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初確認時10戸以上感染か 調査チーム検討会
(2010年7月24日付)
本県の口蹄疫の感染源や感染ルートを調べている農林水産省の疫学調査チーム(チーム長・津田知幸動物衛生研究所企画管理部長)は23日、第4回検討会を開いた。聞き取り調査などを基に全292例の発生時期などを検討。4月20日の1例目確認以前に都農、川南町の10戸以上の農場にウイルスが侵入し、初発は6例目として確認された都農町内の水牛農場で、3月中旬には侵入していたとの見解を示した。8月中に中間報告をまとめる方針。
本県で19、20日に実施した聞き取り調査とこれまでの検査データを基に協議。終了後に会見した津田チーム長は症状の重さなどから推定し「1例目の確認時点で少なくとも10戸以上の農場にウイルスが侵入していた」と述べた。県畜産試験場川南支場(川南町)も含まれるという。
また、3月31日に採取した検体からウイルスが検出され、聞き取り調査で同26日に口蹄疫のような症状があったという6例目農場が感染初発と推察。1例目の都農町の農場、7例目の川南町の大規模農場には同月下旬にウイルスが侵入したとみている。
しかし、侵入経路は「アジア地域からの人や物の移動などが考えられるが、特定は困難。中国産稲わらが原因となった可能性は極めて低い」との意見集約にとどまり、解明には至らなかった。
拡大要因は、川南町などの密集地域がネズミやハエなどを介した近隣伝播(でんぱ)のほか、人、飼料・家畜運搬車の移動などと考察した。
えびの市への飛び火について津田チーム長は、川南町の大規模農場(7例目)を出荷のために出発した運搬車が、関連のある同市の農場でも牛を積み込んだ点に言及。「車の荷台に(ウイルスを含む)ふんと飼肥料があり、牛を積む時に人が上り下りするので、そういった感染だと思われる」と見解を示した。
ワクチン接種区域外への拡大は、西都市の283例目と日向市の例が児湯地域の発生農場と同じ飼料運搬会社の車両の出入り、西都市の289例目は農場から牛を出荷した際、283例目と同じ車両を使っていたことが原因となった可能性を指摘。宮崎市の3農場は数百メートルしか離れておらず、ウイルスを含む小さな粒子が風によって運ばれたとみている。
【写真】口蹄疫の感染ルートなどについて協議した疫学調査チームの第4回検討会=23日午後、農水省