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習志野の強盗殺人:損賠訴訟 遺族見つめ「申し訳ありません」--山形地裁 /千葉

 ◇受刑者が出廷し謝罪 裁判長、遺族の質問は認めず

 習志野市で07年12月に起きた強盗殺人事件の被害者の遺族が加害者に直接質問し、意見を述べようと山形地裁に起こした損害賠償訴訟で、強盗殺人罪で無期懲役が確定し山形刑務所に服役中の竹村諒受刑者(26)が口頭弁論に出廷し、遺族に謝罪した。

 事件で殺害されたのは、習志野市の飲食店従業員、鈴木康幸さん(当時42歳)。遺族は竹村受刑者に当時や今の気持ちを問いただし、遺族の苦しみを伝えようと約6300万円の損害賠償を求める裁判を起こしていた。

 竹村受刑者はこれまで口頭弁論に姿を見せなかったが、今月13日初めて出廷。「事件のせいでご遺族に大変なご迷惑をかけました。申し訳ありません」と遺族の目を見つめ、頭を下げた。法廷を出る際も傍聴席で遺影を抱える遺族に一礼した。

 この口頭弁論で遺族は直接質問しようとしたが、石栗正子裁判長は「被告が訴えを認めているので必要ない」と許可しなかった。しかし、裁判長が最後に被告側に「何か述べたいことはありますか」と尋ね、竹村受刑者が謝罪し、結審した。

 閉廷後、鈴木さんの姉(50)は「受刑者の反省の弁を直接聞けて良かった。命の重さを感じて一生償いながら生きてほしい」と述べた。ただ一方で「裁判所のしゃくし定規な対応は残念。質問したかった」と不満を漏らした。兄(49)は「私たちは受刑者を許したわけではない」、妹(43)は「受刑者は罪と向き合い一生苦しむ。私たちもいつまでも許せないという苦しみを一生味わう。事件は二重の苦しみを残した」と話した。

 事件の確定判決によると、竹村受刑者はパチンコなどで浪費し金に困り07年12月、路上で鈴木さんの胸を包丁で刺して殺害し、財布を奪った。【鈴木健太】

毎日新聞 2010年7月20日 地方版

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