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来日していた金賢姫元北朝鮮工作員(48)が“VIP待遇”を受けていたと批判されていることに関し、来日を主導した中井洽・拉致問題担当相(68)が23日、“逆ギレ”した。ヘリコプターでの飛行に日本観光の目的があったことを認めた上で「何が問題なのか。こんなことで非難されるなら、世界中だれも、情報を持った人は日本に来てくれない」と反論。同日、金元工作員は帰国したが、韓国内でも「テロリストを厚遇した」と厳しい論調の報道もなされている。
「何が問題なんですか。言ってください!」。23日の閣議後の会見で、中井氏は、キレかかったように声を強めた。「可能なら、(日本を)見せてやりたかったですよ。彼女は(今後)一生、外国に出られないかも知れないでしょう!」。金元工作員が22日にヘリコプターを使った際、移動の便だけではなく、「遊覧」の目的もあったことを、ハッキリと認めた。
115人の命を奪った大韓航空機爆破事件(1987年)の実行犯である金元工作員の滞在中の厚遇を巡っては、批判の声が上がっていた。長野・軽井沢の鳩山由紀夫前首相の別荘に滞在し、夕食会を開催。また、22日はヘリをチャーターし、東京・調布飛行場から、直線距離30キロの江東区の東京ヘリポートに移動する際、藤沢市の江の島上空などを約40分かけて大回りした。
ヘリ問題について中井氏は、第一の理由は渋滞回避のためだと強調。ただ、観光の目的があったことも、自ら認めた。さらに「こんなことが非難されるなら、世界中だれも、情報持った人は日本に来てくれない」と、半ば開き直り気味に述べた。
今回、元工作員は拉致被害者家族と面会したが、被害者の消息につながる新情報は得られなかった。自民党の谷垣禎一総裁は「パフォーマンスとしか言いようがないし、国際的に日本がテロをどうとらえているのか、理解が得られない」と批判している。韓国では「高価な政治ショー」と厳しく報道するメディアもあった。成果への疑問も含め、今後も国内外で議論の対象となりそうだ。
中井氏は、金元工作員に子供たち用のゲーム機など土産も渡したという。機種にもよるが、一般に1時間で50万円前後かかるヘリのチャーター料金を含め、来日滞在に要した国費=税金について、仙谷由人官房長官は23日の会見で「全く知らない」と述べている。
(2010年7月24日06時02分 スポーツ報知)
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