高木マニア堂

何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。

228:ヒョードルと唯一、判定勝負に持ち込んだ日本人は

ノンセクション2010年07月24日 10:00 | フォルダ : 

関連キーワード :プロレス格闘技

<2009年8月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>

 現在「世界最強の男」の異名をキープし続けているのは、やはりエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)だろう。

 そんなヒョードルと戦った日本人選手は初来日のリングス時代から含めてわずかに6人。高田浩也、高阪剛、柳澤龍志、藤田和之、永田裕志、小
川直也
だけだ。

 高阪が2戦ともバッティングからの流血アクシデントで1勝1敗の戦績を残しているが、あとの5人は全敗。小川が腕ひしぎ十字、藤田がチョークに沈み、永田と高田はパンチに沈んだ。

 そんな中、敗れたものの唯一、ヒョードルと判定にまで持ち込んだ男がいる。柳澤だ。

 舞台はリングスの無差別級王座決定トーナメント(2001年10月)。柳澤は5分3Rを戦い抜き、0―3の判定で敗れている。 

 つい先日もDEEPの後楽園ホール大会(8月23日)で、ベルナール・アッカにわずか7秒でKO負けしてしまった柳澤だが、その戦績は現役プロレスラーの中でも群を抜いて異色だ。

 多くのプロレスラーが強豪相手の総合格闘技戦で豪快なKO、ギブアップ負けを喫しているのに対し、柳澤はどんな強豪相手にも判定まで持ち込む鉄壁ガードと、粘り強さを持つ(それが逆にインパクトを残せない、プロとしての弱点にもなっている)。 

 総合ルールでの対戦歴を追っていくと、ヒョードルだけでなく、元UFC世界ヘビー級王者のランディ・クートゥアに判定負け。パンクラス時代にはK―1無差別級王者のセーム・シュルトにギブアップ勝ち

 K―1などキックルール戦になると、2002年にミルコ・クロコップに左目カットによるTKO負け。K―1ジャパンのエース・武蔵に判定負け。さらに驚くべきは、全日本キック連盟の東京ベイNKホール大会(1993年11月)で現WBC世界ヘビー級王者のビタリ・クリチコ(ウクライナ)と対戦していることだ。

 柳澤はここでも2分5Rを戦い抜き、やはり判定で敗れている。

 ヒョードル、ミルコと対戦経験を持つプロレスラーは他に永田裕志と藤田和之がいる。だが後にプロボクシングの頂点に立つ男と、異種格闘技戦ではない打撃ルール戦で戦い、判定まで持ち込めたプロレスラーは柳澤しかいまい。ルールの違いは大きいが、ある意味、現役の世界王者だったモハメド・アリと引き分けたアントニオ猪木に匹敵する実績とも言える。

 その豊富な実績と比べて現在、柳澤の評価は不当なほど低い。舞台はプロレスでも総合格闘技でもいい。日本が誇る貴重なヘビー級戦士の復活を願っている。

投票してね!東スポトピックスランキング

この記事をブックマークする Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに投稿 newsingに投稿 Choixにブックマーク イザ!にブックマーク twitterでつぶやく

前の記事次の記事

このページのトップへ