…でも、JEBのペン回しの発展を支えてきたのも、文具板とかの匿名なんだよ。
JEBにとって、大切な存在だったのも、事実だよ」
scissor'sが言う。
「…それは理解しています」
SEVENは、したらばの方に目を向けながら言う。
「…ですが、昨日の脅迫の件も、ありますし…。
我々には、デメリットが多すぎはしないでしょうか」
kUzuはそれを聞いたすぐ後に、ペンを握ると窓に足をかけた。
「く、kUzuさん」
scissor'sが声をあげて引きとめようとする。
34
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:06:11 ID:???0
「…心配しないで下さい。
今日は、管理人達の手伝いとして来てるから…SEVENの決定には反論する気はないっすよ。
ただ、行けと言われたらすぐに止めに入れるように、出来るだけ近くに行っておきます」
「…じゃあ、私も行きます」
「僕も行っときましょーかね、状況把握のためにも」
scissor'sとtoroがkUzuに従う。
「SEVEN、待機してるからな」
そうkUzuが言い残し、3人はしたらばの方へと飛び出して行った。
『SEVEN…』
coco_Aが心配そうな声で、SEVENの名を呼ぶ。
1人残されたSEVENは、床に腰をおろし、無言のまま拳を握りしめた。
35
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:08:02 ID:???0
「したらばを…?」
「ああ。叩きつぶすつもりだそうだ」
予想外のがおさんの発言に、思わず言葉に詰まってしまった。
「それ、ほんと?」
akimaruさんの問いに、がおさんは頷く。
「待って下さい、ザコテ達も、仮面をかぶったり…」
「匿名という形を取っていただけで、あいつらは匿名をそんなに好ましく思っていないんだろうな。
理由はなんとなく分かるだろ。あそこの叩きを考えれば」
あの男も、したらばには嫌気が差すとは言っていた。
確かにこの話は、自然であるようにも思えるけど…。
「したらばは夜の方が人が多いから、昼間のうちに動く可能性が高いと思うぜ。
もう始ってるかもしれないな」
36
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:09:19 ID:???0
「…その、叩きつぶすって、具体的に何を…」
「俺も詳しい話は知らねえよ。
ただ、単純に建物を壊したりするだけで、効果があると思うがな。
あーいうとこは、1度人が離れたらそう簡単に戻ってくるもんじゃない。
・・・かつての文具や曲芸も、そうだったが」
がおさんが少し懐かしそうな表情をして、そう言う。
…まずいことになったな、これは…。
「えーと、さ」
akimaruさんが話に入ってくる。
「ザコテさん達のことはあんまり詳しくないんだけど。
自分達が叩かれてるから、そこをつぶす、ってのはちょっと幼稚過ぎる気もしない?」
「別に、それだけが理由ってことはないじゃねえか。
叩きを批判する理由なんて、他にもちょっと考えりゃいくらでも思いつくぜ」
「そっか…そうだよねぇ」
37
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:10:02 ID:???0
「…あの、がおさんは、どうして静観なんですか?」
「ん?」
「やっぱり、匿名にはあんまり良い感情を持ってないんですか?」
「ああ…そういう話か。
別に否定的、って訳ではない。
匿名には、文具時代に俺もお世話になってるからな。
ただ、今回のしたらばに関しては、嫌う理由もないが好く理由もない、ってだけだ」
…少し言い方を変えてはいるけど、やっぱりしたらばを良く思ってないんだろうな。
がおさんの言葉を聞きながら、そう思った。
叩かれて落ち込んだばかりの俺が言うのはどうかとも思うのだが、
やっぱり叩きは良くないような気がしていた。
勿論、正論であれば多少の叩きは致し方ないというか、むしろ必要なことなんだろう。
けど、今回知ったリアルという世界のことも、ある。
38
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:11:30 ID:???0
スピナーには、もう1つの世界がある。
元々スピナーにとって、こっちは体に毒な世界とも言えるらしく、
向こうの世界は、こっちより技術も進んでいるらしい。
この2つだけで、スピナーが向こうから帰ってこない理由に十分なるのだ。
叩きは、そこに更に追い討ちをかけるような存在になりえるような気がする。
体の異常を抱えながらペンを回していて、それなのに人に非難されるというのは理不尽なように思える。
そう考えれば…。
匿名がこうしてつぶされようとしているのも、当然なんじゃないか。
ザコテ達も、自分達の保身だけでなく、そういうことも考えているのかもしれない。
それなら。
「90」
がおさんに声をかけられ、はっとして顔を上げる。
「何度も言うようだが、のんびりしてていいのか?」
39
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:13:13 ID:???0
「…理由がないような、気がしてきました。俺も。
あそこが潰れるのは、仕方ないような、そんな気が」
俺の答えに、2人は少し驚いたような表情を見せた。
「いいの?
ずっと匿名でいたってことは、EiH1くんもあそこで活動してたんだよね。
愛着とかも、あるんじゃないの?」
akimaruさんが言う。
「でも、あそこの叩きのせいでこっちに帰ってこないスピナーとかもいるのかな、って思ったら…。
愛着がないと言えば嘘にはなりますが」
そう答えた後、付け加えるように、
「それに、その、俺1人どうしたところで、たいして状況は変わらない気がしますし…」
と言った。
「おい」
そんな俺の言葉に対して、がおさんが鋭く声を出した。
40
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:14:52 ID:???0
「それは自分に対しての言い訳だな。
決断しなくてもいいように、自分に都合良く考えてるだけだろ」
…。
図星な気がした。
「…すいません。でも…」
何か言おうとするけど、はっきりとした言葉が出てこない。
どうすればいいのか分からない、というのが正直な気持ちだ。
「…ったく」
そんな俺を見かねたように、がおさんがため息をつく。
「秋丸、頼んでたもの、今持ってんのか?」
「…え?」
突然声をかけられて、思わず声を漏らすakimaruさん。
41
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:15:28 ID:???0
「ああ、うん。
持ってきたけど、どうしたの急に」
「じゃ、行こうぜ。
90、お前も来るか?」
「…来る、って、どこにですか?」
「wikiだ。そこでウジウジ考えてるよりはましだと思うが」
…wiki?
その行き先に対し、頭の中に疑問符が浮かんでいたが、気づけば首を縦に振っていた。
42
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:17:06 ID:???0
「…ひどいね」
「ああ」
となりの、なにやら長身な男に話しかける。
身長までどうしていじるんだろうか、と疑問に思ったけど。
今は本人には聞かないでおいてあげよう。
軽々しく冗談を言える雰囲気ではないし、ね。
一見、どこにでもいそうな男の2人組である。
しかし、その中身は、JEB内で有数の有名スピナー、raimoとRiAsONであった。
見た目が変わっている理由は、単純。
2人が今立っている場所が、したらばだからである。
とあるザコテの後をつける、という形したらばの近くまで来た2人は、
中の異変を感じとって、したらばの中へと入っていき、その状況を目の当たりにすることになった。
43
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:18:14 ID:???0
したらばは、ひどい惨状になっていた。
大量の匿名がしたらばという町全体に攻撃をしかけていた。
それを止めようとする勢力の匿名も数多くいて、したらば全体が乱戦模様となりつつある。
そんな中、様々な店が襲われて、火がついたり中がグチャグチャになったりしていた。
それでもまだ建物が倒壊するような、壊滅的な被害は出ていない。
これはひとえに、この地に幾重にもかけられた魔法のおかげだろう。
ただ、そこを襲っている者達はその魔法を強引に破りにかかっている。
いつかは、限界が来るのは明らかであった。
「っと」
raimoがペンをすっと取り出す。
まだザコテ達の手にかかっていない建物の影から状況を見守っていた2人だが、
ふらっと2人の目の前に1人の匿名が現れた。
その匿名は、2人を見つけるなり、即座に攻撃を放ってきた。
44
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:20:01 ID:???0
「…危な」
raimoがそれをあっさりと止めると、RiAsONがほぼ同時に反撃を放つ。
匿名は吹き飛ばされて壁に叩きつけられ、気を失う。
「変ね」
男の手からペンを没収しながら、RiAsONが呟く。
「何がだ?」
「今、一瞬も迷わないで私たちを攻撃してきたでしょ」
「ん…それがどうした…って、そうか。
そういえば、俺たちも顔は変えてるんだよな」
「うん。ここを攻めてるのも守ってるのも、匿名じゃない。
普通なら、どっちがどっちか分からなくなってもおかしくないんだけどね…」
「前もって変えた顔を覚えておいただけじゃねえのか?」
raimoが頭を掻きながら答える。
45
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:21:19 ID:???0
「んー…。かなりザコテ達の人数も多いから、それは簡単じゃない気がする。
変えた後の顔って何か特徴がなくて、印象に残りづらい感じにみんななるじゃん。
何か、目印でもあるのかな・・・」
「まぁ確かに、守ってる方は誰が敵で誰が味方か分からない感じだな」
「うん。そのせいで、ちょっと旗色が悪いわよね。
でも、思ったより頑張ってると思うよ。匿名の底力って奴かな」
RiAsONが少し感嘆したように、言う。
ザコテ達によるしたらばの侵攻は確実に進んではいたが、
その速度は中での戦闘の激しさと比べると急激ではない。
したらばの住民たちが奮闘している、というのは事実と言えた。
「…攻めてるの、ザコテ達だよな」
「うん…」
raimoの呟きに、RiAsONが小さな声で答える。
2人とも、最初の方から気づいていたが、こうして声に出して確認したのは初めてであった。
46
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:22:05 ID:???0
「姉御はどうすんだよ、とりあえず静観か?」
「そうは言っても、こんな中に飛び出して堂々と戦闘に参加する訳にはいかないよ」
「まぁそうか…」
そう答えながら、raimoはもどかしそうにペンを握り直した。
47
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:23:11 ID:???0
「だいぶ中の戦闘は激しくなってきてるかな」
情報室。
337が様々な機器を操りながら、言う。
「遠景からでも確認できるような被害も出てきていますね。
どれくらい持つでしょうか…」
coco_Aがそれに対し、337が流す映像を確認しながら、言う。
「今は人が多く出入りしてる建物を壊してるとこだからね。
これが普段使わないところとなると、もっと魔法のガードも薄いだろうから加速するだろうね。
まぁ、どれくらい持つかは住人さんの頑張り次第、ってとこだろうけど。いまんとこ。
なんにせよ…」
337は動きをいったん止め、一息ついてから、続けた。
「動くんなら早くしないと、手遅れになる、かな。
動かないにしても、退くならさっさと退いちゃったほうがいいだろうね。
kUzuくん達をやきもちさせる必要はないからね。
こっちで決めなきゃ、彼らは個人的な考えで動けないから」
48
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:23:54 ID:???0
「…その通りですね。申し訳ないです」
「謝る必要はないよ。それより、SEVENに何かアドバイスしてあげたらいいんじゃないの?」
「…彼も、難しい立場にいます。
SEVENは、彼らと匿名の両方にいい思い出がないでしょうから。
でも、彼自身が決めないと」
「厳しいね、coco_Aは」
「いえ・・・それに、私自身もどちらが正しいとは言い切れないのが正直なところですし」
「ま、そうだろうね。
さて、SEVENはどうするのかな…」
337はそう言うと、再び機器の操作に集中を傾けた。
49
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:25:02 ID:???0
戦闘の中。
その最前線に身を置きながら、戦闘には参加しない男が1人。
その男に、刃を建物に向かって放ちながら、1人の匿名が話しかけた。
「順調ですね」
男は、低い声で答える。
「ああ。日が暮れる前にはケリがつきそうだ。
ここをさら地にしてしまえば、当分大きな匿名の地が出来ることはないだろう」
「はい。
本当に、あなたのおかげです。
俺達、ほんとにこれですっとしますよ…」
「…別に、お前達のためにやってる訳ではない」
男は、声をさらに低くしながら言う。
「ここは、潰れるべき存在だ、というだけだ」
「はぁ…」
「…さぁ、頼むぞ」
男は、匿名の肩を軽く叩くと、また戦火の中へ、身を隠していった。
50
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:26:13 ID:???0
「あ…」
どういう経路を通って行くんだろう、と道中ずっと不思議だったんだけど。
そうか、wikiって…ここのことか。
「ここか…」
「どうしたんだ?」
「いえ、wikiって言われて、資料室の中にあるあそこを想像してたので…」
ayshさんの管理する、ペン回し界における重要な資料を数多くそろえた資料室。
その中に、ちょっと小難しい内容をまとめた施設があり、「penspinningwiki」という名前が付いている。
でも、今着いたこの場所は、そこではない。
「EiH1くんもここには来たことあるでしょ?」
「…はい。昔は、ほんとにお世話になりました」
51
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:27:40 ID:???0
そことは別な、wikiと呼ばれる場所。
小難しさとは対極…とは言い過ぎかもしれないが、少なくともあそこほどの堅苦しさはない。
かつて栄えた匿名の地の1つ、文房具板。
その近くに作られたこのあまり大きくない、無機質な建物。
ここが、wiki。
中は、匿名達の文具板での活動が、乱雑に掲示されている。
まじめなペン回しの研究から、文具板で流行したくだらない冗談まで。
活動記録というか、まとめというか。
そんな場所である。
「入るの、ホントに久しぶりです…」
「ま、そうだろうな。
ここはずっと閉鎖されてたからな」
「そうなんですか?」
52
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:31:24 ID:???0
「ああ。秋丸が向こうに行く前に、荒らされないように閉鎖していったんだよ。
俺も久しぶりにちょっとのぞいてみたくなってな。
こっちに来る時には鍵をもってきてくれるように頼んどいたんだ」
…ああ、ここの管理人が秋丸さんだっていう噂は本当だったのか。
「…懐かしい」
乱雑に置かれた資料を手に取って見る。
まだペンを回し始めて間もない俺には、ここの資料は本当に貴重で、役に立つものばかりだった。
当時の文具板は、一番最先端の研究と俺のようなビギナーとが同居していて、
そのくせ妙な一体感があって、本当に居心地が良かったのを覚えている。
「たまにはこういうとこに来るのも、悪くないんだ。
じゃ、俺と秋丸は少し奥に行ってる」
「あ、はい…」
2人は階段を上っていってしまった。
53
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:32:25 ID:???0
「…どうしよう」
久しぶりに訪れて嬉しい気持ちはあるが。
今は、悩み事が頭を支配して、正直あまり楽しむ余裕はない、かな。
今襲われているしたらばに対して、俺はどんな行動をとるのか。
がおさんの言う通り、俺が動いたからどうなるとか、そんなのは問題じゃない。
俺自身が、はっきりと見極めなければいけない。
その結果がどうなろうとも、俺はしたらばに対してどう行動したか。
それは、多分、ものすごく重要なことだと思う。
「…でも、ここで、どうしろっていうんだろ…」
多分、ここに何かヒントがあるんだろうけど…。
54
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:35:14 ID:???0
「本当だ、開いてる」
そこで、ドア越しに声が聞こえた。
誰か、来たのか?
