きょうのコラム「時鐘」 2010年7月25日

 大相撲は千秋楽にこぎつけたが、土俵外の不祥事は収まる気配がない。「これにて打ち止め」は、いつになることか

相撲の世界には、格言が幾つもある。「負けて覚える相撲かな」。白星よりも負けた悔しさの方が糧になる。「3年先のけいこ」は、明日に結果が出なくても、やがて努力は報われると教える

「下半身から汗をかけ」という言葉もある。顔や腕からはすぐに汗が出るが、よほどけいこを続けないと足腰からは汗が噴き出さない。そうまでしないと、強くはなれない

人生訓に通じる。だから大相撲が好き、という人も多い。そんなけいこを会得した力士や親方も、土俵の外では黒星が続く。3年先の改革や全身からのウミ摘出も、どうなることか。土俵の内外では世界が違う。それがよく分かった

舞台で心を打つ演技や熱唱を披露する。舞台を下りると、素行の悪さで世間を騒がせる。だからといって、彼らの芸の値打ちまでが下がるわけでない。そんな芸能人が幾人もいる

相撲興行に、「国技」という仰々しい衣装は、窮屈過ぎるのではないだろうか。もう、脱がせた方がいいのではないか。