小沢が菅攻撃開始 公約修正に「こんなバカなことあるか!」

2010.06.29


瀬戸内海を背に、菅執行部批判を爆発させた小沢氏=28日午後、愛媛県今治市【拡大】

 民主党の小沢一郎前幹事長(68)が、「消費税10%」発言で揺れる菅直人首相(63)への攻撃を開始した。「政治とカネ」の問題で最高権力者から失墜した剛腕政治家。前回衆院選でマニフェストを掲げた責任に加え、参院選後の党代表選や政界再編を見据えた思惑などがありそうだ。

 「選挙で政権を取った(鳩山由紀夫前)内閣で『4年間は(消費税を)上げない』と言った。菅総理がどういうお考えで話しているか分からないが、私個人としては、国民の皆さんと約束したことは、どんなことがあっても守るべきだと思っている」

 小沢氏は28日、愛媛県今治市・大三島の住民との意見交換会でこう述べた。住民から「4年間絶対上げないと約束したのに、政権が代わってコロッと変わった」との声にも大きくうなずいた。

 さらに、政府が子ども手当や高速道路無料化で公約を曲げたことにも怒りを募らせた。

 大三島には、本州四国連絡高速道路「しまなみ海道」の多々羅大橋があるが、前原誠司国交相が先日発表した新料金案では他の高速より割高になる。このため、住民が「何とかしてほしい」と訴えると、小沢氏は次のように答えた。

 「政権を取ったら『カネがないから(高速道路無料化は)できません』なんて、こんなバカなことがあるか。約束できないなら言うな。必ず私が微力を尽くして、約束通り実現できるようにしたい」

 完全な政権批判といえ、党分裂をも招きかねない発言。参院選の最中、小沢氏は一体何を考えているのか。

 民主党関係者は「マスコミは『与党での過半数確保が難しくなったことへのイラ立ち』などと報じているが、小沢氏が政権批判を繰り返せば民主党票はさらに減る。別の狙いがあるのだろう」といい、こう続ける。

 「小沢氏は菅民主党を快く思っていない。『自分を悪者にして、支持率回復を狙った』と思っているようだ。当然、リベンジを狙っている。民主党が参院で過半数割れするようなら、政界再編を仕掛けたり、党代表選で対立候補を担いだりする気ではないか」

 来月にも検察審査会による小沢氏への2回目の判断が下るというが、まだやる気十分のようだ。

 

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