直後、ドアノブが回って、人が入ってくる。
2人組だった。
「は?」
思わず、そんな失礼になりかねない言葉を出してしまった。
「どうも、こんにちは」
「こん…にち、は」
目の前にいたのは。
恐らく、JEBで一番有名な2人組―key3さんと、ayatoriさんであった。
55
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/10/30(金) 22:44:28 ID:???0
今日はここまです。
毎回遅くなってさーせん…
56
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/31(土) 10:51:04 ID:???O
10日くらいどうってことないさ
57
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/31(土) 11:06:08 ID:???O
投下だけに
58
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/10/31(土) 11:33:37 ID:???0
だれうま
59
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/03(火) 19:11:25 ID:5vp.r3BE0
私のアソコを見てください…
http://apple.110ero.com/k77/
60
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:19:39 ID:???0
したらばと塀をはさんで隣接している森。
木の根元に腰掛けているkUzuが、すぐ横で木に寄りかかっているscissor'sに話しかける。
「…SEVENから連絡は…」
「私のところにはないよ」
「そうですかか…」
scissor'sの返答に、kUzuは神経質な様子で髪をかきあげる。
「…kUzuくん、あんまり焦ってもしょうがないよ。
まだ、したらばも持ちそうだし、怪我人もそう多くなさそうだし…」
「誰か来ます」
scissor'sの言葉を遮る形で、toroの声が木の上から響く。
kUzuが即座に立ちあがる。
61
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:20:16 ID:???0
だが、そこでtoroが木から飛び降りてくる。
その表情はリラックスしている。
「すいません。敵ではなかったです」
「じゃあ…あ」
toroに問いかけようとして、kUzuは木の陰から現れた人影を見つけた。
「Makinさん」
kUzuに名前を呼ばれ、Makinは頭をぺこりと下げる。
「あの…一体これは、どうしたんですか?」
遠慮がちで、少し不安げな声をMakinが出す。
「したらばを潰そうとしてる連中がいて、住民と戦闘になってる、ってとこですかね。
だいぶ端折ってはなしますと」
toroが返答する。
62
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:21:19 ID:???0
「…皆さんは、どうしてここに?」
「元々何かまずいことになりそうな予兆があったので。
SEVENやcoco_Aさんの手伝いで、もともとはってたんですけど。
今は指令待ち中、まー、待機ってとこですねー。
SEVENもどうしたらいいか迷ってる感じなんで」
「…ああ、そう、だよね」
Makinはしたらばの方をちらりと目をやりながら、答える。
事情はなんとなく察したのだろう。
「…じゃあ、僕は中に行ってみます」
「中に?」
「その、戦闘は良くないと思うので」
小さな声で、だがしっかりとした口調でMakinは言った。
「…そうですか」
kUzuはそれだけだけ言うと、静かににMakinを見送った。
63
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:21:53 ID:???0
「kUzuさん、行きたきゃ行ってもいいんじゃないですかね。
誰も責めはしないですよ」
「いや…SEVENの決断を待つよ」
「…みんなSEVENに関しては、甘いというか厳しいというか。
特別扱いしますねー」
toroは、頬をカリカリとかきながら、誰に向けるでもなくそう言った。
64
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:22:49 ID:???0
「どうしてこんなところに…」
「ん?」
思わず漏らした呟きに、不思議そうな表情をkey3さんがする。
key3さんとayatoriさん。
JapEn3rdの頃を中心にして、この2人はJEB内では圧倒的な実力と人気を持ち、JEBの最高峰に立っていた。
しかし、それ以降、少しずつ活動が減っていき、ここ最近はほとんど表舞台に顔を出していない。
今は、他のスピナーの成長もあって、絶対的な存在だと言うことはできなくなっていると思う。
しかし、未だにJEB最高のスピナーとしてこの2人を挙げる人は少なくなく、
カリスマ的存在として、影響力は未だ大きい。
最近はJEB内で見かけたという話も全く聞かなかったし、てっきり旅に出ているとばかり思っていた。
65
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:23:26 ID:???0
「…どこかで見たことがあるような」
ayatoriさんが、俺の方を見ながらそう言う。
…えーと、俺は初対面のはずだけど…。
「…俺は覚えがないな」
key3さんが言う。こちらも同じく初対面である。
「どこでだったかな…ああ、そうだ。
この前、何かのCVに出ていたよね。
確か名前は…EiH1くん、だったかな」
「お、覚えてもらっていて恐縮です。はい、EiH1と言います」
「じゃあ、君ががおさんの連れか?」
「え?」
key3さんの質問に、少し驚く。
「どうしてそれを?」
66
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:24:04 ID:???0
「僕と計算は、さっきがおさんからPMをもらってここに来たから。
久しぶりにwikiを開けたんだけど、良かったらお前らもどうだ、ってね。
そのPMに、がおさん・秋丸さんのほかに、もう1人連れがいるって書いてあったから」
「…なるほど」
「あやとり、CVって何のCVだ?」
「この前はさみがやってた、即席CV」
「ああ…」
…この2人を、がおさんが呼んだ、のか。
さっき、ってことは移動中にPMを送ったのだろう。
そう言えば、それっぽい仕草をしていた。
がおさんと秋丸さんは、俺を置いて上の階へと行ってしまっている。
key3さんとayatoriさんがここにくることは、当然知っている訳で…。
俺とこの2人を会わせようとした、のか…?
67
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:24:54 ID:???0
2人の様子だと、今日したらばで何か起こっている、ということは知っていない気がする。
知っていたとしても、何か行動するとか、そういう気はないようだ。
でも、意味もなく呼ぶような人ではないはず。
なら…。
「あの」
「ん、何かな?」
掲示を眺めていたayatoriさんが、良く整った顔をこちらに向ける。
「聞きたいことが、あります」
話をしながら、その「意味」を、探り当てないと。
「あの、ayatoriさんはあのCVを見てくださったなら、知ってるかもしれないんですけど。
俺が90、とかって呼ばれてるのは知ってますか?」
68
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:25:38 ID:???0
「その呼び方、聞いたことがある」
俺の質問に、key3さんが反応した。
「そうか、君のことを指していたのか」
「僕も聞いたことがあるな。それがどうかした?」
「俺のその、90っていうあだ名の由来が、匿名だってのは知ってますか?」
「…初耳だ」
key3さんが答える。
ayatoriさんも、表情からして知らなかったようだ。
「俺、匿名の出身で。
番号に90を良く使ってたから、そう呼ばれたりするようになったんです」
「ふーん…じゃあ、由来は大臣と一緒なんだね」
「はい」
69
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:27:07 ID:???0
とりあえず、身の上話はここまで。
一瞬迷うが、結局ここを切り出さなければ話は進まないと思い、口を再び開く。
「お2人は、匿名―特に、今のしたらばをどう思われますか」
「…したらばを?」
key3さんが眉をひそめる。
「藪から棒な質問で、申し訳ありません。
でも、率直な意見を教えて欲しいんです」
「んー…」
ayatoriさんが、軽く表情を引き締める。
真剣な口調で言ったから、何か察してくれたのかもしれない。
「したらばも、それより前からある場所も、当然訪れたことはあるし、様々な形で関わって来た所だ。
お世話になったこともあるし、迷惑をかけられたこともある。
でも、これはほとんどのスピナーに言える話だと思う。
意見と言っても、変わった言葉は用意できないよ」
ayatoriさんが、言葉を選びながら、話していく。
70
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:28:37 ID:???0
「あやとりに同感だ。俺にしろあやとりにしろ、一般論以外は持ち合わせていないぜ」
「…そう、ですよね」
この2人は、確かにその実力や知名度は特別なものがある。
でもこの話に関しては、意見を仰いだところで何か特別なことが出てくるとは思えない。
「すいません、変なこと聞いて」
「いや、別に構わないさ。
…何か、事情があるのかい?良かったら、相談に乗るけれど」
「…少し、悩み事がありまして」
ayatoriさんの言葉に甘えて、話しはじめる。
「したらばが、どういう存在なのか分からない、って言うか…。
善なのか悪なのか、っていう言い方が正しいかはわからないんですけど。
スピナーって、こことは別にもう1つ、住める世界があるじゃないですか」
と言っても、さっき知ったばかりなんだけど…。
71
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:29:24 ID:???0
「だから、ああいう厳しい叩きや批判がある場所があると、スピナーがどんどん去ってしまうような気がするんです。
もしかしたら、したらばがもし無くなってしまうとしても、しょうがないんじゃないか、とか。
無い方がいいんじゃないか、とか、考えてしまって…」
上手く言葉に出来ず、声の大きさも尻すぼみになってしまった。
「…すいません、なんかまとまってない話をしてしまって」
うつむきながら、謝る。
相談っていうか、ただ愚痴を言っただけのような…。
参ったな、これじゃ2人を困らせるだけだ。
目を合わせられないでいると、key3さんが、こう言った。
「ayatoriみたいなこと考えてるな」
え?
驚きつつ、顔をあげる。
72
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:30:51 ID:???0
「出来れば掘り返さないでほしい所だけど…。
まぁしょうがないな。僕も、そう思っていたし」
苦笑いをしながら、ayatoriさんが言う。
「えっと、どういう…」
「僕も、似たようなことを考えてたことがあってね。
対象は違うけど、考え方は似てると思う。
そんな考えから、今考えれば恥ずかしい、間違った行動に走ってしまったことがある」
「まったくあのときは、本当にこいつは…」
「計算、やめてくれよ」
ものすごく興味を引かれる話だと思った。
「その、もう少し話を聞かせてもらってもいいですか?」
「ああ、いいよ」
ayatoriさんは、ゆっくりと話しはじめる。
73
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:31:44 ID:???0
「あの頃僕が疑問に思ったのは、新しくスピナーになる人に対しての制度だ。
現役のスピナーに認められる、という現行の制度は、門が狭すぎるって考えていてね。
もっとひろく、誰でも旋転に触れられるようにするべきだと思っていた。
その理由は、君と同じだよ」
「同じ?」
俺の問いに、ayatoriさんは頷く。
「当時、僕も旅へ出る時期が近づいていてね。
自分のように、スピナーがどんどんこの世界を去ってしまうような状況が、怖かったんだ。
今はまだ大丈夫だけど、いずれはスピナーの数が減少に転じることもありえる。
そうならないためには、もっと多くの人で旋転の技術というものを、共有するべきだと思った」
…なるほど。
「スピナーがかかる病も、スピナーとしての重荷も、共有できればそれがいいんじゃないか、なんてね。
格好をつけた言い方をすれば、旋転界の未来を憂いて、とでもなるのかな」
確かに。
形は違うけれど、確かになんとなく似ているような気がする。
スピナーが世界から消えてしまうことを憂いている点とか、
そのために、スピナーがもっと暮らしやすい世界にしようと思ってる点、とか。
74
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:32:21 ID:???0
…でも。
「今は、その考えが間違いだって思ってるんですよね?」
「そうなるかな。
もちろん、全てが全てではないよ。
スピナーが持つ重荷を減らすような努力は、していかなければならないと思ってる。
けれど、リアルのことはスピナーがずっと守ってきた秘密だし。
あらゆる人がこの力を持つようなことは、それこそ秩序の崩壊につながるとも思ってるし。
何より…」
「何より?」
「まあ、これは自分で気づいて欲しい所かな。
君は、文具板が全盛のころにも、あそこにいたのかい?」
「はい、まだ駆け出しではありましたが」
「なら丁度いい。
このwikiが、良いヒントになると思う」
「…ここが?」
75
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:33:53 ID:???0
このwikiが…か。
周りを見渡す。
思い浮かぶのは、懐かしい思い出ばかりで。
過去だから美化してしまっているだけなのかもしれないが、
当時の文具板は良かったな、という思いが浮かんでしまって。
逆に、今のしたらばへの否定的な感情が浮かんでしまう。
…分からない。
がおさんが俺をここへ連れてきたことも考えれば、ここには何かあるのだろう。
でも、それは一体、何なのか。
「…初心に帰れ、ってとこか」
「そんなところかな」
key3さんの呟きに、ayatoriさんが頷く。
初心…。
76
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:34:29 ID:???0
俺は、ここからほんの少し歩いたところにある場所で、
スピナー達が集まって何かをやっているのを知っていた。
一般の人は存在自体知らない人が多かったし、
知っていても怖がったりして、近づく人はいなかった。
そんな中、俺はふらっとそこを訪れて。
顔も変えずに、中に入った。
最初から、皆が顔を変えているということは知らず、この顔のまま入った。
俺が人畜無害そうな顔をしていたのが幸いか、バレることはなかった。
それからずっと顔を変えないまま匿名の地に居座り続けた訳だが。
中で、スピナー達を見て、何やらかっこいいと思った。
そこを何度も訪れて行くうちに、ペン回しにどんどん魅せられていった。
素人だとバラす訳にはいかなかったので、見よう見まねやここの資料何かを見ながら自力でペン回しを覚えて。
進んでいく技術、活発になっていく王宮等での活動。
それらとどこか距離を置きながら、匿名として、同時にスピナーとして過ごしてきた。
77
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:35:24 ID:???0
俺が、いっぱしのスピナーらしくなろうとしていたあの頃は、何を思っていたのだろうか。
そして今、俺は何を考えている?
したらばの住民達は?
ザコテ達は?
皆は、いったい何を考えて、ペンを回しているのか。
「あ…」
はっきりとした答えが見つかった、というのとは違う。
でも、朧げななにかが、分かった気がした
「あの…なんとなく、分かった、かも」
「そうか」
ayatoriさんが軽く微笑んだ。
「じゃ、俺、行かないと…」
「分かった。行ってらっしゃい」
78
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:36:02 ID:???0
「はい」
2人に頭を下げると、入口に向かって走る。
…あ、そうだ。
扉に手をかけた時、気づいて後ろを振り返る。
「あの、がおさんと秋丸さん、2階にいるんで…。
ありがとうございました、って伝えてもらえますか?」
「分かった」
key3さんが頷いてくれたのを確認した後、扉を開ける。
何やら、外はまぶしく感じだ。
「…急がなきゃ」
どんな状況になっているかは分からないけど。
とにかく、今は急いで行かなければ。
したらばへ。
79
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/07(土) 16:37:23 ID:???0
今日はここまでです。
80
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/07(土) 19:25:31 ID:???0
乙!
81
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/07(土) 19:51:14 ID:???0
うほっ!乙!
つか綾取りと計算いいとこ鳥じゃねーか
82
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/08(日) 01:37:35 ID:???O
まきんたん(*´ω`*)
今更だけどリアルのくだりの設定は秀逸だな
83
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/08(日) 15:24:37 ID:???O
計算が他人としてでてる違和感がw
84
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/13(金) 23:17:51 ID:???0
http://www.youtube.com/watch?v=dq4mNeSwuHg&feature=sub
前スレにて一部PVを上げたものです
少々気が早いかとも思いましたが
神曲を前に溢れる感情が止まりませんですた
前回に続いてYoutubeにアップしてくださっているAREZERTさんにはこの場を借りてありがとうと言わせていただきます
85
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:03:14 ID:???0
「…Makin?」
したらば。
RiAsONの隣で状況を見守っていたraimoが、突然そう呟いた。
「え?」
「いや、Makinの魔力の気配が、一瞬」
聞き返したRiAsONに答えながら、raimoはペンを回し始める。
「気のせい、か…?
