押収されたイモビカッター=愛知県警中村署
自動車の盗難を防ぐための装置「イモビライザー」を解除する小型の装置に、トヨタ自動車の登録商標を不正につけてネット販売しようとしたとして、愛知県警は7日、北海道帯広市西16条南5丁目、会社員田中淳貴容疑者(32)を商標法違反(販売目的所持)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。
小型の装置は「イモビカッター」と呼ばれ、トヨタの高級車セルシオなどの盗難事件に悪用されている。装置の流通に法規制がないため、県警はトヨタのマークを不正に使った商標法事件として、全国で初めて摘発したという。
生活経済課によると、田中容疑者の逮捕容疑は、自宅で7日、「TOYOTA」の文字をはり付けたイモビカッターを販売目的で所持し、トヨタの商標権を侵害したというもの。
同課は、田中容疑者は「4〜6月、ネットオークションで8個販売し、計12万円の売り上げがあった。中国のサイトで1個約6500円で仕入れていた」と話している、としている。
イモビカッターは、本来、自動車整備工らが修理や検査に使うための電子機器から、イモビライザーを解除する機能だけを、小型機器に移したもの。車内のイモビライザーの連結部分に接続すると電子鍵が解除され、その後、差し込んだ鍵を回すと、エンジンがかかるという。
そのため、イモビライザーが搭載された高級車を盗むのに悪用される事案が増えているという。捜査関係者によると、愛知県内では今年に入り、この小型装置を使って盗まれたとみられるセルシオは数十台にのぼり、装置数個が押収されているという。