相撲協会、山口委員を解任　貴乃花親方、疑惑事実なし

　日本相撲協会は２３日、賭博問題などを調べる特別調査委員会の山口弘典委員（７７）＝日本プロスポーツ協会副会長＝の解任を決定した。同委員が最高顧問を務めるボクシングジムの会長が、暴力団関係者の夏場所観戦の入場券手配に関与した件で、東京・両国国技館で開かれた特別調査委が相撲協会に対して同委員の退任を勧告し、同日の理事会が了承した。

　体調不良を理由に特別調査委を途中退席した山口委員は、報道陣に「やましいことはない。知らないでやって、それが暴力団に流れた。配慮が足りなかったという一点に絞られる」と話した。

　暴力団組長は、一般に販売されない維持員席で観戦した。同席での暴力団観戦が多数発覚し、相撲協会の全般的な改革を目的に設置された「ガバナンス（統治）の整備に関する独立委員会」は、９月までに提言を出す方針を示している。

　特別調査委ではこのほか、貴乃花親方（元横綱）が暴力団関係者との接触を２件報じられた疑惑について、接触の事実はなかったと判断した。