あー、クソ、そこらじゅうで魔力が混線してて訳分かんねーことになってる。
感覚をつかみづらいったらありゃしねえ…」
「raimoがつかみづらい、ってのは珍しいわね」
「ここ特有の仕掛け、って奴じゃねえのか。
こういうのは、戦闘だけじゃここまでおかしくはならねえんだが…。
ん、いた」
86
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:04:03 ID:???0
そう言って、raimoが一点を指さす。
「確かに、あの回し方は…Makinだね」
RiAsONがその先にいる匿名の手を注視した後、言う。
「よし…」
raimoは、物影から飛び出すと、戦闘の合間を縫ってMakinに近づいていく。
Makinの戦闘が一段落するタイミングを見計らい、声をかけた。
「…Makin、俺だ。分かるな」
raimoの声に、少し驚いた後、うなずくMakin。
「あっちに姉御と隠れてる。おまえもちょっとこい」
「…でも」
「落ち着けよ。
ここでがむしゃらに戦闘に参加しても、たいして効果はないだろ」
「…」
87
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:04:35 ID:???0
raimoの言葉を認めるようにして頷くMakin。
そのまま、raimoに従って建物の陰へと隠れる。
「Makin、どうしてここにいるの?」
RiAsONは、Makinが来るとすぐにそう聞いた。
「…たまたま近くまで来て、おかしいと思って」
「そっか…。Makinなら、止めに入るわよね、それは。
でも、こういう匿名の場所で、おおっぴらに暴れるのは良くないと思うよ」
「でも、そんなこと言ってる場合じゃないです。
匿名だってスピナーなんだから、こんなのは…」
こんなによくしゃべるMakinは、久しぶりに見たな、とRiAsONは思った。
それだけ、この事態にショックを受けてるんだろう。
「Makinの言葉も、一理あるぜ。
そろそろ怪我人も多くなってきてるし、建物も崩れ始めてる」
88
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:05:49 ID:???0
「…でも、管理人達が動いてないわね。
これだけの騒ぎだから、どこかのスピナーから連絡は行ってる気がするんだけどな」
「管理人さん達、ですけど…。
すぐ外で、kUzuさん、toroさん、はさみさんに会いました」
「その3人が、どうかしたのか?」
「coco_Aさん達の指示で待機してる、って言ってた。
動いてはいるんだろうけど、手が出せないでいるんじゃないかな…」
「…俺たちと結局一緒かよ」
raimoはそう言って、頭をかく。
「でも、その3人に俺達3人、あとcoco_AさんやSEVEN辺りもいるだろうから…。
それだけの人数かけてやれば、止めれるんじゃないか?」
確かに、一流スピナーが8人も集まれば、これだけ人数がいようと強引に止めるのは不可能じゃないかもしれない。
なら…。
「…どうだろう」
raimoの言葉に、Makinが異論を唱える。
89
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:06:31 ID:???0
「ここを攻撃してる匿名達を、どう攻撃していいか分からないから…。
誰が敵で誰が味方なのか見当がつかなくて。
誰かに狙いを定めて、攻めようと思っても、すぐに見た目を変えて人ごみに紛れられてしまって」
「…確かに、見た目を変えられたら訳が分からなくなる。
これだけの乱戦模様だと、余計。
でも、それは味方も同じことだろ?」
「そう、思うんだけど…そんなことなさそうで。
見た目をどんどん変えてるのに、複数で連携して攻めてきたりして。
どうなってるのか、分からないよ…」
「傍目から見る以上に、出来るってことね」
Makinが頷く。
「手詰まりじゃねえか。
手を出しても勝算が無くて、しかも手を出していいかも分からねえって…。
こんなんじゃ、ただ見てる方がいい、って考えるしか…」
raimoが唇をかむ。
90
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:07:06 ID:???0
「それが、狙い…?」
RiAsONが、神妙な面持ちで呟く。
「いくつも向こうに有利な条件を重ねて、こっちの足枷にしてる、って考えると…」
「だとしても、こっちに出来ることが変わる訳じゃねえだろ」
「そうなんだけど、ね…」
RiAsONは、厳しい表情で、戦火へ目を向けた。
91
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:09:32 ID:???0
「大臣、PMが」
coco_Aが、テーブルの上で受信を知らせたカードを指差して、337に言う。
「あれ…PMか。珍しいな」
「そうなんですか?大臣クラスだと、かなりの数来てそうですけどね」
「いやー、そんなことないよ。
親しい人は、ここに置いてある通信機器の方に連絡くれるしね。
えーと…ん」
「どうしました?」
「90くんだ…何の用だろ」
鼻の頭をかきながら、337が言う。
「EiH1さんですか?
…そういえば、彼もこの事態には気づいてるとは思いますが、いったい何を…」
「…」
92
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:11:01 ID:???0
表示された文面を読み進めていく337。
その表情が、少し困惑したものになっていく。
「大臣?」
「可能かも、しれないけど…となると…んー…」
337はぶつぶつと呟いている。
「大臣、どうしたんですか?」
「…ここあ、PMに使われてる魔力の波を探知するのは、プライバシーとか考えて、まずいよね」
「え?
…えー、そうですね、好ましいことではないとは思いますが」
coco_Aは面食らいながら、337の質問に答える。
「でも、緊急事態ならしょうがない、とも思う?」
「…待って下さい。EiH1さんから、どんな内容が?」
93
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:11:32 ID:???0
「PM持ってる特定の人物の位置とかを探れないか、ってだけ言ってきてるんだけど…。
こんな状況だから、ね」
「…確かに、ちょっとお茶をしたいから誰かを探してる、ってわけではないでしょうね。
こんなタイミングで、わざわざ大臣にPMを送ってきてるんですから」
「うん…」
coco_Aは少し考えた後、こう言った。
「話によっては可能かもしれない、と返信してみて下さい。
事態の収束に役立つなら、多少の問題もやむなしでしょう」
「おっけー」
337は頷いて、素早く文章を書き始めた。
94
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:12:03 ID:???0
四方から飛んでくる、火・斬撃、爆発、など。
簡単なパスで攻撃を感知しつつ、振りかかる攻撃に適宜、対処していく。
半年前の王宮の事件の時には、出来なかったであろう芸当だ。
単純な技の難易度も上がっているが、魅せ方・魔力の使い方を、前よりよく知るようになったと思う。
裏影に頼るような状況からはそれよりも前に脱したつもりであるし。
もし半年前、自分が今と同じだけの技量を持っていたなら。
複数のJapEn1stの戦士を相手にすることも可能だったのでは、と思ったりもする。
そんなことは、考えるだけ無駄なのだが。
「…無残な姿に、なってしまったな」
SEVENは、そう呟いた。
SEVENは、したらばの中にいた。
判断の前に、自分の目で見なければいけない、と思ったのが理由であった。
95
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:15:05 ID:???0
戦闘の中、というのはやはり居て気分のいいものではないな、と思った。
スピナーというのは、性質上攻撃より防御の方がやりやすくなっている。
スピナーは大抵、戦闘中に反射神経等の底上げをしてる。
これに探知も加えれば相手の攻撃に対して対処するのは、同程度ならそう難しくない。
そのため、魔法が飛び交う戦闘であっても、見た目ほど負傷者が出ないことも少なくない。
だが、ちょっとしたミスで大けがを負うことは当然あるし。
周りの建物などの、物的な被害は容赦なく生まれてくる。
ここは、陰鬱とした雰囲気ながら、何とも言えない熱気のあった。
自分は好きになれなかったが、魅せられる人がいるというのも理解できる気はしていた。
そんな面影は、もはやない。
元々廃墟のような雰囲気はあったが、完全に廃墟となっては人も集まらなくなるだろう。
96
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:20:45 ID:???0
スピナーの同士戦闘を許すわけにはいかない―という理由で、止めに入ることもできたはずだ。
こんなことになっては、匿名には不関与という方針など、無視して当然のことなのだ。
更に、kUzuさんに対しては、脅迫のことも口にしてしまった。
昨日coco_Aさんと話し合って、それは無視すると決めたはずなのに、だ。
決断し切れず、ぶれているのが自分自身でも分かる。
客観的に状況を見据えたなら、止めに入るのが正解な気がする。
でも、それでいいのか分からない。
総合管理人は、JEB全体の方針を定めるのが仕事である。
冷静に状況を判断して、最善の方向へ進めるのが第一なのは、当然の話だ。
その「最前」とは、いったいどういうことなのか。
損得を判断するのも大事だ。
しかし、それと同じくらい大事なものが、他にもあるはずなのだ。
97
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:21:59 ID:???0
そんな意味でも、このしたらばをどうするか、というのは大きな意味を持つ。
歴史がある場所で、腐ったといわれようと人が集まっているのも事実だ。
けれど、自身が納得できないまま、ここを守っていいのか。
分岐点なのではないかと思う。
ここが残るべきなのか、消えるべきなのか。
「とりあえず残しておこう」、みたいな曖昧な判断は、下せない―。
「おい、今の回し方…」
「…俺も思った」
そんな声が聞こえ、我に帰る。
「おいてめー、あのSEVENか?」
…少し考えに没頭してしまって、手元が疎かになったかもしれない。
特定されないよう、無個性な回しを心掛けていたつもりだったが、癖が出てしまったか。
98
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:22:30 ID:???0
「戦えば分かることだ…覚悟しやがれ」
数人が俺を標的に定めたようだ。
考え事は、いったん中断だ。
この程度の奴相手なら、自分の個性を封印しても、すぐに片付く。
2人が、全く同時に距離を詰めてきた。
示し合わせたように左右に分かれると、挟むようにして斬撃を打ってくる。
落ち着いて、2つ同時に打ち消す。
荒い構成のソニック系だが、十分。
その瞬間を狙うようにして、正面から攻撃。
強力な火炎だが、狙いが甘い。
軽く体を反らしてかわす。
・・・っ!
体を動かしたその瞬間。
そこに狙い澄ましたように、攻撃が飛んできた。
99
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:23:29 ID:???0
斬撃が3つに、瓦礫を用いた攻撃が1つ、それと爆撃のような攻撃。
…種類が多く、1度に止めきれない。
即座に魔力を移動術に切り替え、上に飛びあがって攻撃をかわす。
飛び上がった瞬間、そこにさらに飛んでくる攻撃。
1対1の戦闘ではなかなか体験できない、波状攻撃。
覚悟していなかったわけではないが、予想以上にその精度が高く、驚異的であった。
すんでのところで防御し、転がるようにして着地する。
「危、な…」
危なかった、と言おうとした、その瞬間。
背後に気配。
瞬時に振り向くと、そこには1人の匿名。
目に飛び込んだのは、左手から伸びた、魔力製の白い刃。
100
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:24:28 ID:???0
まず、いっ…
防御も回避も、行う暇がない。
やられた、と思った。
しかし。
匿名は、左手を振り上げたところで、動きを止めた。
「…?」
いつの間にか、刃は消えていた。
苦痛の表情を浮かべ、男が左手をおさえる。
そこに1人の少年が素早く近づくと、素早く一撃を放ち、ペンを弾き飛ばした。
「あ…」
そのまま、礼を言う間もなく、少年は走り去っていく。
101
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:25:32 ID:???0
「今の人は…」
横顔が見えた。
見知らぬ顔ばかりの中で初めて見た見知った顔だ。
強い存在感があった。
「…」
ペンを握り直す。
後ろから、数人の攻撃が飛んでくる。
だが、ゆっくり相手をしている暇は、なくなった。
34からペンを、掌へと放つ。
裏影で作った分身に処理を任せると、少年の姿を追った。
102
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:26:49 ID:???0
「思ったより、ひどいな…」
したらばの中を走るEiH1は、その惨状に思わず顔をしかめていた。
近づいた時点で、中で何かが起こっているのが分かったが、これは予想通り。
中で起こっていることも、大体がおさんの言っていたことと同じで、これも予想通り。
だが、実際に中に入って、戦闘や荒れ果てた建物を見ると。
予想以上にひどい、と、そんな感想を、どうしても持ってしまった。
「急がないと…」
さっきは思わず、多勢に囲まれてやられそうになっていた人を助けてしまったけど、
そんなことを繰り返しても、俺の腕ではどうにもならないだろう。
というか、この形勢を見るに、JEBを代表するようなスピナーだとしても、1人や2人ではどうにもならないと思う。
103
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:27:33 ID:???0
そんなことよりも、他に俺にはやるべきことがある。
ポケットからPMを取り出し、337さんからさっきもらったメッセージを確認する。
『本スレの辺りから動いてないみたい。
こっちももっと精度を高めてみるから、90くんも頑張って』
「本スレ、か…。
この辺り、だけど…」
目の前の本スレは、まだ原形を保ってはいる。
しかし、建物の中は随分とひどいことになっている様子である。
流石は本スレといったところか、この辺りはだいぶ戦闘が激しく、
匿名側・ザコテ側、ともに人が多い。
「…ここから、探すのか」
この中から、1人の匿名を見つける。
普通に考えて、楽なことではない。
視線を右に左に動かしながら、必死にあの男を探す。
104
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:28:48 ID:???0
「…」
見つからない。これはいくらなんでも厳しい。
じっくりと探せればなんとかなるかもしれないけど…。
周りから標的にされないためにも、動き続ける必要がある。
時間がないってのに…。
焦りはじめたそのとき。
ポケットから振動を感じる。
急いで取り出して見る。
337さん、だ。
「…店内、北側」
流石だ、337さん。
したらばで、しかもこんな状況下の場所で、個人のPMカードの場所を探知できるってだけでも凄いのに。
これだけの精度が可能ってのは、恐れ入る。
よし…。
急いで店内の中に駆け込む。
105
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:29:52 ID:???0
向かって奥が、北にあたる。
じっと目を凝らす。
「…いた」
集中して見れば、すぐに分かった。
戦闘に積極的に参加しない挙動は、注意して見ると違和感がある。
何より、纏っている雰囲気が、あの男―ザコテ達をまとめている、この事件の仕掛け人。
いくら顔を隠しても、雰囲気や話し方・挙動は隠せないし、変えた後の顔にも特徴が現れる。
と言っても、そこまで気づける人間は多くないはず。
そんなんが出来るのは、匿名に入り浸っている俺みたいなやつだけだと思う。
誇れることなのかどうかは、分からないけど。
俺がここに来た目的は、あいつと話をすることだ。
この戦闘を俺が止めれるとすれば、それがたぶん、唯一の方法だ。
106
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:30:56 ID:???0
45からの始動。
滑らかさと速度のバランスに注意しながら。
23まで上って、また45へ。
素早く相手の近くに近寄る。
しっかりとした話をするためにも、まずは不意打ちで相手のペンを―。
「うっ」
近づく途中で、攻撃が来る。
男からではなく、横から。
それも1発ではない。
「っ…」
10人ほどのザコテが、一斉に俺に向かってきた。
護衛がいるだろうな、とは思っていたけど…。
流石にこれだけ多いと、厳しい。
107
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:31:33 ID:???0
雨霰と飛んでくる攻撃を必死に防御する。
かろうじて1波目を受けきったところで、男と目があった。
「…お前か」
「おい、ちょっと話が…」
「片付けていいぞ」
「っ」
男の号令に、ザコテ達が一斉に攻撃を仕掛けてくる。
普通はこれだけの数で一斉に攻撃しても、攻撃同士が干渉してしまったりするものだ。
それを、しっかり人数分の力で攻撃が飛んでくる。
互いの連携や打ち合わせが、非常にうまい、ってことか。
1波目とは比べ物にならない密度だ。
さっきのは、様子見だったのかよ。
108
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:32:04 ID:???0
「くそっ」
まずい。
「おい、お前、話を聞けよっ」
大声を張り上げる。
「こっちを向けって…!」
が、男は、見向きもしない。
クソっ…。
「話を聞けよっ!
