【ニューヨーク=田中光】米南部メキシコ湾の原油流出事故で対策本部のアレン本部長は18日、海底の油井から離れたところで「漏れ」が見つかったことを明らかにした。流出源に新たに設置した密閉性の高いキャップが原油流出の封じ込めに成功したとみられていたが、作業が見直される可能性が出てきた。
アレン本部長が、国際石油資本の英BPに対する公開書簡で明らかにした。それによると、漏れのほかに油井の近辺で「異常が見つかった」としている。書簡では、「漏れ」や「異常」の中身や程度については詳述していない。
封じ込め作業は現在、海底から噴き出そうとする油の圧力に耐えられるか、経過観察が続いている。原油の流出防止に成功したものの、キャップに設置された圧力計が当初予想よりも低い数値を示したため、油田の埋蔵量減や別の場所での漏れなどが原因として指摘されていた。
キャップそのものではなく、新たに漏れが生じた場合、流出源の特定と修復は困難になる。これ以上油井を傷つけないために、アレン本部長はBPに対して、キャップを外して原油を海上に吸い上げる作戦など、対策を早急に検討するよう求めている。