今季から早大本庄を率いる前東大監督の中西正樹監督(左)=埼玉・上尾球場で
|
|
◇高校野球地方大会 早大本庄9−5所沢
昨年まで東大を率いていた中西正樹監督(36)が、早大本庄を率いて初勝利。雨の中、泥だらけになって逆転勝ちしたナインに「リーグ戦と違って、負けたら終わり。ディス・イズ・高校野球だね」と目を細めた。
4月に就任、自分で考える野球を教えこんだ。試合中は、じっとベンチに座っていた。2点を先取した直後の1回裏、エース安達公亮投手(3年)が、連続四死球からつかまったが、自分の力で切り抜けた。「球威のあるボールを投げるには力んではいけないと監督に教わったことを思い出した」。安達は2回以降は無失点。打者を育てるには打たせるしかないの指導方針でバントを封印した打線は、コツコツ打ち返し小刻みに反撃、試合をひっくり返した。
昨年は東京六大学で春秋ともに全敗。早大に3シーズンにわたって勝ち星がなかった。そのワセダのユニホームを着て、スタンドから「紺ぺきの空」の後押しを受けての白星。「野球ではよくあること。(中日、阪神の)星野さんしかりでしょう」。東大愛をひとまずしまいこんだワセダ中西監督の夏は始まったばかりだ。 (小原栄二)
この記事を印刷する