実践連帯の利敵団体規定、その理由とは(上)
南北共同宣言実践連帯(以下、実践連帯)を利敵団体と規定するに当たり、大法院(最高裁判所に相当)は、いわゆる「統一運動」に見せかけた親北朝鮮団体に対する法的判断を、「うわべだけでなく、中身をしっかり見て」行うべきだという立場を明確にした。
実践連帯は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2005年に、社会団体として統一部に登録した後、国庫から6000万ウォン(約437万円)の支援を受け、国会憲政記念館でセミナーまで開催し、「統一運動団体」になり済ましていた。
実践連帯は裁判の過程でも、「政府の支援金」を受けた事実を挙げ、合法団体だということを主張した。しかし、大法院は「表面的に法に決められた形式的、手続き上の条件を整えて政府から支援金を受けたとしても、その実態は利敵団体と見るに十分だ」とした。
大法院が認めた事実と検察の捜査内容を通じて明らかになった実践連帯の実態と主張は、北朝鮮のそれと、さほど違っていなかった。利敵団体の疑いで起訴された後も同様だった。検察関係者は実践連帯について、「利敵性を帯びた現存する団体の中で、最も中核的な組織だ」と話している。
■北朝鮮のスピーカー
大法院が実践連帯を利敵団体と規定した理由の一つは綱領だ。実践連帯は01年に作った綱領の第2条で、「反米民族自主運動で米軍を一日も早く撤去し、米軍の支配体制を完全に除去する」としている。第3条では「連合、連邦制の統一を実現する」とし、第4条は「民衆が中心となる自主的民主政府の樹立を先導する」とした。何かあるたびに「米軍撤収」「連邦制統一」を主張し、「主体」を叫ぶ北朝鮮とそっくりだ。
大法院は判決文で、「実質的に北朝鮮の活動を称賛、鼓舞、宣伝し、これに同調しようとする意図の表現だ」とした。
実践連帯の08年の代議員大会資料集には、「北朝鮮はすでに楽園の行軍の道に立っており、12年に強盛大国の門を開ける偉大な構成と抱負を明らかにしている」と書かれている。また、「わが民族同士」という冊子では、6・25戦争(朝鮮戦争)は米国が引き起こした侵略戦争、韓国を米帝国主義の植民地とし、北朝鮮は優れた指導者が指導する平等社会と規定した。
大法院はこの資料集や冊子を利敵表現物に指定し、「国家保安法が保護すべき法益である『国家の存立の安全と自由民主的基本秩序』脅かす積極的かつ攻撃的なもの」とした。