2010年5月27日 0時53分 更新:5月27日 11時3分
【ロンドン笠原敏彦】ヘイグ英外相は26日、同国が保有する核兵器の弾頭数について225発を上限とする新方針を示した。英国は作戦に利用可能な弾頭数を160発と公表していたが、保有弾頭数に言及するのは初めてという。
ロイター通信によると、ヘイグ外相は議会で「将来的に英国の核弾頭数は225発を超えない」と言明。AFP通信によると、「今こそわれわれが持つ兵器についてよりオープンにすべき時だ。それが核保有国と非核国の信頼感を醸成するのに役立ち、世界の核兵器数を減少させる努力に資すると判断した」と話した。
ロイター通信は、保守党と自由民主党から成るキャメロン連立政権が今後、核政策でより透明性を高める動きを示すものと指摘している。自由民主党は核兵器の役割低下を主張していた。
新方針の表明は、ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議を意識したものとみられる。同会議に合わせて、オバマ米政権は3日、保有する核弾頭の総数を5113発と公表。国防総省の当局者は「核開発計画に透明性を持たせるもので、他国への標準となるだろう」と述べていた。