おい、Uszakuっ!」
思わず、そう叫んでいた。
とたんに、攻撃が弱くなった。
ザコテ達が驚きと困惑をあらわにしている。
男も、素早く反応してこっちを見た。
109
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:32:35 ID:???0
男がすっと右手を挙げると、攻撃が止んだ。
「…貴様」
「正解か、やっぱり」
内心では、合っていてホッとしていた。
ほぼ確定ではあったけど、100%ではなかったからな。
とにかく、話をする舞台は整ってくれたようだ。
EiH1は、目の前の主犯格―Uszakuを、鋭く見据えた。
110
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/15(日) 00:34:29 ID:???0
今日はここまで。
ぼちぼち最終回です。
あとどれくらいかな…たぶん、2,3話だと思います。
111
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/15(日) 00:43:19 ID:???O
乙!! すごく楽しみ!
がんばってください!
112
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/15(日) 02:35:29 ID:???O
おつー
やっぱりそろそろ終わりっぽいと思ってたけど…
うわあああああ
113
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/15(日) 02:47:15 ID:???O
すwwwwwwwざwwwwwwwwwくwwwwwwwwwww
114
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/15(日) 07:59:33 ID:???O
うsざく普通に喋れんじゃねえかwww
115
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/16(月) 01:00:05 ID:???0
マジレスするとうsざくだって完全にフィクションな存在じゃないのに
悪役扱いすんのはどうかと思う。作者はspicaとかでうsざく嫌いなんじゃないのか
116
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/16(月) 02:02:43 ID:???O
>>115
前菜だって悪役だったやん
117
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/16(月) 08:00:39 ID:???O
>>115
んな野暮なこと言ってんじゃねえよ
悪役でも出れたしうsざく的には嬉しいだろjk
118
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/16(月) 18:00:36 ID:???0
ちょっと時期ずれたせいでPVでれなかったうsざく可哀そう
>>84
がもうちょい後に作ってれば重要な位置に入っただろうに
119
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/17(火) 00:18:07 ID:???0
悪役でも出れたし・・・ってうぬぼれすぎワロタwww
俺でてるけど別にうれしくねーwwww
120
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/17(火) 00:48:23 ID:???O
>>119
残念ながらお前はでてない
121
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/20(金) 22:06:22 ID:???0
ここ壊されないように頑張ってるんだろ
122
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 19:54:45 ID:???0
気づけば、店の中全体の戦闘も収まり気味になっていた。
多くの匿名達が手を止め、俺へと視線を向けている。
「こいつ…」
俺に歩み寄ろうとする1人のザコテを、Uszakuが制する。
「EiH1、どこでそれを知った?」
「その前に、顔と声を元に戻してくれよ。
頭じゃ分かってても、その口調じゃ実感がわかねぇ」
「…フン」
ニヤリとすると、顔が波打つようにして動いたあと、前より少し幼い顔つきが現れる。
その顔は、間違いなく、Uszakuだ。
敬称は、もう省略していいだろう。
123
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 19:57:27 ID:???0
「どうも、Uszakuでしゅ」
高い声で、特徴的な、舌足らずな声が響いた。
「…これでいいかな?」
一転、主犯格のものである、凄みのある声。
声は魔力で変えられるけれど、口調は変えられない。
どっちが本性なのか分からないが、なんというか…器用な奴だ。
「俺がUszakuだとどうして気づいたのか、教えてもらおうか」
「ペンだ」
「…ペン?」
「前にここで話をしたとき、お前が持ってたペン。
あれ、337さんに作り方を調べてもらった奴だろ?」
Uszakuが、一瞬はっとしたような表情をする。
124
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 19:59:37 ID:???0
「337さんの部屋で、あのペンについて調べた資料を見つけたんだ。
で、聞いてみたら、あんたに作り方を教えた、って言われたんだよ。
JEBで、あのペンを使ってる奴は見たことがない。
337さんも、色々調べ回ったけれどJEB内じゃ資料が見つからなかった、って話をしてくれたしね」
「…フン。
普段は持ち運ぶペンにも気を使っていたんだが…あの時は迂闊だった」
「Uszaku。
単刀直入に言うけど、こんな真似はすぐにやめてくれ」
俺の言葉に、Uszakuは長い溜息をついた。
「EiH1、ここに入り浸っているお前なら、ここがどんどん腐っていっているのが分かるだろう。
ここは、消えるべきだ。
旋転界のためにもな」
旋転界のためにも、か。
「詳しい所、聞かせてくれよ」
125
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:03:09 ID:???0
俺の問いに対し、Uszakuは周りを見渡したあと、
「…いいだろう」
と言った。
店内の戦闘はほとんど止み、ザコテも住人もUszakuと俺に注目している。
ここで、俺の質問を無視することはできない、と見たんだろう。
Uszakuにしてみれば、ザコテ達を惹きつけておく必要がある訳で、
俺のこの問いに対する答えをごまかすようにして、ザコテ達がUszakuに懐疑心を抱いたらまずいからな。
この状況、予想してたわけじゃないけど、俺にとってはラッキーだ。
「今のしたらばに、何がある。
無用な叩き、意味のない議論、それを利用した工作や煽り。
そんなくだらないものがはこびっていて、有意義なものなど何1つありはしない。
こんな場所、残しておいても意味はないだろう」
「だからと言って、実力行使で叩きつぶすのがいい、ってことにはならないんじゃないのか」
126
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:03:49 ID:???0
「好ましい話ではないのは、承知している。
だが、多少強制的にでも、ここの排除が旋転界には必要だ。
ここは門戸が開かれているため、若いスピナー達が入り込みやすい。
彼らにとって、ここは魅力的な情報源に映るだろう。
だが、ここにまだ経験の浅いスピナーが入り浸れば、そのスピナーは腐ってしまう。
理由は、言わなくても分かるな?」
…まぁ、信憑性のない情報がここには随分氾濫してるからな。
「そういうこともあるかもしれない、が。
ここの奴らは新参には結構厳しいんだぜ、知らないか?」
「新参でも、ただ黙って話を聞いている分には、何も文句は言われないだろう」
確かにそうだ。
いわゆるROMって奴だ。
「それに、ここには理不尽で、不愉快極まりない叩きが数多く存在する。
無視すればいいと分かっていても、誰も叩かれていい気分はしないだろう。
スピナーがスピナーを苦しめる、こんなくだらない風習、意味はない」
「でも」
127
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:05:33 ID:???0
「EiH1、たたきが必要なときもある、なんてことを口にしないでくれよ?
ここでの叩きは、デメリットの量がメリットの量を超えている。
明らかに、な」
「…」
「ここは、スピナーの醜い部分が詰まった、掃き溜めのような所だ。
誰も触らなかったから、ここまで大きくなってしまったが・・・。
そろそろ、誰かに掃除されてもいい頃だろう」
「けっ!」
どこからか、わざとらしいそんな声が聞こえた。
「たとえ醜かろうが、それがスピナーの持つ一面だろうが」
Uszakuに対する反論のようだ。
ということは、ここの住人かな。
「そうだ。
スピナー、というより人間なら、誰しもそういう面は持ってるじゃんか。
それを、臭いものにフタをするみたいに、隠しても、単なるごまかしじゃねえか」
128
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:10:20 ID:???0
「フン…。
あらゆることをさらけ出すのが正しい、等という考えは、幼児の頃に卒業するべきだろう。
心の中で思うのと、実際に口に出してしまうのとでは、天と地ほどの差がある。
真実を見せること、正直なことが常に正しいとは限らない。
出してはいけないものを出させるのが、匿名だ」
「…」
「このしたらばを見て、旋転界に嫌気がさすようなスピナーも、少なくないのではないか。
JEBを支えるスピナー達が、ここを離れていくのをよしとしていいのか。
今や、こんなところはなくても、スピナーは活動する場所に困りはしない。
文具板全盛の頃とは、時代違うのだ。
互いの顔と名前を明かして、誠意ある活動を、するべきだろう」
身振り手振りを交えながら、Uszakuが語る。
ちょっと言い方が気取ってる感じなのは気になるけど、
思っていることは伝わるような気がする。
なんというか、こいつも意味もなくやってるわけではないんだな、ということは分かった。
けど、それが正しいのかどうなのか、ってのは…分からない。
129
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:12:38 ID:???0
「…なるほど、こんな演説をして、ザコテ達をたぶらかしたのか?」
「人聞きの悪いことを言わないでくれ」
Uszakuが鋭い視線で俺を睨む。
「俺の考えは、簡単には話したが彼らに理解は求めていない。
彼らとは、別な条件で協力を願っただけだ。
したらばは彼らの不遇となっている最たる場所であるし、
こうして実力行使をすることで彼らの持つ力を示すデモンストレーションにもなる。
利害が一致していると考え、話を持ちかけた」
淡々とした口調で、Uszakuが述べていく。
「…彼らの置かれる状況を一考する機会があってな」
今の話を信用する限り、ザコテ達をだまして利用した、ってわけでもないのかな。
…まぁ、ここはそんなに重要なところではないか。
「EiH1、君のことはそれなりに買っている。
ここの住人としては珍しく、話が通じると思っているのでな。
君はまだ、ここを擁護するのか?
それなら…」
130
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:13:29 ID:???0
Uszakuが、ペンを軽く回した。
同時に、取り巻きのザコテ全員から、魔力の気配が立ち上る。
「君のことも、倒さなければならないだろう」
「えーと、ちょっと、落ち着いてくれ」
このまま戦闘になったらまずいと思い、慌てて声を出す。
「その、色々と煽って悪かった。
お前が何を考えてるか、しっかり聞いときたかったからな…。
今度は、俺が自分の考えを言う番だな」
「…ほう」
深呼吸をしたあと、話すことを頭の中で簡単にまとめて、こう切り出した。
「俺もさ、最近のしたらばって、ホント、クソだと思うんだよ」
131
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:14:39 ID:???0
…つまらない冗談を言ったときと同じだ。
空気が凍った、まさにそんな感じ。
こいつは何を言ってるんだ、という雰囲気が周りからはっきりと感じられる。
Uszakuでさえ、驚きが表情ににじんでいる。
「お前の言うとおり、最近話題になることってくだらないことばかりで。
まともな話題が出たと思っても、精神年齢が低いっていうかさ、議論する気にならないような奴ばっかで。
スピナーが嫌気をさしてもおかしくないし。
ちょっと考えても、デメリットばっかだ。
もっとも、今に始まったことじゃないのかもな…匿名って、クソみたいなやつが集まるとこなのかもしれない」
明らかに不穏な空気になっていた。
失望したような表情をしている奴は、住民だろうな。
そんな中、Uszakuだけは、その表情を再び鋭いものに変えている。
「…何が言いたい」
132
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:15:57 ID:???0
「クソみたいなところだけどさ。
これはこれでアリなんじゃね、って思うんだよね」
再び、空気が変わる。
「たくさんの人に迷惑をかけるどうしようもないとこだけど。
たまにはいいことしたりするし。
つぶさなくてもいいんじゃないかな、って思うんだよ。
えーと、その、手のかかる子ほとかわいい、とか言うじゃんか」
「EiH1…」
Uszakuの表情が変わり始める。
「お前の狙いは、ここで俺を論破することで、ザコテ達を俺から引き剥がすとだと俺は踏んでいた。
彼らが3分の1も手を止めれば、そちらが有利となるからな。
…違かったのか?」
その声には、怒りが滲んでいる。
「あー、バレてたのか…」
俺の言葉に、Uszakuの憤怒がさらに濃くなる。
133
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:17:27 ID:???0
「貴様…。
そんな、訳の分からない理屈で、俺を言い負かせられるとでも、思っていたのか…?」
Uszakuは、屈辱だと言わんばかりに掃き捨てる。
怒らせてしまったのは予想外だけど、仕方ない。
大した理由じゃないと、自分でも思うし。
「俺さ、ここは糞だと思うけど、嫌いじゃないんだ。
嫌気がさしたりするけど。この前も、嫌な思いしたりしたけどさ。
やっぱ、ここが嫌いになれないんだよ」
自分が思ってる事を、正直に話していく。
俺は、したらばに入り浸ってることからも分かるかもしれないが、根が根暗で考え事が好きなタチだ。
でも、ごちゃごちゃ考え過ぎない単純なことも、嫌いじゃない。
「何で嫌いになれないのか、って思うんだけど。
たぶん、俺はここの住民が、ペンを回してるから、嫌いじゃないと思うんだ」
「…は?」
134
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:21:21 ID:???0
「スピナーに悪い奴はいない、そうだろ?」
Uszakuの怒りが、今度は呆れに変わっているのが、感じ取れた。
「あいつの回しがどうだの、あのFSがこうだの。
ペン回しと関係ないとこで人をたたいたりもしてるけど、
ペン回しと関係ない人の話をする奴は、ほとんど聞いたこと無い。
ここは、ペン回しの話題しかない」
「…当然だろう、そういう場所だ」
「ああ。なのに、よくもこう人が集まるな、って。
俺みたいに、毎日来てるような奴も、実は少なくないと思う。
大っぴらにここの話をするのは嫌いでも、実はよく見に来るってスピナーもいると思うし。
酒なら、もっと別な場所で飲めばいいのに、さ」
周りの空気が変わり始める。
ようやく言いたいことが伝わり始めた、だろうか。
「どうしようもない奴ばっかりだけど、結局はここにいる住民は、ペン回し馬鹿なんだよ。
そりゃそうだろ、そうじゃなきゃスピナーになんてならないし。
魔法が使えるのは勿論魅力的だけど、スピナーになるのは簡単じゃない。
そんな中、必死に練習してスピナーになった奴らなんだ。
その中でもここにいつも来るような奴は、ペン回しが好きだよ。確実にさ」
135
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:22:43 ID:???0
「…だから嫌いにならないと、そう言いたいのか?」
「ああ。
根本的なとこは、まっすぐなはずなんだ。
何度も言うけど、スピナーに悪い奴はいない、しな。
今は糞みたいな場所だけど、きっと必要な時が来るし、そういう場所になる」
「その根拠は?」
「住民が、ペン回しが好きだから。
ペン回しが好きな奴らが、ペン回し界を壊すはずがない。
長い目で見れば、必ずペン回し界のためになる存在になってくれるはず。
単純な理屈だよ」
「…甘い考えだ。
ただの惰性でいるような奴も少なくないだろう。
それに、たとえお前の言う通り、旋転界が壊れることを望んでいないとしても、
気づかぬうちに壊してしまう可能性は十二分にある」
「その辺は、議論してもどうしようもなさそうだな。
ここに対する信頼感の違いだろ。
まぁ、その辺は、俺は匿名として年季が入ってるからな。愛着もあるし」
136
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:24:08 ID:???0
Uszakuは、俺の言葉にため息をついた。
「もう少し賢い人間だと思ってたが、買いかぶりだったようだ」
そんなん言われてもなぁ。
「とにかく、そういう訳で、ここは残す価値がある。
お前との意見の違いが簡単に埋められるとは思わないけど。
少なくとも、潰してしまうには、時期尚早なんじゃないか」
「…勝手に貴様が意見を述べただけだろう。
私の意見は揺らがない」
「俺はお前を論破できないけど、お前も俺は論破できない、そうだろ。
こんな状態で強行するのは、どうなんだよ。
Uszaku、お前は人並みの道徳観・公平さがあると踏んでる。
止まるのには、遅くない」
「…フン」
「Uszakuっ」
137
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:26:12 ID:???0
「今更、止まれるものか…」
「おい、待てっ」
まずい。
論理的に考えるタチのようだったから、筋が通った話をすれば止まってくれると、思ったんだが…。
「交渉は決裂だ。
叩きつぶす。貴様のような弱い意見で、我々を揺らがせるとは思うなよ…」
Uszakuの右手に、火が宿る。
さっきまでのような戦闘になれば、俺には何もできない。
ザコテ達を倒すどころが、Uszaku1人でも俺じゃ、厳しいかもしれないんだ。
…結局、俺にこの騒動を止めるのは無理だったのか?
