男の子のユニホームにサインする長友(右)=成田空港で
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ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で16強入りの原動力となった日本代表DF長友佑都(23)=チェゼーナ=、同MF松井大輔(28)=グルノーブル=が22日、成田発の航空機でそれぞれ渡欧した。初の海外挑戦となる長友は母・美枝さん、姉・麻歩さんと約100人のサポーターに見送られ、「世界一のSBになる」とあらためて野望を宣言。チームが2部に落ちた松井は移籍希望を口にした。
はやる心、高まる感情は、早くも“沸点”に達しようとしていた。高らかに並べた言葉に、強い決意を凝縮させた。
長友「やってやる!! という気持ち。その気持ちが1番強い。準備はできている。戦う準備はできている」
イタリア北部マレスで行われているチェゼーナの1次キャンプに直行。25日に予定されている練習試合・アルナスル(サウジアラビア)戦に向け、長友は「出るかもしれない」と語り、早期の実戦デビューへ心身の準備はすでに万端だ。
その視線の先にあるのは、第一目標の「開幕スタメン」。8月下旬のセリエA開幕を見据え、「大きな目標(世界一のSB)を掲げながら、届きそうな目標を一歩一歩、かなえていく。開幕レギュラーという目の前の目標から、しっかりかなえていきたい」。気負いはあっても、焦りや不安は微塵(みじん)もない。
渡欧前、最高の仲間に出会えた喜びが頭の中を駆けめぐった。味スタで浴びた大声援を心に刻み、「感謝の言葉しかない。たくさんの人に応援してもらって、今の自分がいる。イタリアのピッチで活躍し、恩返ししたい」。覚悟を見せ、決意を表明した。
イタリアへの旅たちを見送ろうと、約100人のファン、サポーターが成田空港に集結。母・美枝さんは感極まって涙を流し、サポーターからは野太い声で背中を押された。「チャレンジしないといけない。ステップアップにつなげないといけない。ようやく、そのスタートラインに立てた」。ジョカトーレとしての飽くなき挑戦が、始まった。 (松岡祐司)
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