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組長観戦問題で「監督責任」調査委員を解任

 週刊新潮に送った調査依頼書を見せながら会見する特別調査委員会のメンバー=両国国技館(撮影・村中拓久)
 週刊新潮に送った調査依頼書を見せながら会見する特別調査委員会のメンバー=両国国技館(撮影・村中拓久)

 日本相撲協会の特別調査委員会(座長・伊藤滋早大特命教授)は23日、両国国技館で会合を開き、山口弘典委員(77)=日本プロスポーツ協会副会長=に辞任を勧告。夏場所で暴力団組長が維持員席で観戦した問題で、最高顧問を務めるボクシングジムも入場整理券の流用に関与したことが判明したもので、事実上の解任となった。また会食や行事の際、暴力団と同席したと報じられた貴乃花親方(元横綱)については、暴力団関係者との接触はなかったとした。

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 野球賭博問題など反社会的勢力との関係排除を推進する特別調査委員会の山口委員が、職を解かれる事態に追い込まれた。維持員席をめぐって、自ら最高顧問を務めるジムが組長の観戦を仲介する形になったことがこの日発覚した。

 調査委は委員会に出席した山口委員から直接、事情を聴取。伊藤座長によると、山口委員は今年5月に維持員席の問題を報告していたが、理事長にも調査委にも上がってこなかったという。

 調査委は山口委員に監督責任があるとし、辞任を勧告した。同委員は暴力団関係者に渡るとは想定していなかったと説明。勧告を拒否し、体調不良を理由に途中退席した。同委員は「悪いことをしたという意識はない。まったくやましいことはない。知らないでやって、それが暴力団に流れた。やめると、悪いことをしているみたいになる」などと、言い残して引き揚げた。

 山口委員は時津風部屋の力士死亡事件で07年に設置された再発防止検討委員会(現生活指導部特別委員会)に外部識者としてメンバー入りし、調査委にも加わっていた。調査委は日本相撲協会に同委員の退任を勧告し、協会の理事会がこの件を了承。実質的な「解任」となった。

 調査委はまた、地方場所の部屋宿舎を設置する際に暴力団とかかわりのあった会社などから便宜を受けたとされる松ケ根親方(元大関若嶋津)と境川親方(元小結両国)の問題について調査を継続することを発表。週刊誌で新たな賭博関与が報じられた佐ノ山親方(元大関千代大海)についても調査を続行するとした。

(2010年7月25日)





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