「まずは、貴様のうるさい口を封じさせてもらおうか」
Uszakuと取り巻きたちが構える。
したらばがどうのこうの、の前に、俺の身が危うい。
138
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:28:25 ID:???0
やばい、と思った、その瞬間。
俺とUszaku達との間、俺のすぐ目の前に火柱が立ち上った。
大きさはたいしたことないが、その質の高さは驚異的だった。
その強烈な熱と迫力に、咄嗟に後ずさりして、その拍子に転んでしまう。
これだけのものを出せるのは…。
「はろー、きゅーちゃん」
尻もちをついた俺に向けた、場にそぐわない軽さの挨拶が聞こえた。
139
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:28:59 ID:???0
「EiH1さんから、連絡はありませんか?」
coco_Aが、少し神経質な様子で337に言う。
「まだないね」
「EiH1さんが今どうしているか、分かりませんか?」
「おそらく、Uszakuとは接触しているはず。
どっちも本スレの中から動いてない、ってのは確認できるから」
「そうですか…。
そろそろ、限界ですよ…」
『coco_Aさん』
2人の会話に、通信が割って入る。
「SEVENっ」
140
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:29:47 ID:???0
『…EiH1さんの手助けをしていたのって、もしかして大臣辺りではないですか?』
「おー」
337が感嘆の声を上げる。
「ご明察。ということは、今したらばにいるの?」
『…はい。彼を見つけて、気になって観察していたんですが…。
Uszakuさんの所に、カードを見た後に凄い速さで直行していたので、
誰か手助けしてるんだな、とは思ったんですが…本当に大臣でしたか』
SEVENの溜息が、情報室に流れる。
『よく、協力してみようという気になりましたね。
したらばにいるスピナーの位置を探るのなんて、楽じゃないでしょうに…』
「SEVEN、したらばにいるのなら状況は分かっていると思いますが、そろそろ…」
coco_Aが焦りを隠さずにSEVENに言う。
141
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:32:15 ID:???0
『分かってます。
coco_Aさん』
それを、落ち着き払った声で、SEVENは制した。
『kUzuさん達に…力づくで構いませんので、全力でしたらばの戦闘を止めるように、と。
伝えてもらえますか』
coco_Aは一瞬目を丸くした。
しかし、すぐに表情を元に戻すと、
「…了解です」
と、力強く言った。
142
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:34:07 ID:???0
はろー、なんていうやけに軽い挨拶は、凄く聞きおぼえる女性の声だった。
「…よう」
それに、低く、聞き取りづらい声が続く。
2人の横には、もう1人。
何も口にはせず、ただキッとした表情でUszakuを睨む少年。
「リアさんに、raimo…Makinさんも…」
すぐに分かった。
なぜか、顔を変えていなかったからだ。
そういえば俺も変えてないけど、それはすっかり忘れてたからで…。
普通は、ここに入ったら変えるはず、なのに。
「…どうして?」
「どうして、ってもね。
知り合いがやられそうだったら助けるでしょ、普通」
「でも、こんなとこで…というか、顔、なんで…」
143
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:37:06 ID:???0
顔をわざと変えてない、とすれば。
それはすなわち、匿名としてじゃなく、コテとして動いてる、ってことになる。
リアさんはRiAsONとして、らいもはraimoとして、そしてMakinさんは、Makinとして。
自分の今からする行動に、はっきりとした責任を持つ、ってことだ。
「手、貸してやるよ。お前1人じゃ何もできないだろ」
「…いいの?」
「…戦闘を良しとするような考えの人は、許せませんし。
それに、90くんの考えに、共感できたので」
Makinさんが、控え目な声量で言う。
「…あー、まぁ、そういうことだ」
頭を掻きながら、raimoが同意する。
144
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:37:51 ID:???0
「Uszaku、あんたがそんなしゃべり方出来るとは知らなかったけどさ。
ちょっとやりすぎたみたいね。
観念なさい」
RiAsONさんが、ペンをUszakuにつきつける。
raimo、Makinさんもペンを構える。
なんだろう。
俺と普段気さくに話しているときとは、雰囲気が違う。
何と言うか…オーラが出ている。
これがウマコテ、って奴か。
かっこいいな畜生。
「…あの程度の安い演説に乗るような人達だとは思いませんでしたよ」
「安っぽい話だってのは同意するわよ。
けど、あんなことを本気で思っちゃうような人が、ここにまだいるっていうなら、
まだここにも価値があるんじゃない?」
リアさんの言葉に対し、Uszakuの表情がさらに険しくなる。
145
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:39:29 ID:???0
そんな中、Uszakuがおもむろに右手を耳にあてた。
そして、何かを聞くような仕草を見せた後、舌打ちを1つした。
「…管理人共も、動きだしたか」
…管理人達が?
SEVEN次第だ、っていうことは337さんがPMで言っていたけど、
SEVENさんが決断してくれた、ってことだろう。
「…面白い。
ここまで来たら、我々も退く訳にはいかんのだ…。
ある程度の数のウマコテを相手にすることになるのも、想定内だ」
Uszakuが、誰に言う訳でもなく、そう口にする。
「ほう、上等じゃねえか」
raimoが挑発気味にそう口にする。
「そう簡単に破れるような戦術を組んではいない…。
受けて立とう、我々が気づきあげたネットワーク―Zakote Uzakote Networkでな…!」
Uszakuの言葉と同時に、本スレ内のザコテ達が動く。
それに対し、俺のすぐ横に立つウマコテ3人も、鋭くペンを始動させた。
146
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/11/23(月) 20:41:16 ID:???0
今日は以上です。
次回、30回目の投下で区切りもいいようなので、多少長くなっても終わらせる予定でいます。
どうぞよろしくー。
147
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 20:50:13 ID:???O
遂に終わっちゃうのか・・・ いつも感動をありがとう!!!
148
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:05:38 ID:???0
ここでまさかのZUN
149
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:22:57 ID:???0
ZUNオールスター集合してほしいのぉ
150
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:25:06 ID:???0
ZUNってそれほどzktとかいない気がするんだけど俺の気のせい?
小説にそういうの突っ込むのは野暮かな
151
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:28:08 ID:???0
>>150
バカやろう!
だったら90君ピンチじゃねーか!
152
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:32:09 ID:???0
ZUNのそこそこレベルある奴挙げて誰が出てくるか予想しようぜ
153
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:37:50 ID:???0
一条
熱湯
ねっくれす
うぃきぺでぃあ
ずんだ
うどん
fff
まーと
つんでれ
ふぉーえばー
かじの
BS
とりゃる
あるさと
せいしゅ
ところ
青バラ
さらだ
のいず
くね
くら
べじ
いち
めし
かいだん
せれん
ぽんこつ
佐武
おーがすと
ぞんぼ・・・?
なちゅらる
がお
ペガサス
れと
水虫
ちーず
みんど
あしあ
あれそ
そう
ふぇんりる
まきん
らるてすかる
ふえ
D
ぱと
冬
兵卒
豪腕
結構居たんですが・・・これ結構無理ゲーじゃね
154
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 21:41:55 ID:???0
いや・・まあ・・・ほら・・なんだ
くずとかいるし平気じゃね
てかまさかのまきん裏切り
155
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 22:07:27 ID:???O
90のセリフで久々に鳥肌たった
俺って惰性でここに居続けてるかもしれない
ペン回しがすきだったはずなのに
156
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/23(月) 23:43:36 ID:???0
この作品を通して、したらばもいい方へ進んでくれたら嬉しいなあ・・・・
157
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/24(火) 01:16:51 ID:???0
>>153
いるけどいない奴もいるがな
158
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/24(火) 17:34:28 ID:???0
>>153
自分の名前を探した俺がバカだった
159
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 00:22:33 ID:???0
惰性だって良いさ。
例としては・・・そうだな。
ちきゅー温暖化辺りが分かり易いね。
政治家やら何やらが地球温暖化を止めるだとかうんたら言ってるけど
熱くなりすぎたら氷河期が来るはず(多分)
つまり流れに任せばいつかリセットされる。
管理人が居ないのが致命的だけどね。
結論は地球も人間も「明日から本気出す」
160
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 00:54:25 ID:???0
>>158
書かれてあった俺は幸せ者
161
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 07:23:09 ID:???O
お前らペン回し好き?
162
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 17:33:13 ID:???0
最初は好きでやってたけど
色々あってこれくらいしか趣味で出来ることないから
我慢っていう感じかな・・・。
163
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 17:42:18 ID:???0
俺はペン回し大好きだ
最高の趣味に出会えたと思ってるよ
164
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 20:10:38 ID:???0
>>163
激しく同意
オレもペン回し大好きだ
165
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 20:28:18 ID:B5EoHG/wO
動画提出とかのプレッシャーでストレスになる時はあるけど1人で好きにやってるだけの趣味より全然いい
金かかりすぎることも無く、時と場所選べば周りに迷惑かけることも無く、本当に最高の遊びだと思う
166
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 20:37:01 ID:???O
誇れる趣味じゃないけど(くだらないし、ペンを無駄にするし・・・)
俺は好きだよ 難しいけどね
167
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 21:51:44 ID:???O
俺の一番のペン回しの楽しみは
ほかのスピナーと楽しく交流してる時
異論は認めん
168
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/25(水) 22:42:06 ID:???O
>>167
あるあるw
169
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/26(木) 00:35:47 ID:ihi46xV.O
俺達は軸とグリップのオナニーを手伝ってる
レベルが上がればそれはもうセックスだ。軸とグリップと手の3Pだ
ペンを無駄になんかしていない。
170
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/26(木) 00:52:56 ID:???O
>>169
マジキチ
171
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/26(木) 17:07:50 ID:???0
>>167
結構やってるのにずっとボッチスピナーですがどうしたらいいでしょうか
172
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/26(木) 23:52:15 ID:???0
>>171
俺もだ
オフとかに参加する暇がない
173
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/27(金) 19:46:45 ID:???0
>>172
オフどころかネットでもだよ
JEBとか名前ついてるだけで怖い
174
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/28(土) 22:58:20 ID:yoMX/Ars0
それはない
175
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/29(日) 18:31:38 ID:???0
>>174
IDがMX
176
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/30(月) 03:19:19 ID:???0
>>174
しかももう少しであれそ
177
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/11/30(月) 15:03:17 ID:???0
>>174
しかもYoMXって言うねww
178
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 16:34:45 ID:???0
どうも…。
2週間も空けてしまって申し訳ありません。
えーと、今日の夜には投下できそうなので、先に伝えときます。
どうぞよろしく。
179
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 19:54:17 ID:???0
「了解」
coco_Aからの連絡に、口早に返事をすると、
kUzuは素早くしたらばを囲う塀を駆けあがった。
塀の上でしたらばを見下ろしながら、kUzuのペンが加速する。
ガンマン、パス、アラウンド。
様々な系統を複雑に絡み合わせながら、紡がれる旋転。
明快な豪快さと、秘められた緻密さが融合している。
ずっと待機させられた鬱憤を晴らすように、いきなり本気での旋転を繰り出す。
同時に、kUzuの周りに雷が、うねりを上げ始める。
kUzuの繰り出す魔力をどんどんため込んで、密度は上がっていく。
「kUzuさん、匿名の中には善良な人も混ざってますからねー。
無差別に攻撃しちゃ駄目ですよ」
その横にtoroが降り立ち、のんびりとした口調で言う。
180
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 19:55:27 ID:???0
「分かってるよ。
脅しの意味も込めて、多めに「貯めて」みただけだ。
相手の反応で、敵か味方か判断する」
「まぁ、kUzuさんなら大丈夫とは思いますけどー。
さーてと…」
toroもペンを構える。
表面には出さないが、その闘志は静かに燃えている。
「人数の利を生かした連携で攻めてくるから、注意、って話だったよね」
巨大な鋏を左手で軽々と持って上がってきた、scissor'sが言う。
「んー、複数のスピナーの連携って言ってもたかが知れてると思うんですけどねー」
「でも、わざわざSEVEN君が言ってたんだから、注意しないと」
「勿論注意はしますが、自信を持っていけば、負けはしませんよ」
kUzuが力強く言い切る。
「行こう」
3人が、したらばへと降り立つ。
181
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 19:56:07 ID:???0
本スレ。
Uszakuの言葉と同時に、10人前後が、一斉に攻撃を放つ。
火炎、斬撃といったメジャーな所から、Bonitoを彷彿とさせる水での攻撃など、多彩な攻撃。
「バラエティ豊かね」
Makin・raimoの前に立って、それに対処したのはRiAsON。
1つ1つ確実に、魔力をぶつけて消していく。
確実性、そしてスピード。
誰もが求められる基本的な技術であり、それゆえ差も出にくい部分である。
しかし、RiAsONのそれらの技術は、突出していた。
「…うま…」
思わず、EiH1はそう呟いた。
様々な種類の攻撃を、あれだけの精度で防御できるのは、リアさんぐらいだろう。
その背後から、Makinさんが攻撃を放つ。
182
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 19:57:22 ID:???0
範囲を引き絞った斬撃、というよりむしろ、1点集中の突きに近い。
1直線にUszakuへと向かっていく。
「…うま」
だが、この攻撃はUszakuには届かない。
横に立つ3人が続けざまに防御を行い、強引に攻撃を消し去った。
ずっと感じてたことだけど、相手も相当、訓練してある。
そうでなければ、あれだけの連携は出来はしないだろう。
どっちも上手い。
互いに1撃ずつ入れ合った形だが、そう簡単に決着がつく話ではない気がする。
「らいもにきゅーちゃん、サボってないで戦いなさいよ」
リアさんが口を尖らせる。
「…悪い、ちょっとな…」
raimoが、少し語尾を濁らせて答える。
「…?」
183
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 19:58:02 ID:???0
「来ますよ」
Makinさんの声と同時に、再び相手の攻撃。
今度は、リアさんとMakinさんが2人がかりで防御をする。
俺はすぐさま立ち上がると、ペンを動かし始める。
隙を見て攻撃を、と思ったのだが、後ろから気配。
「…そっ」
別な攻撃が飛んできた。
大した攻撃ではなかったので、防御は出来た。
「連携はあっちのが上ね、いったん分かれよーか」
分かれる、って…ああ、分散して戦う、ってことか。
「賛成です」
Makinさんも同意する。
184
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:00:27 ID:???0
連携しての戦闘になれてない俺達は、分散して個々に戦った方がいいだろう。
互いの足を引っ張る可能性があるからな。
リアさん、Makinさんの言葉を受け、raimoが言った。
「…じゃ、本スレは3人に任せていいか」
「任せる、って?」
「調べ物だ。
頼むぜ」
raimoはそう言うと、ザコテ達をけん制しつつ、入口の方へ走って行ってしまう。
…なんだろう。
調べ物、って、こんな時に?
