普天間移設:「辺野古崎」明記 日米が共同声明発表

2010年5月28日 9時18分 更新:5月28日 13時30分

閣議に臨む鳩山由紀夫首相(左)。右端は福島瑞穂消費者少子化担当相=国会内で2010年5月28日午前8時36分、長谷川直亮撮影
閣議に臨む鳩山由紀夫首相(左)。右端は福島瑞穂消費者少子化担当相=国会内で2010年5月28日午前8時36分、長谷川直亮撮影

 日米両政府は28日午前、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同声明を発表した。移設先はキャンプ・シュワブ(同県名護市)の「辺野古崎地区及び隣接する水域」と明記し、沿岸部に1800メートルの滑走路を持つ代替施設を建設するとした。沖縄の基地負担軽減策として米軍訓練の県外移転を拡充するほか、鹿児島県・徳之島について「適切な施設が整備されることを条件に活用を検討」とし、グアムなど国外への検討も明記した。政府は臨時閣議を開き政府の対処方針を決定する。閣僚の署名が必要な閣議決定か閣議了解で対処方針を決める構えで、社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相が署名に応じなければ、罷免することも検討している。調整は難航しており、首相は28日夕の記者会見を延期した。

 ◇福島社民党首が不快感表明、辞任は否定

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として同県名護市辺野古崎付近を明記した日米共同声明を受け、声明への辺野古盛り込みに反対していた社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は記者団に「よもや辺野古に戻ることはないと思っていたので、とても残念だ」と不快感を表明した。鳩山由紀夫首相は福島氏の罷免も検討しているが、福島氏は自ら辞任することは否定した。

 社民党は28日正午から両院議員懇談会を開いて、今後の対応を協議した。これに先立ち、平野博文官房長官は社民党の重野安正幹事長と国会内で会談し、いったんは同日午後に臨時閣議を開き、政府対処方針を決める考えを伝えた。鳩山首相はこの日朝、公邸前で記者団に「きょう中に結論を示す。当然のことだ」と述べ、28日中に決着させる考えを強調していた。

 一方、福島氏は閣議後会見で「連立政権なので(声明を)事前に詳細に知らせるべきだ。正確に知りたかった」と社民党の同意なしの声明発表に強く反発した。その後、記者団に「声明に辺野古が入れば、(閣議で)署名しないと(党の)常任幹事会で決めている」と述べ、改めて閣議署名を拒否する考えを示した。自発的な辞任については「まったく考えていない」と強調した。

 福島氏の反対姿勢は固く、調整が難航していることから、政府内では福島氏の罷免もやむを得ないとの意見が強まっている。北沢俊美防衛相は28日の閣議後会見で「署名拒否は首相への不信の表れ。その前に自らの立場を明らかにするのが政治家として当然だ。閣内にとどまって反対すれば、内閣の存立を脅かす」と自発的な閣僚辞任を促した。

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