2009.09.01 Tuesday 21:11
チェックメイト
ところで、私の趣味は「クラシック音楽鑑賞、ピアノ、マジック、サッカー観戦」という事になってますが(サッカーは最近見に行ってないけど)、実は密かな趣味がもう1つあります。それがチェス。学生時代に何となくやってみようと思って覚え(「ボビー・フィッシャーのチェス入門」という本で覚えた。この本は名著!)、以来たまーにやってます。大っぴらに「趣味はチェスです」と言わないのは、はっきり言って弱いからなんですけどね(笑)。
画像は、私が使っているチェスのセット。これは輸入品で携帯用。盤を2つに折り畳めて、駒は木製で磁石内臓。国産のものと比べると、かなり高級感があってお気に入りです。
チェスセットはもう1つ持ってまして、そっちは据え置き型(?)。が、大きすぎて(チェスボードの大きさ、50cm四方)、滅多に出せないんですけど。
写真に写っている本は、パンドルフィニの「エンドゲームコース」。終盤を題材にしたエチュード(プロブレム)を集めた本。将棋で言うところの詰め将棋ですが、チェスのエチュードは、必ず王手をかけなければいけない訳ではないので、物によってはかなり手こずります。
余談ですが、チェスと将棋では手数の数え方が違います。将棋だと、先手が指して1手、後手が指して2手ですが、チェスでは白と黒が指して1手と数えます。なので、チェスエチュードで「2手でメイト」は、将棋で言えば「3手詰め」です。
チェスの本は、日本ではほとんど出版されてないので、どうしても洋書を読む羽目になります。ま、洋書は2、3冊しか持ってませんが(その上、全部は全然読んでないけど)。
この本は、チェスのルールを覚えたくらいの方でもお勧めの本。全部英語ですけど、そんなに英語は難しくはありません。もちろん、私は前半部分くらいで挫折してます(笑)。後半は「こんなの解けるか!」という問題が目白押し。
何せ「18手メイト」(将棋で言えば35手詰め)なんてのもありますし、チェスならではの問題として「白先、引き分けにせよ」なんてのもあります(チェスには、「ステイルメイト」と言って、引き分けがあるのです)。まあ、手数が長い問題は、「手なり」に指して行く事も多いですが……。
チェスって何となくルールが難しそうというイメージがありますが、将棋が分かる人なら10分で覚えられます。ポーンの動きが将棋の歩とは若干違うのと、引き分け(ステイルメイト)があるのと、キャスリング、アンパッサンという特殊ルールがあるくらいです。
その他、用語は結構将棋と対応しています。「チェック」(王手)「チェックメイト」(詰み)「ディスカバードチェック」(空き王手)「ダブルチェック」(両王手)「フォーク」(両取り)「ピン」(串刺し)「プロモーション」(成り?)「サクリファイス」(駒捨て)「パーペチュアルチェック」(千日手?)などなど。
ただ将棋と違うところも多く、将棋の感覚で指していると、強い人には何が何だか分からないうちにぼこぼこにされます(汗)。チェスは強い駒が多い上、一度取られた駒はそれっきり(将棋のように、持ち駒として使う事はできない)ですから、「気がついたらチェックメイトになっていた」何て事もあるのです。何せ、ゲーム開始から最短3手で終わる事もありますから(笑)。
そう言えば、将棋とチェスについては面白い話があります。第二次世界大戦直後、GHQが日本人に将棋をやめさせるべく、大棋士升田幸三を呼び出したそうです。
そして「将棋は野蛮なゲームだ。取った駒を捕虜として重労働させているじゃないか。捕虜虐待だ」と言いました。すると升田は「何をいうか。チェスは取ったらそれっきりだ。つまり捕虜を殺してしまうんだ。それに比べると将棋は取った駒を、その能力のままに活用するんだ。捕虜虐待はチェスの方だ」とやり返しました。
GHQは今度は「チェスにはクイーンと言って女性の駒もある。男女平等なゲームだ」と言いましたが、升田も負けていません。「馬鹿な事を言うな。チェスは王様が危なくなると、女王を盾にして逃げてしまうじゃないか。どこが男女平等だ」と言い返します。
とうとうGHQも升田に負けてしまったんだそうです。今日本で将棋が指せるのは、元名人升田幸三のお陰かも知れません。
それはさておきチェスも面白く、かつお洒落なゲームですから、興味のある方は是非挑戦してみてください。見た目ほどルールは複雑ではありませんから。
チェスセットはもう1つ持ってまして、そっちは据え置き型(?)。が、大きすぎて(チェスボードの大きさ、50cm四方)、滅多に出せないんですけど。
写真に写っている本は、パンドルフィニの「エンドゲームコース」。終盤を題材にしたエチュード(プロブレム)を集めた本。将棋で言うところの詰め将棋ですが、チェスのエチュードは、必ず王手をかけなければいけない訳ではないので、物によってはかなり手こずります。
