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実母に懲役12年求刑 西淀川虐待死

2010年7月16日

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 大阪市西淀川区で小学4年の松本聖香(せい・か)さん(当時9)が虐待を受けて死亡したとされる事件で、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた実母美奈被告(35)の裁判員裁判の論告求刑公判が16日、大阪地裁(樋口裕晃裁判長)であった。検察側は懲役12年を求刑し、弁護側は最終弁論で執行猶予付き判決を求めた。判決は21日。

 美奈被告は昨年3〜4月、聖香さんをベランダに寝かせるなどして衰弱死させ、遺体を奈良市内の墓地に埋めたとされる。虐待は内縁の夫の小林康浩被告(39)=分離公判、23日に初公判=が主導したとみられている。

 検察側は論告で、小林被告による虐待がエスカレートした3月中旬以降、美奈被告も聖香さんに対し、1日におにぎり1個やバナナ数本などの食事しか与えなかったほか、小学校も欠席させて虐待の事実を隠したと主張。小林被告と生活できなくなることや虐待の発覚を恐れ、児童相談所などに保護を求めなかったと指摘したうえで、「実母に見捨てられた聖香さんの絶望感は計り知れない」「人の親として誤った選択で、動機に酌量の余地はない」と述べた。

 これに対して弁護側は、小林被告の虐待がエスカレートする中で聖香さんをかばおうとしたと主張し、「美奈被告は虐待の『ブレーキ』の役割を果たした」と述べた。美奈被告は最終意見陳述で「聖香に謝りきれないことをした。今後は母親がささいなことでも相談できる活動のお手伝いがしたい」と語った。(平賀拓哉、野上英文)

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