F4戦闘機
F15戦闘機
F22戦闘機
F2戦闘機
航空自衛隊のF4戦闘機の後継の次期戦闘機(FX)の機種選定が進まず、8月末の来年度予算の概算要求に間に合わないことがわかった。F4戦闘機はこの2年間で老朽化のため90機あったうち20機が一気に退役しており、防空の最前線を担う戦闘機部隊に「穴」があきかねない。防衛省はF4の飛行時間を抑えて長持ちさせる考えだ。
「FXにできるだけすぐれた機種を、と決定を先延ばしにしている間に、F4の退役が進んでしまっている」
防衛省幹部はそう話す。
同省によると、2008年3月末に90機あったF4は、退役が進んで今年3月末現在で70機に。現在、二つの飛行隊が百里基地(茨城県)と新田原基地(宮崎県)で防空任務に就いている。
空自が37年前に配備が始まったF4を使い続ける一方、周辺国の中国やロシアは空軍力の近代化を進めている。
国籍不明機に対する緊急発進(スクランブル)など対領空侵犯措置のため、空自は全国7基地に12個の戦闘機の飛行隊を配置しているが、「20機」という数は、1個飛行隊にほぼ相当する数だ。
機体の数が減ると、F4のパイロットはその分訓練ができなくなる。対領空侵犯の任務自体はF15やF2で代替できるが、その分、F15やF2のパイロットも自分の訓練ができなくなる。空自幹部は「物質的に戦闘機の機数が減るだけでなく、空自のパイロット全体の技量維持にも影響が出かねない問題」と語る。
防衛省の05〜09年度の中期防衛力整備計画には、F4の退役をにらみ、FXを7機導入すると明記されていた。
ところが、防衛省が最有力候補としていたレーダーに探知されにくいステルス性を備えた最新鋭機F22は、米国が軍事技術流出防止のため禁輸措置を取っているうえ、昨年、生産中止が決定。防衛省は調達断念に追い込まれた。