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対策費、県負担67億円 国の支援不十分

(2010年7月21日付)

 口蹄疫対策を集中審議する臨時県議会初日の20日、県は国からの財政支援が足りずに総額67億円の県負担が生じる見通しであることを明らかにした。

 県の「貯金」に当たる財政調整積立金を取り崩して充当するが、このままでは今年3月末時点の117億円から約50億円に減少する見込み。県は「来年度の予算案を編成するのも厳しい」と述べ、県財政が深刻な状況に陥る懸念を示した。

 松田勝則議員(新みやざき、延岡市区)の質問に稲用博美総務部長が答えた。答弁によると、県は同日提案した約49億9千万円の一般会計補正予算案も含め、4月から7月にかけて5回にわたり総額592億円もの予算を計上。国に対して、補助金や特別交付税などの財政支援を求めているが、今回の補正予算案で財源として見込んでいる特別交付税50億円が出ても、最終的には財政調整積立金を約67億円取り崩す必要があるという。

 稲用部長は「復興対策も相当規模の予算を検討する必要がある。国にはあらゆる場面を通して(財政支援を)訴えたい」と答弁した。背景には、近年、財政調整積立金を含む主要4基金の一部を取り崩して予算編成している県の苦しい財政事情がある。

 政府現地対策チーム本部長を務めた篠原孝農水副大臣は、口蹄疫対策特別措置法で盛り込まれているワクチン接種などの対策費については「国が全額面倒をみる」と明言している。

 臨時議会で、県は口蹄疫対策費として一般会計補正予算案を提出。主なものは、市町村が失業者らを雇って設置した消毒ポイントの委託業務費29億1千万円、殺処分した家畜の補助(評価額の5分の1)20億5千万円など。可決されると、同会計総額は6365億2千万円になる。また、松田議員を含め8議員が口蹄疫に限定して質問した。臨時議会は21日に委員会、22日に採決を行う。