米韓連合軍司令部が25日から28日まで日本海で行う合同軍事演習に、自衛隊幹部の視察を要請していることが分かった。3カ国の軍事関係筋が明らかにした。海上自衛隊幹部4人程度がオブザーバー資格で参加する見通し。自衛隊幹部が米韓合同軍事演習を視察するのは初めてで、3カ国による防衛協力が一段階格上げされることになる。
米韓両国は毎年、北朝鮮の脅威に対抗する合同軍事演習を実施しているが、韓国軍が日本による植民地支配などの歴史的経緯から、自衛隊への軍事情報の公開に難色を示してきた。だが、韓国哨戒艦沈没事件を受け、日米韓の結束をアピールし、演習の透明性を確保する狙いから、米軍主導で自衛隊への視察要請に踏み切った。
日本側はすでに要請を歓迎する姿勢を非公式に示しており、23日中にも正式に米韓側に伝える見通しだという。
日韓両国は1990年代初めの朝鮮半島核危機を機に防衛交流が本格化したが、01年の歴史教科書問題や小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で中断。その後、08年から日米韓3カ国の共同海上救難訓練を初めて実施し、09年4月には自衛隊と韓国軍の定期交流も確認したが、軍事機密に触れる情報の交換にまで踏み込めない状況が続いていた。