矢のような打球が左翼席に突き刺さった。4点を追う8回、全パ唯一の得点をもぎ取ったのは今回出場中最年長、41歳8カ月の楽天・山崎。古巣・中日の岩瀬から代打ソロ本塁打を放った。
91年の第2戦で43歳4カ月門田博光(ダイエー)が記録したのに次ぐ、球宴年長アーチ。1ストライク1ボールからの内角134キロをコンパクトに振り抜いた。
小躍りしながらダイヤモンドを一周した。もともと左腕は苦手だが、岩瀬とは過去の交流戦対戦成績が3打数2安打の好相性。球宴では初めての顔合わせとなった。「狙ってた。うまくインコースの球をさばけた。名球会入りした大投手から打ててよかった」。07年以来球宴2本目の本塁打に喜びを隠せなかった。
昨年は、満41歳シーズン最多本塁打記録を6本上回る39アーチを放ち、今季は満42歳シーズンの最多31本にあと13。ともに超えるべき先輩は同じ門田だ。「記録の話になると門田さんが出てくる。早く先輩を抜きたいよ」と苦笑いした。
この日はベンチスタートだったが、梨田監督の指示で3回まで三塁コーチを務め、その後はいつでもお呼びがかかっていいように監督らが陣取るベンチの左側最前列に腰を下ろしていたという。
ベストプレー賞に選ばれ、ひと振りで賞金100万円をゲット。24日の球宴第2戦(新潟)では満を持して指名打者で出場の予定。「ここまで調子が悪かったので、これをきっかけに浮上したい。MVP狙っていくよ」。スイッチが入った。 (鶴田真也)