「何か考えがあるんでしょ。
3人で、さっさとここ片付けるわよ」
「あ、はい」
リアさんの言葉に促され、ペンを構え直す。
片付ける、か。
そう一筋縄でいきそうな相手じゃないんだけど…。
185
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:01:20 ID:???0
「後ろだっ」
1人のザコテが叫ぶ。
目の前の1人の少年に集中砲火を向けていたザコテ達は、虚をつかれる。
「くそっ…挟み撃ちにしようってか…」
振り向いたザコテ達の視界に入るのは。
攻撃を向けていた相手と、同じ顔である。
「裏影…っ」
ザコテ達の攻撃対象は、JEBの若き総合管理人、SEVENであった。
街の中心部、屋外の道路上。
SEVENは、10人近いザコテ達を戦闘を繰り広げていた。
自身と裏影での挟み撃ち。
それぞれの実力は半分になるが、注意力を削ぐ意味で、かなり有効である。
186
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:01:55 ID:???0
「…本体を消せば、どっちも消えるぞ!」
ザコテの1人が叫んだ。
疲弊してきたザコテ達は、これで決めんとばかりに攻撃をSEVEN本体に集中させる。
「残念」
瞬間。SEVEN本体が、消えた。
「…な」
ザコテ達の動きが、一瞬止まる。
そんな彼らの背後で、強力な魔力が立ち上る。
SEVENが、高速で移動した訳ではない。
ただ、裏影を解除しただけである。
「そっちが、本体っ…」
SEVENの攻撃が、ザコテ達に振りかかる。
187
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:03:15 ID:???0
1手遅れをとったザコテ達は、防御を試みるが、追いつかない。
SEVENは高速で詰め将棋を完了させ、全員を無力化させた。
「…ふぅ」
SEVENは息をつくと、顔を一旦変えて、人気のない所へと走る。
…少し飛ばし過ぎた。休憩を入れた方がいいな。
「10人程度に苦労するんじゃ、僕もまだまだだな…」
彼らは、したらばを潰すために何かしらの対策をしてきたようである。
その成果は認めるが、今の10人ぐらい、楽にさばけないといけない。
「SEVEN」
突然、背後から声をかけられて、驚く。
「…coco_Aさん」
SEVENが振り向いた先にいたのは、coco_Aであった。
188
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:04:51 ID:???0
「情報関係は大臣にお任せしました。
大臣1人じゃつらいかもしれませんが…ま、頑張ってもらいます」
「…そうですか」
SEVENは、苦笑いしながら答える。
「私も、戦闘に参加するつもりです。
…SEVEN、突然攻撃を許可したのは、どうしてですか?」
「…そうですね…。
ちょっと、冷静になっただけです」
「EiH1さんと、何があったんです?」
SEVENは頬をかいた後、答える。
「何を話した、という訳ではないんですけど。
ただ、彼が主犯―Uszakuと話しているところを、後ろから見てまして」
「話、ですか…彼、何をしたんですか?」
189
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:05:33 ID:???0
「何も。
ただ、ちょっと話をしていただけですよ」
「ふむ…」
coco_Aは少し考えた後。
「EiH1さんの考えに、触発されました?」
「ちょっと違います。
ただ、僕の個人的な感情で、ものを決めてたかもしれない、とは気づかされましたよ。
…僕は、ここが嫌いなので」
「…」
「僕の考えはまだ保留です。
ここの処遇も、今までのような放置でいいのか、考える余地があります。
その辺は…ここを止めてから、ゆっくりと話しましょう」
SEVENはそう言うと、再び戦闘が起きている方へ走って行った。
coco_Aは、その姿に、黙って従った。
190
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:07:08 ID:???0
「…ちっ」
kUzuは、舌打ちを1つした。
kUzuが立っている周りに、人影はない。
皆、距離をとったり隠れたりして、即座に戦闘になる場所には誰もいない。
kUzuが戦闘に参加して以降。
最初は歯向かってくる匿名を相手していればよかったが、
ある程度倒したところで、相手がいなくなった。
ここ20分は、ほとんど戦闘をしていない。
住人なのかザコテなのか、判断が出来ない俺には、そう簡単に自分から攻める訳にもいかない。
…地道に、よく観察して、場合によっては攻撃していくしかないのか。
けど、そんなんじゃ埒があかないよな…。
191
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:08:39 ID:???0
そんな、考え事をしていた俺が、油断しているように見えたのだろうか。
後ろから、2人程のザコテが攻めてくるのを感じた。
振り向く必要もないな、と思いつつ、雷を飛ばす。
うねる竜のような雷が、ザコテ達の方へ飛んでいく。
規模は小さいが、とんでもなく高い密度の魔力を練りこんでいく。
彼らのレベルだと、防御は出来ない。
逃げようとしても、リアルタイムで動きを制御しているから、逃げれはしない。
雷に触れてしまって、簡単に気絶して、終いだ。
「…」
だが、手ごたえはない。
後ろを振り向く。
振り向きもせず、いきなり攻撃を飛ばしたから、2人は虚をつかれたはず。
実際、そんな表情である。
しかし、俺の攻撃は、数多くの横槍によって、防御されてしまっていた。
192
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:09:45 ID:???0
「…クソ」
せっかく見つけたターゲットを、逃すわけにはいかない。
2人組に向かって、雷の矢を数本飛ばす。
四方から飛んでくる防御に邪魔されるが、構わず攻撃を続ける。
移動術で距離を詰め、さらに追撃。
「…ちっ」
1人のペンは弾き飛ばしたが、もう1人は逃げられてしまった。
さっき、邪魔をしてきた奴らの場所は、なんとなく掴んだ。
だが、即座に相手も移動してくるだろうし、さっきみたいに周りに邪魔される内に逃げられたら…。
ウマコテの介入によって、破壊行為は大分落ち着いた。
…逆に、破壊行為をしてる奴がいたら、すぐに攻撃してやれるわけなんだけど。
「…参ったな、畜生」
193
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:16:46 ID:???0
「外も落ち着いてきたな」
「はい」
戦闘がこう着状態になり、動きが少なくなってきたころ。
本スレ内のUszakuは、走りながら側近に小さく呟いた。
「…指示をするが、今は俺のマークが厳しいから、口頭で伝える。
お前から全員に伝えてくれ」
「了解です」
「各所に散っている人員を、一旦溜まり場に集中させる。
ウマコテを1人1人、集中して叩け」
「分かりました」
「相手が複数になったら、すぐに散って姿をくらませ。
対象を違う奴に移して、同様の集中攻撃をしろ」
「はい」
「…よし」
194
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:17:18 ID:???0
指示を受けたザコテが去っていく。
Uszakuは、真剣なまなざしで、眼下のしたらばを見ていた。
ウマコテ達を、各個撃破することは、可能だ。
これまでは、したらばを破壊するという目的があったため、そこまで人員を集中させては来なかった。
我々が築いたネットワークによって、人を集めれば集めるほど、力は強く出来る。
人数に物を言わせれば、ウマコテを超える魔術が行えるのは、実験済みだ。
一点集中の攻撃。
これで…ケリはつく。
195
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:18:01 ID:???0
戦闘が、静まって来た。
不気味な静けさだ。
一気に戦闘に参加してきたウマコテ達が、どうすればいいのか分からなくなっている。
これが、相手の狙ってることだとしたら。
危険な状態、ってことになるだろう。
「させねえよ」
raimoは、そう呟いた。
したらばの中心にある、建物の屋根の上。
全体を見渡せるここで、raimoは目をつぶって、意識を集中させていた。
196
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:19:16 ID:???0
raimoが感じた違和感。
それは、他のスピナーも感じていたことだった。
ザコテ達の強さの秘密、すなわち「連携」。
訓練・準備といったもので済ましてしまっている者が多かったが、raimoはそうは思わなかった。
あんな連携、いくら感覚を磨いたって、出来るもんじゃない。
何か、裏がある。
互いの魔力を感じて、それに合わせる―なんてのは、そう簡単じゃない。
攻撃のタイミング、種類、位置―そう言ったものを知らせる、何かしらのサインが必要だ。
一体どんなサインか。
…魔力を使ってる以外、ありえねえだろ。
恐らく、通信に使われている魔力を応用したようなものだろう。
197
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:19:53 ID:???0
Uszakuの言葉にも、引っかかる点があった。
『受けて立とう、我々が築きあげたネットワークでな』
ネットワークにザコテなんとかという名前をつけていた気がするが、それはどうでもいいとして、だ。
重要なのは、ネットワーク、という言葉だ。
普通はあまり使わないい言い回しだ。
だが、これを、例の「サイン」と繋げて考えればどうか。
すなわち、互いの感覚を、魔力によって共有するネットワーク。
それによって、あの連携が生まれているのだとすれば、合点がいく。
そうと分かれば、話は早い。
そのネットワークを、遮断してやればいい。
様々な探知をしかけて、ようやく今のしたらばの中での、魔力の流れをつかめてきた。
そろそろ、見えてきてもいいころだ…。
198
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:21:20 ID:???0
raimoのペンが、静かに動いていく。
独特の動きであり、その旋転は、違和感を感じるほどに滑らかで、よどみがない。
見る人を、自然と引き込むような、そんな旋転。
独創性と、人々に訴える感覚。
普通の構成でも、彼が回せば、「raimoの旋転」としてしまうような、個性と実力。
かつて、JEBには、圧倒的な魔力への感性と、旋転の力を持った魔術師がいた。
その魔術師を超えるものは、未だ現れていない。
だが、近い存在は、いくつか現れ始めている。
そんな中の1人が、raimo。
魔術師bonkuraに匹敵する魔力に対する感性を持ち、時に彼に近いレベルの力も見せる。
そんな彼だからこそ。
したらばという複雑な環境の中で、緻密に隠ぺいされたその波長を、捕えた。
199
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:22:12 ID:???0
「…え?」
EiH1は、思わずそう呟いた。
張りつめた空気の中で、ザコテ達とけん制し合っていたところ。
一瞬で、明らかに空気が変わった。
最初は、何が起こったのか分からなかった。
ただ、何かが起きたのは、確かだった。
なぜなら、自分と相対するザコテ達の表情も、一瞬にして変わったからだ。
「お、おい」
「どうなって…」
ザコテ達が、ざわつきはじめる。
これは、一体?
200
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:22:57 ID:???0
「チャンスね」
そんな呟きが聞こえるのと同時に、リアさんが動いたのが分かった。
鋭い火の矢が、ザコテ達を襲う。
「う、うおっ」
ザコテ達は、困惑しながらも防御する。
しかし、何だか弱い。
今までとは一転、統率のとれていない動きになっている。
なんというか、以前、coco_Aさん・kUzuさん・toroさんの3人で、集まりを攻撃したときを思い出した。
あの時のような、ただのザコテ達に戻った、って感じだ。
「ふぅ」
一呼吸を置いて、すぐ隣に来たリアさんが、言う。
「raimoかな」
201
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:23:53 ID:???0
「…raimo?」
「よく分からないけど、うまいとこやってくれた、って感じでしょ」
「はぁ…」
状況がつかめない俺に、極めつけのことが起こった。
本スレ内の匿名達の、半数ほどに、異変。
具体的に言えば、顔に。
「…うわ」
思わず、そんな声が漏れた。
これは…。
3分の2ほどの匿名の額に、黒い文字が浮かんでいる。
「ザコテ」と。
202
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:24:24 ID:???0
「うん、raimoにしてはいいギャグセンスしてるかな」
戦闘の中で、それはあまりにシュールで、笑えないほど効果的な目印だった。
「よっし、これで気兼ねなくいけるね」
リアさんがニヤッとすると、素早く動き出した。
「Makin、2人でここは片付けちゃおうか」
リアさんの問いかけに、Makinさんが頷く。
…あー、つまり、俺は邪魔しないように見てろってことか。
リアさんのペンが踊りはじめる。
奇抜な動き・大味な動きと、滑らかで純粋な旋転。
その両方を使いこなすリアさんは、戦闘において隙がない。
防御も攻撃もそつなくこなし、安定している。
格下相手には、厳しいだろう。
何か弱点があれば、そこをつけるのかもしれないけど、そうはいかない。
203
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:25:45 ID:???0
Makinさんも、リアさんに似て弱点が少なめなタイプだ。
リアさんと違って特徴的なのは、その華やかさ。
力強い大技も、滑らかな動きも、同じ技を他のスピナーがこなしたときより、明らかに質が高い。
当然、生まれる魔力も並ではない。
Makinさんが、強烈な熱風を飛ばす。
傍から見る分にはただの風だが、それが何かに当たった瞬間、発火する。
防御は難しいだろう。攻撃の範囲が特定しづらく、威力も高い。
Makinさんの攻撃に四苦八苦しているザコテ達に向かって、リアさんが的確な斬撃を飛ばす。
範囲を引き絞り、ただ1点―彼らの持つ、ペンだけを破壊してく。
怪我をさせないように、という配慮だろうけど…とんでもない精度である。
混乱したザコテ達は、2人の敵ではない。
本スレ内は、もはや2人のショータイムと化していた。
今までの鬱憤を晴らすように、次々にザコテ達を倒していく。
…コメントが思いつかない。
俺は、本スレ内の勝負がつくまで、ただ、圧倒されていた。
204
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:26:17 ID:???0
「raimo、お前か」
「…kUzuさん」
中心部。
raimoの姿を見つけたkUzuが、声をかけた。
「どうして俺だと?」
「これだけのことが出来るのは、今はお前だけだろ。
流石だよ」
「…あざす。
でも、流石なのはkUzuさんですよ」
「ん?」
「さっきからそこらじゅうでザコテが気絶してますが、kUzuさんでしょ。
強烈な電圧でビリっとやって、無力化ですか」
205
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:27:13 ID:???0
「ああ、そんなとこだ」
「…威力と器用さを併せ持ってるんだからなー、この人は…。
じゃ、もう片付いたんですか?」
「大体な。
俺のほかに、coco_Aさん、SEVEN、鋏さん…あと、リア姉にMakinも見かけたな。
これだけいれば、そう時間はかからないさ」
「俺がちょっと休憩してる間に終わっちゃうとはね…。
活躍の場を残してくれててもいいじゃないですか」
ぶすっとした表情で漏らすraimo。
kUzuが苦笑いをしながら、それに答える。
「何言ってやがる、どう考えても今日のMVPはraimoだよ」
「…」
kUzuの褒め言葉にも、raimoはあまり嬉しそうな表情は見せない。
206
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:28:01 ID:???0
「俺じゃないっすよ」
「とは言っても、お前以外に誰がいるんだよ」
「…」
raimoは、何を言うか迷うように口の辺りをむずむずさせたあと、
「本スレいきましょう。
締めです」
と、言った。
207
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:28:31 ID:???0
「…ここまで、脆いとはな」
目の前のUszakuは、自嘲気味にそう言い放った。
その言葉は、随分と寂しく響いたように、EiH1は感じた。
本スレ内。
ザコテ達は一掃され、Uszakuも既にペンを失っている。
「残念だったわね」
リアさんが、言う。
戦闘に参加したコテ達全員がUszakuを囲み、少し距離を取ってその様子を住人達が見守っている。
「さて、俺はどうなるのかね?」
「罪状は余るほどあります。
覚悟しておいて下さいね」
SEVENが、厳しい口調で言う。
208
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:29:18 ID:???0
coco_Aさんが、Uszakuにゆっくりと詰め寄る。
「あ、あのっ」
そんな様子を見て、思わず声を出していた。
「EiH1さん?」
「その、えーと…」
何が言いたいか分からないまま、口を開いてしまって、言葉に詰まってしまう。
「…きゅーちゃん、まさかこの期に及んで同情なんてしてないよね?」
「う…」
ズバリとリアさんにあてられ、さらに言葉に詰まる。
「えーと…あ」
そんな中、パッと閃いて、駆け足でしゃべっていく。
209
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:30:07 ID:???0
「その、目の前にいるその人は、まだ、匿名じゃないですか。まだ、公に顔をさらした訳じゃない。
ここじゃ特定はご法度ですから、その、匿名がやった、ってことで…。
具体的に誰かを処罰はしない、ってことに…」
「…ならねえよ」
raimoが言う。
「だよ、ね」
…はぁ、俺は何を言ってるんだろうか。
「90」
低い声が聞こえた。
Uszakuだ。
「貴様、どこまで俺をコケにする気だ?
