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(2010年7月22日付)
人気施設の客足は遠のき、土産品の売り上げは軒並みダウン―。長引く口蹄疫問題は本県の主力産業である観光業を直撃、「観光地・宮崎」に暗い影を落としている。一方、一部地域を残して家畜の移動・搬出制限が解除されたことで、回復の兆しも見え始めた。
東国原知事の就任以降、人気スポットとなっていた県庁も、5月以降ツアー客は右肩下がり。6月は約5980人で、前年同月比72・7%減の大幅な落ち込みとなった。
隣接するみやざき物産館も4月以降の落ち込みは激しく、6月の売上額は同55・9%減、購入客は同58・7%減少した。同館を運営する県物産貿易振興センターの山台修一課長は「知事の就任から売り上げは右肩上がりだったが、今年が一番の落ち込みではないか」と嘆く。
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宮崎市内海の道の駅「フェニックス」は、非常事態宣言後に売り上げが減少。6月は前年同月比で4割を超す下げ幅となった。パート従業員の休みを増やすなどして対応するが、杉尾晃一マネジャーは「多いときは九州各県から大型バスが20台ほど入っていたが、今はほとんど素通り。店に入っても買わない客が多い」と肩を落とす。
県内有数の観光地、高千穂へも影響は及ぶ。同町観光協会によると、6月に道の駅「高千穂」に寄せられた問い合わせは約2300件。前年同月比800件の減少で、今月は観光地を結ぶシャトルバスの運行時間を短縮した。吉本千鶴事務局長(58)は「(旅行の)計画段階から宮崎を外すケースもあるのではないか」と長期化を懸念する。
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終息が近づき、営業を再開する施設も出てきた。6月中旬から閉鎖していた高千穂牧場(都城市吉之元町)は今月16日、約1カ月ぶりに営業を再開。夏休みに間に合ったことに胸をなで下ろすが、畜舎への立ち入りは当分禁止されているため、牛の乳搾りや乗馬体験はできない。宮元広管理部長(51)は「8月は年間で最も観光客が多い時期だが、畜舎に入れない状況ではイベントも打てない。夏休みにも影響するのではないか」と手放しでは喜べない状況だ。
明るい兆しもある。県物産貿易振興センターには、県外のデパートや企業から催事の打診や県産品の共同購入などの申し出が例年より数多く寄せられているという。山台課長は「非常事態宣言が完全解除されれば人もものも動きだす。全国の人が宮崎を応援してくれている。これからが正念場」と、観光立県の復興を見据えた。
【写真】口蹄疫の影響で客足が減ったみやざき物産館。県庁を訪れる県外客の減少に伴い売り上げも落ち込んでいる=21日午後、宮崎市