11月の大相撲九州場所後に九州地方各地で開催を予定していた冬巡業が、今年は野球賭博問題の影響によりすべて中止となることが24日、明らかになった。大相撲の地方巡業は本場所と並ぶ興行の2本柱。春、夏、秋、冬の4期間行われるが、不祥事を理由に期間すべての興行がなくなるのは極めて異例。
日本相撲協会の放駒巡業部長(元大関魁傑)が「今回はなくなる方向。一連の問題の影響は大いにある。部長として責任を感じている」と話した。期間すべての巡業が行われないのは、相撲人気低迷の影響とされた2005年冬巡業以来。
協会関係者によれば、冬巡業は福岡県や沖縄県など4カ所程度を予定していたが、いずれも「勧進元」と呼ばれる主催者から開催を断られた。最近では12月5日に福岡県田川市で予定されていた巡業の実行委員会が、賭博問題などの不祥事を理由に中止を決定。他の開催地からも6月ごろに中止の連絡があった。
放駒巡業部長は「(10月の)秋巡業は予定通り行うが、現在交渉中の勧進元からも苦情や問い合わせが多い。今回の冬巡業だけでなく、来年の各巡業の開催にまで響いてくるだろう」と厳しい見通しを示した。
名古屋場所後の8月に実施される夏巡業では青森市開催分が中止となったが、残り5日間は予定通り開催される。