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箱根町:芦ノ湖畔地区「無医」状態 引き継ぎの医師、覚書を白紙撤回 /神奈川

 ◇元箱根の開業医が3月に閉院

 観光地・箱根の芦ノ湖畔地区で「無医」の状態が続いている。元箱根の開業医が3月中旬で閉院。この診療施設を引き継ぎ、東京都の医師が内科クリニックを開くことで箱根町と覚書を取り交わしたが、22日に白紙撤回の申し出があった。町は“ドタキャン”とも言える事態に頭を抱え、「住民だけでなく観光客の安心のためにも、一日も早く無医状態を解消したい」と新たな医師を探している。

 同町福祉部によると、元箱根の開業医は、整形外科医院として91年に開業。町が診療施設を貸し出す形で運営していたが、医師側から昨年12月に閉院の申し出があったという。町は地元住民からの強い要望で後任の医師探しに奔走し、東京都内の勤務医が開業することで話がまとまった。5月中旬に所得保障など経営に関する覚書を締結。町議会も5月の臨時会で助成金として1000万円の「地域医療体制推進事業費」を可決するなど、受け入れ準備が進んでいた。

 クリニックは6月24日に開院する予定だったが、その10日前に「体調不良」を理由に医師から辞退の申し出があった。開院に向け東京から同町湯本のマンションに転居していたが、先月末までに引き払ってしまったという。町は「条件は決して悪くなかったはず。なぜ、辞退したのか理由が分からない」と翻意を期待していたが、22日になって「体調的にどうしても無理。診断書をつけて正式に白紙撤回の申し出をしたい」と代理人を通じて連絡があった。

 白紙撤回については23日の町議会全員協議会で報告されたが、山口昇士町長は「初期診療のできる医者が近くにいないという住民の不安も大きい。宿泊客も含めた観光客の安心や安全のためにも、早く後任の医師を探したい」と話している。【澤晴夫】

毎日新聞 2010年7月24日 地方版

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