やっぱり遊覧だった金元工作員のヘリ移動

　中井洽拉致問題担当相が２３日の会見で、金賢姫元北朝鮮工作員（４８）が２２日に東京・調布の調布飛行場から都心にヘリコプターで移動したことについて、「東京の上空を見せてあげようと思った」と、遊覧飛行の要素があったことを認めた。元工作員を乗せたヘリは、お台場や神奈川県の江ノ島など観光地上空を遊覧、元テロ実行犯へのＶＩＰ待遇と批判が出ている。中井氏は「ちょっと上空を飛ぶことが、非難されると思わない」と反論。数千万円の謝礼が支払われたとの一部報道も否定した。

　元工作員は同日午後、日本滞在の日程を終え、政府のチャーター機で羽田空港から韓国に戻った。記者会見には応じず、帰国後の放送を条件に応じた日本テレビのインタビューでは「軽井沢では外に出られず、監禁状態だった」「霧が出て（ヘリから）富士山が見えず残念」と話した。帰国後、政府は、元工作員が長野県軽井沢町の別荘に滞在中、キッチンで田口八重子さんの長男飯塚耕一郎さんと談笑しながら、チヂミをつくる様子などを撮影した映像を公開したが、音声は入っていなかった。

　［2010年7月24日7時27分　紙面から］