大阪小4虐待死:保護責任者遺棄致死は無罪主張 内縁の夫

2010年7月23日 12時54分

 大阪市西淀川区の小学4年、松本聖香さん(当時9歳)が虐待され死亡した事件で、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた小林康浩被告(39)に対する裁判員裁判の初公判が23日、大阪地裁(樋口裕晃裁判長)で開かれた。小林被告は聖香さんの実母、松本美奈被告(35)の内縁の夫。「手を上げたり食事を抜いたことはあるが、反省してほしいと思ってした行為。死ぬとは思っていなかった」と虐待の意図を否定し、保護責任者遺棄致死罪について起訴内容を否認し、無罪を主張した。死体遺棄罪は認めた。

 検察側は冒頭陳述で、小林被告による虐待の内容を説明。1日におにぎり1個かバナナ1~3本、雑炊1~2杯などしか与えず、昨年3月中旬以降はベランダに出したり、足が赤紫色に変色するほど暴行したことなどを指摘した。虐待で聖香さんを衰弱させたことを認識しながら、診察を受けさせたり十分な栄養や睡眠を与えるなど、必要な保護を行わなかったと主張した。

 松本被告の裁判は小林被告と分離して先に行われた。大阪地裁は今月21日、松本被告が聖香さんの保護よりも小林被告との生活を優先して「小林被告の虐待を容認、同調した」と指摘。懲役8年6月の実刑判決を言い渡した。小林被告は松本被告の公判に証人出廷したが「自分の公判で明らかにしたい」と証言を拒否していた。

 起訴状によると、小林、松本両被告は聖香さんを殴ったり、十分な食事を与えないなど虐待。身動きできないほど衰弱したのを認識し、医師の診察を受けさせるなど保護する義務があったのに果たさず、昨年4月5日にベランダで衰弱死させ、遺体を運んで奈良市内に埋めたとされる。【苅田伸宏】

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