札幌から空路福岡に移動した日本ハム・ダルビッシュは球宴で“新魔球”を披露する考えを明かした=新千歳空港
日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が22日、2番手で登板する23日の球宴第1戦(ヤフードーム)で“殺人新魔球”を披露する考えを明かした。本番へ備え、札幌から空路福岡へ移動。昨年は巨人・ラミレスの打球が右肩に直撃し緊急降板と不完全燃焼に終わった右腕が、全セの強打者、そして全国のプロ野球ファンのド肝を抜く。
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新千歳空港で取材に応じたダルビッシュが、不敵な笑みを浮かべた。4年連続4度目となる球宴。抱負を聞かれると「コンディションもいいし、試してみようという球が見つかった。左打者に投げたい。どんな球?下手したら空振りして顔に当たるような…」と衝撃的な発言が飛び出した。
21日のキャッチボール中に突然ひらめいたという新球。相手を務めた厚沢投手コーチも捕り損ねる恐るべきキレ味。概要について、初めは「大ざっぱにも言いませんよ」ともったいぶったが「ほかのプロの投手も投げていないような球。軌道が違う。140キロぐらい。すごい曲がるとかそんなんじゃない」と徐々にヒントを明かしていった。
当然、投げれば試合で使うのは初めて。ぶざまな投球はできないだけに「(当日の)ブルペンの様子を見て」と、しっかり操れると判断した上で使うことになる。打順の巡り合わせもあるが、巨人・小笠原、阿部やヤクルト・青木との対戦は見応えがありそうだ。
一昨年は登板中に鼻血を出し、昨年は打球直撃。自身にとってアクシデント続きの球宴。だが、球宴用ではなく公式戦でも「使おうと思っている」新球の存在に、胸を躍らせる。強打者を相手に使えることが分かれば、後半戦に向けて大きな武器になる。最速156キロの直球に加え、10種類以上の変化球を操るスーパーエース。福岡の夜に、新たな伝説を生んでくれそうだ。
(2010年7月22日)