この期に及んで安い同情など、不愉快なだけだ」
「いや、そういうつもりじゃ…」
なんだか、俺はこの人と相性が悪いのだろうか。
やけに怒らせてるような…。
210
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:31:36 ID:???0
「…ほんとに、そういうつもりじゃないんです。
その、この人も、ペン回し界のことを考えてやったことだし…。
この人も、たぶん、ペン回しが凄い好きな人だと、思うんですよ」
「…」
「俺が、この人の正体を知ったのだって、この人がマイナーなペンを持ってたのが発端じゃないですか。
あれについて337さんから色々聞きましたけど、あれ、本当にマイナーなんですよ。
よほどマメに海外について情報を仕入れてないと、あれに目は止まらないし。
目にとまったとしても、わざわざ人に作り方を聞いて作るなんて、そうできることじゃないです。
…だから…その…」
「もういいですよ」
俺の言葉を遮ったのは、SEVENだった。
「…EiH1さんの言いたいことは分かりました。
ですが、この人のしたことはすぐに広まるでしょうし、何も罰を与えない訳にはいきません」
どう考えても、筋が通っている話だ。
…確かに、下手に同情するのは失礼なのかもしれない。
「…ですが、情状酌量の余地があるのは認めます。
詳しい所は、王宮に戻って決めますので」
211
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:33:00 ID:???0
そう言うと、coco_AさんとSEVENは、Uszakuを連れて、本スレの出入り口へと向かう。
「ああ…そうだ」
SEVENが、一歩外に出たところで、思い出したように後ろを向くと、
「今回、我々管理人は、ここに介入して、守るような形になりましたが…。
ここの存在を肯定する訳ではありません。
お忘れなく」
と、言い残した。
言っている内容は厳しかったが、口調はどこか柔らかったように思えた。
「…ま、SEVENにしては上出来か」
「そうかなー?もうちょっと素直になればいいのに」
「いや、あれが今は本音でしょう。
SEVENも、決してここを好きになった訳ではないでしょうから」
kUzuさんとリアさんが何やら話している。
212
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:33:44 ID:???0
「さってと…色々、ここの後片付けは残ってそうだけど、住民に任せた方がいいわよね。
Makinとこに行って、みんなで打ち上げでもしよっかー」
「おー、いーですね。さんせーっす」
リアさんの提案に、toroさんが言う。
「…あの、すいません、俺はちょっと遠慮していいですか?」
「あ?
お前が来なくてどうすんだよ」
raimoが口を尖らせる。
「別に、俺がいなくても…」
「いや、今日はお前が必要だ」
「そうね、きゅーちゃんも来ないと盛り上がらないな」
「…すいません。
でも、今日は、ちょっと…」
213
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:34:16 ID:???0
凄く魅力的なお誘いで、本当に申し訳ないんだけど。
今日は、どうしてもやりたいことがある。
「何よ、やりたいことって」
「その…」
言おうかどうか迷った。
目の前の人たちの誘いを断るような理由ではないと、自覚していたからだ。
でも、言うことにした。
自分の、正直な気持ちだからである。
「ここで、飲んでいきたいんで」
214
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:35:48 ID:???0
一週間後―。
「移転?」
王宮内、見晴らしのいい、階段の踊り場にて。
raimoは、思わずそう聞き返した。
215
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:36:19 ID:???0
「そんな話もあるらしいわよ。
やっぱり損傷が激しくて、今までどおりには使えなくなったらしいわね。
今の場所に残る、って人もいるみたいで、結局どうなるかは知らないけど」
RiAsONが、その質問に答える。
「ふーん…」
「りっちゃーん」
階段の下から、RiAsONを呼ぶ声。
「ん、はさみ」
scissor'sは、急ぎ足で階段を駆け上がってくる。
「どうしたの?」
「あの、90くんのこと、聞きました?」
「きゅーちゃんがどうかした?」
216
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:37:08 ID:???0
「その…昨日、登録を解除した、って聞いたんですけど」
「は?」
寝耳に水な話に、raimoが、思わず声を出す。
「…登録解除、ね。
相変わらず、人に相談もないんだから」
RiAsONは苦笑いしながら答える。
「理由とかは聞いてる?」
「なんでも、活動を自粛するから、とからしいですけど」
「…はぁ」
RiAsONは、溜息をつくと、
「よし、らいも」
とraimoを促し、階段を降りて行った。
217
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:37:40 ID:???0
「んー…」
やっぱり雰囲気が違うな。
まぁ、俺がこの場所を用意した訳でもないし、文句は言えないけど。
90は、新しいしたらばを訪れていた。
人は思ったより多く、出来たばかりの割には上出来、って所か。
まだ移転組だと腹をくくったわけではないが、こっちにも顔を出して見ることにしよう。
昨日、王宮に行って、登録を解除してきた。
理由は、コテとしての活動はいったん止めることにしたからだ。
そのための、区切りという意味で、登録を解除した。
218
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:38:48 ID:???0
コテとしての活動をやめる理由は、まあ色々ある。
俺は結局、ただの匿名として居る方が気が楽だ、って思ったのもあるし。
そもそも、コテとしての活動なんてたいしてしていない。
有名な人と出来たつながりを切ってしまうのは、正直勿体ない気もしたけれど、
彼らとは、自分はやるべきことが違う気がした。
圧倒的な実力は、俺にはない。
ついでに言えば、たぶんセンスもないし、彼らに追いつけはしないと思う。
結局、事件に関しても、自分じゃ何もできなかったしなぁ。
そうやって正統にコテをやるよりは。
俺は、このしたらばをより良い場所へ、変えていきたい。
偉そうな説教をしても、顔を晒してここを批判しても、多分ここは変わらない。
俺に出来るのは、ただ、1人の「良い匿名」として、ここに居続けることだと思う。
自分が「良い匿名」なのか、なんてのは自信がないから、まず自分の身を見つめ直すことからかな。
ま、何はともあれ、以前と同じ気楽な立場になった。
のんびりと過ごしていくことにしよう。
219
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:39:38 ID:???0
「よし」
元のしたらばの方も見ておこう、と思い、出口に向かう。
「…ん?」
入口付近、使用中の番号が書きなぐってある掲示板。
そこに、封筒が張り付けてあった。
「…なんだこれ」
その封筒には、大きく「
>>90
」と書いてある。
警戒しながら、封筒を手に取る。
中に何か入っているようだ。
慎重に開封して、中身を確認する。
「…PMのカード?」
220
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:40:39 ID:???0
それは、PMのカードであった。
それも、「EiH1」のカードである。
「…」
カードは、1件の新着メッセージを知らせていた。
差出人は、raimo。
『俺と姉御で、coco_Aさんに頼んで登録解除の申込取り消しといたぜ。
お前、意思が弱そうだから、すぐまた登録とか言い出しそうだからな。
損はねーだろうから、籍は置いとけ。
あと、たまに飯食いに来い、ってMakinが言ってた』
90は、何度か読み返したあと、
「…参ったな」
と、ぽつりと呟いた。
ゆっくりとしたらばを出たあと。
EiH1は、そっとカードを、懐にしまった。
221
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:46:36 ID:???0
あとがき
222
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:52:03 ID:???0
やっと終わった…。
アホみたいに長くなってしまった2を、ここまで読んで頂き、どうもありがとうございました。
まず、正直言って疲れました。
2は趣向を変えて書いてみよう、と思った訳なのですが、予想以上にそれがしんどかったです。
リアルの方の所要ともあいまって投下間隔も長くなって、
更には全体も長くなってしまって…。
本当に申し訳なく思います。
2の方がつまらん、って人が多いんじゃないかな、と思ったりしてます。
私としても、書いてて1の方が絶対に楽しかったですね。
でも、苦労した子の方がかわいいってのもありますし、まぁ個人としては甲乙つけがたいところですね。
えーと、今回、したらばが匿名がコテが、みたいな話が出てしまいそうな内容になった訳ですけど、
別に匿名に何か伝えたいことがあったとかそう言う訳ではなくて…。
たまたまそういう話になっただけで、単純に楽しんで読んでもらえれば、と思います。
今回も、色々なご支援・ご感想、どうもありがとうございました。
おほめの言葉も勿論嬉しいですし、厳しい意見の方が参考になりますし、どちらもありがとうございました。
また、二次制作サイトさん等を中心に絵なんかも描いてくださって、各種動画もたくさん作って頂いて。
本当にうれしい限りです。
そういう声のためだけに、書かせてもらいました。本当にありがとうございました。
最後に、前回と同様になりますが、モデルとさせていただいたスピナーの方々、本当に申し訳ありませんでした。
前作に引き続き、性別を変えてみたり、悪い人にしてみたりして、ごめんなさいとしか言いようがないです。
何度も言いますが、本作中のキャラ等は、実際のコテさんとまったく関係ありませんので、ご注意ください。
えー、それでは。どうもお疲れ様でした。
223
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:52:35 ID:???0
では、質問とかあったら答えますんで、どうぞ。
224
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:53:44 ID:???0
毎度思うけど、どこで構想してるの?
225
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:54:26 ID:???O
お酒は何歳からなんでしょうか?
226
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:55:12 ID:???0
続編、外伝のご予定は?
227
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:56:50 ID:???0
うーん、意外とZUNあっけなさすぎる・・・・
あの連携の魔術を使った奴とか、戦闘の少なさとか
思ったより迫力なかったかなー
あくまで俺の意見だよ!!11
228
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:58:30 ID:???0
アニメ化の話題があるんですがどう思いますか?
229
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 20:59:00 ID:???0
記念拾い企画があるんですが
動画は出せますか?
230
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 20:59:28 ID:???0
>>224
やることのない授業中とかはよく考えてました。
実際に打ちながら考えてるのも多いですが。
>>225
特に年齢で明確に規制はされてない、って構想してます。
なんとなく、ある程度年齢いったら飲みはじめる、って感じで。
>>226
続編は書きません。流石にネタ切れ。
短い読み切り程度なら書くかもしれませんが、期待はしないでほしいです。
>>227
俺の中では29話がクライマックス。30話は流しでした。
なんかごめんなさいw
231
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 21:01:46 ID:???0
>>228
なんか凄そうな響きじゃないですか…。
二次創作系は、全部嬉しいです。是非是非お願いしたいです。
>>229
えーと…たいしたものは出せませんが、ご要望があるなら。
232
:
229
:2009/12/07(月) 21:08:30 ID:???0
>>231
メールで送っていただけると助かります
できれば完成してからFSお披露目にしたいんで
可能ですか?
233
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/07(月) 21:09:57 ID:???0
>>232
構いませんよー。メアドと期限教えてもらえれば、撮って送ります。
234
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 21:16:09 ID:???0
>>233
cproject_ps☆yahoo.co.jp ☆⇒@
こちらにお願いします。
期限は特にありませんが10日ぐらいでお願いします。
235
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 21:32:15 ID:???O
投下だけに
236
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 22:26:00 ID:???O
マギはこの世界では生きているんだよね?
237
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 22:29:05 ID:???0
>>236
神になったんじゃなかったっけ?
238
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/07(月) 23:01:30 ID:???O
マギは生きているさ 俺達の心の中に
ご愛読ありがとうございました。EiH1先生の次回作にご期待ください。
改めて完結おめでとうございます
239
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/08(火) 07:48:24 ID:???O
感動をありがとう
やっぱりペン回しっていいね
240
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/08(火) 14:48:25 ID:???0
らいもいい奴!!
241
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/08(火) 23:11:31 ID:???0
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/sports/28112/1228218671/
>>200
の伏線回収がされてなかったような
資料室で伏線になりそうな物といえば、
>>327
のUszakuが調べてもらったペンだけど、伏線にしては無理があるし、根本的に時間軸がおかしいし
242
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/08(火) 23:36:50 ID:???O
なんと空気の読めない、、
243
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/09(水) 00:11:55 ID:???0
がおとうsざく、大臣あたりの関係もよくわかんなかった
244
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2009/12/09(水) 00:15:31 ID:???0
>>241
俺もそれ気になってた。
とりあえず3期の伏線ということで落ち着こうぜ
245
:
◆EiH1/X6Idw
:2009/12/09(水) 00:33:56 ID:???0
>>241
すっかり忘れてた…。
追加エピソード書く気力もないんで参考までに、ってことで、
>>243
さんの質問も含めて答えさせてもらいます。
前スレ
>>200
でSaizenが資料庫の中で見つけたのは、Uszakuです。
ペンについての資料を探していたところ、偶然Saizenの取調べを聞いてしまいます。
ザコテ達の正体、つまりは事件に巻き込まれてスピナーになった人たち、ってことを知って、
彼らと協力することを思い立った、っていうのが一応の流れとなってます。
Uszakuはもともと大臣やがおと交流があった訳なんですが、
前スレの
>>439
からのシーンでは、がおにザコテ達のことを話して、協力の依頼をしています。
がおは直接的な協力もせず、逆にUszakuを通報もせず、傍観という立場を取りました。
Uszakuは要所要所で相談とか、協力の要請をがおに何度もして、それによってがおは事情を知っていた、ってことになります。
思いっきり説明不足でしたね。ごめんなさい。
他にも回収忘れた伏線あったら教えてもらえると助かります…。
246
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/01/03(日) 00:33:37 ID:???O
良い暇潰しになりました
次回作も期待します
247
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/12(金) 03:42:39 ID:???0
a
248
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/13(土) 03:41:17 ID:???0
結局作者のこてはどうなんですか
249
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/13(土) 17:18:33 ID:???O
>>248
きめえから死ね
250
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/14(日) 13:49:48 ID:???0
そういや
>>229
が言った記念拾いってどうなったの
企画倒れ?
