5日以降発生なし 農場は今後も警戒を

(2010年7月20日付)

 29万頭近い牛や豚が犠牲となった口蹄疫は、都農町での1例目確認から20日で3カ月を迎えた。感染疑いは4日を最後に発生しておらず、27日には県内全域で家畜の移動・搬出制限区域が解除される見通しとなっている。

 最初の感染疑いは4月20日、国内10年ぶりに確認された。同27日にはウイルスを牛の千倍以上排出するとされる豚の感染疑いを確認。発生自治体が11市町を数えるなど、爆発的な感染拡大を招いた一因とみられている。

 発生1カ月が近づいた5月17日、政府はようやく対策本部を設置。対策は急展開を見せ、同22日には児湯地域で国内初のワクチン使用に踏み切った。新規発生は減少傾向をたどり、6月24日に疑似患畜、同30日にはワクチン接種家畜の殺処分を終えた。

 しかし、宮崎市で今月4日、清浄性確認のための抗体検査で感染疑いが判明。さらに、民間種雄牛の特例救済をめぐり、東国原知事と山田正彦農相が激しく対立。種雄牛の所有者が殺処分に同意したことで収まったが、制限解除が一部遅れた。

 児湯地域の発生農場には、ふん尿が大量に残され、堆肥(たいひ)化処理が8月下旬まで続く。ふん尿にはウイルスが残されている可能性があり、県内全域で制限解除されても、消毒と警戒が引き続き求められる。