251
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/14(日) 13:53:05 ID:???0
>>248
そういうのやめろ
知ったところで何すんの?CVに誘ったり信者になったりでもすんのか?
252
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/14(日) 18:28:28 ID:???0
>>250
企画倒れらしいよ
253
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/17(水) 17:29:22 ID:???0
>>250
製作中
254
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/19(金) 21:45:43 ID:???0
http://www1.axfc.net/uploader/Al/so/29255.wmv
ずいぶん遅れたのでこっそり投下
俺は
>>229
とは別人ですがこのPVは
>>229
と友人と3人で共同作成
俺自身としては3作目
全員分の絵があればいつか1作目のような感じのPVも作りたいな
255
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/20(土) 20:37:32 ID:eH3QPG0.0
えいふわん普通にうめぇw
256
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/20(土) 20:38:27 ID:???0
下げ忘れた&連投スマソ
257
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/20(土) 22:21:33 ID:???0
きゅーちゃんうめえなw
258
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/20(土) 22:27:58 ID:???O
つべに…つべに頼むよ……
259
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/20(土) 22:29:55 ID:???0
画質があいつと似てる
回しもw
260
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/21(日) 03:56:17 ID:???0
句点、句読点でズバズバと文を切る独特な文章の書き方。これどっかで見たことのある書き方だなあと思って読んでた。
日本でトップレベルのスピナーなのに小説に出てこない、しかもこの文章の癖。これってもしかしたらあの人が書いてるのかなあ・・
とか想像してたらなんか当たってたのかもw
・・あれ俺深読みしすぎ?勘違いしてる??
261
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/21(日) 12:44:49 ID:???0
>>260
まとめサイトの人物一覧見てみ
262
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/21(日) 17:45:24 ID:???0
http://www.youtube.com/watch?v=lT2vNuF9REE&feature=sub
またもやAREZERT氏がうpしてくださったようです
いつもありがとうございます
263
:
260
:2010/02/22(月) 01:22:38 ID:???0
>>261
・・あれ?名前ある・・
この人小説に出てたっけ??出てたとしても作者がえいふじゃなかったやつの気がするんだが
264
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 01:17:09 ID:???O
>>262
かっけeeeeee
265
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 01:37:55 ID:???O
書き方から特定とかどんだけマニアなんだよ
266
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 04:22:22 ID:???0
興味が沸かなくて読む気のしない俺に3行で内容を教えてくれ
267
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 08:14:41 ID:???O
ペ
ン
回し
268
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 12:44:18 ID:AU9d7x5I0
とってもおもしろいブログだよ♪
たまに更新もしてるから見に来てください☆ミ
ちょっとエッチなプライベートブログです(*^^*)
ttp://stay23meet.web.fc2.com/has/
269
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 17:39:42 ID:???O
>>266
ペン回しで魔法
JEB vs 協会
JBE vs したらば
270
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 19:37:24 ID:???0
JEBとしたらばの両方に所属してる人が多い時点で無理
だがこっちvs協会だったらこっちにはあやとり前菜まきんリアソンがいるんだぜぇ
271
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 20:49:06 ID:???0
魔法でマギとか生き返るかもね☆
272
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 21:34:43 ID:???0
ぺすぷとぷらんたーもな
273
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 22:21:59 ID:???0
ぺすぷとぷらんたー死んでないだろw
Pesp planter* 召喚!!
274
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/24(水) 23:15:46 ID:???0
第3作出るのなら旧JEBとかも入れてほしいよね
275
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/25(木) 01:02:41 ID:???O
>>270
日本語でいいよ…
276
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/25(木) 07:27:25 ID:???C
言ってる意味がわかってるのに日本語でおkとか言うのいらないから
277
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/25(木) 21:56:22 ID:???O
>>276
ごめん 全然わからない
278
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/25(木) 22:29:28 ID:???O
>>276
日本語でおk
279
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/26(金) 19:03:14 ID:???0
>>275
>>277-278
自演乙
280
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/26(金) 19:30:30 ID:???0
>>276
>>279
自演乙
281
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/26(金) 20:21:46 ID:???0
低レベルすぎ
282
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/02/26(金) 20:31:22 ID:???0
^p^p^p^p^p^p^この流れ終RYO^p^p^p^p^p^p^
283
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/16(火) 23:48:06 ID:???0
今日も明日もいつも通りの一日が始まる。日課のような黒いお仕事。
・・・そしていつも同じ事を思う。なぜあの時彼を止められなかったのか・・・。
思えばもう三年前になる。
彼に憧れペン回しを始め、彼の力に少しでも近づこうと努力をしていた。
彼はペン回しを愛し多くの弟子を輩出していた。
その彼がある時僕にこう言った。
「旋転に全力を尽くす。」と。
僕は疑問に思ったが、それほど気に留めてはいなかった。
何より彼は常に全力だった。
しかし不思議な事にその頃から彼の魔力は前以上に跳ね上がっていった。
いわゆる「覚醒」と言うものだろうか。いや今思えばあれは「暴発」だった。
彼の精神と魔力がスピナーならば誰にでも起きるあの病を抑えていたのだろう。
あの病に魔力が跳ね上がるなどと言う事はあるのかは僕には分からないけど
そうでもしないと説明が付かない。
284
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/16(火) 23:58:20 ID:???0
そしてその半年後、彼が亡くなった。
予兆はあった。無理やりにでも『リアル』へと連れて行くべきだった。
今でも思う。彼、そう「魔術師」を止められなかった。
一人の天才を死なせてしまった。この世界の人間の目標を亡くしてしまった。
そして何より自らの目標を亡くしてしまった。
彼の心を受け継ぐだなんて大層な事は出来ない。
だから僕は忘れない。彼の心を忘れずに生きて行く。
せめてもの償いとしてどんな形でも旋転を続けていこうと思う。
285
:
284
:2010/03/16(火) 23:59:52 ID:???0
国語力無いです。ごめんなさい。
発見されるかどうかも疑わしいけど発見した人ごめんなさい。
286
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/17(水) 01:39:30 ID:???0
あまりにも急展開過ぎるぞ
287
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/17(水) 11:40:28 ID:???0
いや過去に振り返ったバージョンも見てみたいからよかったら続けてくれ
288
:
284
:2010/03/17(水) 21:35:02 ID:???0
>>287
ほんじゃネタ考えてくる。
289
:
287
:2010/03/18(木) 11:43:23 ID:???0
>>287
古参登場にwktkしながらゆっくりまってるよ。
290
:
287
:2010/03/18(木) 11:44:30 ID:???0
>>284
ね
ただの安価ミス
291
:
284
:2010/03/19(金) 17:23:11 ID:???0
今日の夜あたりEiHと被るけど匿名で書くわ
292
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/19(金) 22:52:30 ID:???0
俺はここ、したらばに来る度に思う。温室育ちの蛆虫さん達を消したい。
意見を全力でぶつけたい。捻じ伏せたい。そんな事を思う自分の小ささに呆れる事も有る。
だけどもうしたらばでまともな議論は出来ないと思うとどうしても消え去りたいと思う。
昔は狂いながらも輝いていた。俺にはしたらばは黄色いイメージがある。
そんなのは俺ぐらいだろうが誰がなんと言おうと俺のしたらばの色は黄色だ。今はただ薄汚い茶色にすら見える。
何もかも何かがずれている。「自演乙」?そう思うのならその自演すら捻じ伏せる考えで潰せ。
元々力が物を言う所だったはずだ。だから俺はここが大好きだった。
293
:
292
:2010/03/19(金) 23:16:22 ID:???0
穴が無い考えこそ正義だった反論すら受け付けない考えが正義。
魔力による上下関係が全くないここが好きだった。
魔力の大きさより一人一人の特徴を重視してスピナーを評価するここの奴等が好きだった。
今なんて答えられなくなったら「自演乙」
下手なだけで叩かれる。スピナーのランク付け。
実に下らない。自分の感性だけで客観的な判断できない奴等の事を理解出来ない。
それでも俺はここに居る。多分ペン回しと一緒で俺も回ってるんだろうなwww
今思えば悲しいぐらいに単純な理由だった。
294
:
293
:2010/03/19(金) 23:21:44 ID:???0
これで終わりです。死にたくなって来た
だんだん小説本編の内容が関係なくなってきた。死にたくなって来た
295
:
287
:2010/03/20(土) 20:33:06 ID:???0
>>294
なんか無理言ってすまなかった
296
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/22(月) 15:42:53 ID:???0
>>294
なんか心が痛んだわ。
皮肉じゃなく期待して悪かったわ。
297
:
294
:2010/03/22(月) 19:34:26 ID:???0
ちょっとおじちゃん樹海言ってくることにしたよ
298
:
294
:2010/03/22(月) 19:45:37 ID:???0
眼の毒を振り撒いた侘びとしてちょっとマギの奴修正してくる。
299
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/03/22(月) 19:48:21 ID:???0
三連投なんだけど直したいところ忘れちゃったから思い出したらやるね!
それじゃ退散
300
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/04/29(木) 20:21:49 ID:???0
age
301
:
294
:2010/05/09(日) 00:36:30 ID:???0
ふっふっふ何を血迷ったか我は戻ってきたのだ!
今日書こうと思うんだぜ!ネタは思い付いてるんだぜ?自信だってあるんだぜ?期待してくれても良いんだぜ?
302
:
287
:2010/05/12(水) 20:51:38 ID:???0
なら期待しておこうか。
でももう3日たってるぞ・・・
がんばっ( `・ω・´)
303
:
294
:2010/05/14(金) 20:08:16 ID:???0
俺は今、拷問室に居るんだが、その経緯をとりあえず話してみようではないか。
俺はあの時恐ろしく暇だった・・・。
「今日も暇だな・・・あれから仕事もねーし。」
俺もかなり暇なわけだがSEVENは前みたいに平和ボケしてて大臣の如く寝まくってるし
「SEVENさん情けねぇっすww」なんて言ってみても俺もほとんど同じなわけだけど。
「ん。」
良からぬ事を考えてしまった。面白そうだから速攻で女物の服を買いに行った。
・・・顔は変えたぞコンチクショウ言わせんな。
顔を戻してJEBに入ってとりあえず着替えて顔を変えて見た。・・・けどtoroにあったら多分一発だろう。
「今会いに行くべきは・・・ぺすぷで行こう。」
この時点で間違いを犯している訳だが・・・いやもっと前かwww
「とりあえず。とっ」
いつもの修行部屋に行く時にSEVENが丁度起きてきやがったコンチクショウめ。
おとなしく寝てても通信できる便利な「ついったー」とやらでもやってやがればいいものを。
「寝ぼけてたから良かったものの危なかったぜェ・・・」
とりあえずは修行部屋に入れば外部に魔力は漏れないからどうにかなるだろ。
「こんにちわー」
「ちわーす・・・え?」
「え?」
「・・・お綺麗ですね」
「・・・そりゃどーも」
・・・ちょっとまて今変な魔力を感じたぞ。こいつ本当にペスプなのか?
しかもなんでこいつ座禅してたんだ?修行部屋に篭って座禅だぁ?
「・・・探る能力の典型的な鍛え方だ」
まずい。非常にまずい。そう言えば最近ぺすぷと合ってなかった
・・・修行してたのか。
304
:
294
:2010/05/14(金) 20:30:01 ID:???0
焦るな・・・焦るんじゃねェ。
修行してもペスプはペスプだ。しかも今日はVPだからバレない筈だし
大丈夫だ・・・。
「あの・・・誰?」
「・・・修行つけて下さい。」
「よかろう。」
「(何だこいつ・・・落ち着きすぎじゃないか?)」
とりあえずバレはしないだろう。
「修行会嫉妬」
「(今日も素晴らしく滑るんだな。)」
とりあえずはネオバフォとかで攻めて見たけど・・・
「(効かないなぁ・・・)」
「(この人やっぱパネェっすwwwwパネェっすwwww違和感もパネェっすwwww)」
気付かないうちに目の前にペスプが来ていた。
「(なっwwwwにwwしwwたwwwww)」
顔面を触られただけだった。・・・ヤバい気はしたんだけど所詮ペスプ。警戒不要でござる。
とりあえずペスプに向かってダッシュしてみた。
「・・・動かないだと?」
目の前に行った時ペスプが呟いた。
「まだ気付かねェのかよw」
「・・・はい?」
「・・・くず。遊びはいい加減にしないとお尻penpenだぞ」
「・・・何故に私がくず的な流れになるんでしょうかねェwww」
「とりあえず鏡見なさいなwwwwww」
「・・・ワロス」
・・・最悪なパターンだな。素の顔に女物の服は酷すぎる。醜い。
「ぺすぷさん。toroさんとお仕事ですよー。」
MaKiN・・・だと?・・・端にraimoもくっついてやがる。
「え?」「w?」
何笑ってやがる。
「くずさん何やってるんです?」
「くずさんはああいう趣味だぞ?知らなかったのか?」
辞めてくれ・・・
305
:
294
:2010/05/14(金) 20:43:33 ID:???0
そんなことより何で顔が戻ってるんだ?
どうせばれてるんだから聞いて見ても良いよな。
「・・・何で俺の顔戻ったんだ?」
「さっき顔触ったときのあれだよ。必殺小爆発とでもいっておこうか」
「うめぇwww」
「・・・とりあえずOREさんに報告して来ます。」
MaKiNがそう言って行った。
「・・・ところで何でtoroと一緒に仕事って何だ?最高にミスマッチって奴だろ。」
「色々教わってんだよ。」
大体分かった所でぺすぷが言う。
「そろそろだな・・・。」
ぺすぷがこっちに来たから身構えたが目の前にきて急に仰向けに寝そべった。
「・・・へ?」
「ちわーす!おしおき用のバトン持ってき・・・・」
OREさんが来た。
「今日の登板はOREさんですか・・・好きにしてくだs」
俺が言いかけたところでペスプがいった。
「くずったらもう・・・押し倒すなんて・・・うふっ♡」
・・・OREさん逃げちゃったよ畜生
306
:
294
:2010/05/14(金) 20:49:57 ID:???0
「くず今日のあなたとってもエキサイティングだったわよ。もう私次が楽しみでしょうがないわ…」
「とか言いたいんだが馬鹿にされた気がするからSEVENに受け渡しだ。ばっちり拷問されてくれ」
SEVENに見られる・・・だと・・・。
死んでも良いだろうか。死んでも良いだろうか。
307
:
294
:2010/05/14(金) 21:01:03 ID:???0
終わり方わかんね。
くずへの皮肉を込めて見ただけ。
予想通りで期待外れだったろ?
308
:
287
:2010/05/25(火) 19:29:07 ID:???0
全体的に展開が速いぉ(´・ω・`)
期待はずれってほどでもなくて安心した
309
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/06/14(月) 19:35:37 ID:???0
EiH1大先生は今きっと新作かんがえてるんだよねw
310
:
_ねん_くみ なまえ_____
:2010/07/07(水) 11:39:33 ID:???0
ここってもう忘れられてるのかな・・・
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ゴゴゴゴゴゴ・・・
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