余談ですが、チェスと将棋では手数の数え方が違います。将棋だと、先手が指して1手、後手が指して2手ですが、チェスでは白と黒が指して1手と数えます。なので、チェスエチュードで「2手でメイト」は、将棋で言えば「3手詰め」です。
チェスの本は、日本ではほとんど出版されてないので、どうしても洋書を読む羽目になります。ま、洋書は2、3冊しか持ってませんが(その上、全部は全然読んでないけど)。
この本は、チェスのルールを覚えたくらいの方でもお勧めの本。全部英語ですけど、そんなに英語は難しくはありません。もちろん、私は前半部分くらいで挫折してます(笑)。後半は「こんなの解けるか!」という問題が目白押し。
何せ「18手メイト」(将棋で言えば35手詰め)なんてのもありますし、チェスならではの問題として「白先、引き分けにせよ」なんてのもあります(チェスには、「ステイルメイト」と言って、引き分けがあるのです)。まあ、手数が長い問題は、「手なり」に指して行く事も多いですが……。
チェスって何となくルールが難しそうというイメージがありますが、将棋が分かる人なら10分で覚えられます。ポーンの動きが将棋の歩とは若干違うのと、引き分け(ステイルメイト)があるのと、キャスリング、アンパッサンという特殊ルールがあるくらいです。
その他、用語は結構将棋と対応しています。「チェック」(王手)「チェックメイト」(詰み)「ディスカバードチェック」(空き王手)「ダブルチェック」(両王手)「フォーク」(両取り)「ピン」(串刺し)「プロモーション」(成り?)「サクリファイス」(駒捨て)「パーペチュアルチェック」(千日手?)などなど。
ただ将棋と違うところも多く、将棋の感覚で指していると、強い人には何が何だか分からないうちにぼこぼこにされます(汗)。チェスは強い駒が多い上、一度取られた駒はそれっきり(将棋のように、持ち駒として使う事はできない)ですから、「気がついたらチェックメイトになっていた」何て事もあるのです。何せ、ゲーム開始から最短3手で終わる事もありますから(笑)。
そう言えば、将棋とチェスについては面白い話があります。第二次世界大戦直後、GHQが日本人に将棋をやめさせるべく、大棋士升田幸三を呼び出したそうです。
そして「将棋は野蛮なゲームだ。取った駒を捕虜として重労働させているじゃないか。捕虜虐待だ」と言いました。すると升田は「何をいうか。チェスは取ったらそれっきりだ。つまり捕虜を殺してしまうんだ。それに比べると将棋は取った駒を、その能力のままに活用するんだ。捕虜虐待はチェスの方だ」とやり返しました。
GHQは今度は「チェスにはクイーンと言って女性の駒もある。男女平等なゲームだ」と言いましたが、升田も負けていません。「馬鹿な事を言うな。チェスは王様が危なくなると、女王を盾にして逃げてしまうじゃないか。どこが男女平等だ」と言い返します。
とうとうGHQも升田に負けてしまったんだそうです。今日本で将棋が指せるのは、元名人升田幸三のお陰かも知れません。
それはさておきチェスも面白く、かつお洒落なゲームですから、興味のある方は是非挑戦してみてください。見た目ほどルールは複雑ではありませんから。
comments
恥ずかしながら、自分は将棋アマ四段です。
最近は戦術を磨いていませんが、大抵の
人には負けないと思います。
どうぞ、よろしく…です。
アマチュア4段とは凄いですね。私は、初段の知り合いと
対戦しても、10回に1、2回しか勝てない始末。チェスも、
ただ「何となくお洒落だから」で趣味にしているだけですし(汗)。
ちなみに、私が将棋を指すと、何も考えずに飛車を振ります。
それしか戦法を知らないから、という話も(笑)。
振り飛車党は最近、やや分が悪いみたいですね。10年少々前、藤井猛九段が藤井システムを考案してから数年は、振り飛車党が猛威をふるっていましたが、居飛車側の対策が進んでしまった結果、当の藤井九段があまりに勝てないため、矢倉党に鞍替えしてしまったようです。現在、振り飛車党で強いのは、久保利明棋王と、鈴木大介八段くらいでしょうか。ちなみに、羽生善治名人は居飛車、振り飛車を自在に指しこなし、相手の得意型でも受けて立つという棋風です。若手で羽生名人に太刀打ちできるとしたら、渡辺明竜王くらいではないでしょうか。個人的には、森内俊之九段、郷田真隆九段、谷川浩司九段、佐藤康光九段の奮起を期待していますが…
長文、失礼しました。
藤井システムは、初登場した時が衝撃的でしたね。40数手で
相手を攻め潰してしまったんでしたっけ。しかし、藤井さんが
矢倉党って、似合わないような。矢倉と言えば森下九段と
いうようなイメージがあるんですけど。
>若手で羽生名人に太刀打ちできるとしたら、渡辺明竜王くらい
>ではないでしょうか
渡辺竜王は、強いんですけど安定してないんですよね。
でもNHK杯の初手でとんでもない手を指したり、プロらしく
「見せる」将棋を指すので、個人的には丸山忠久あたり
よりははるかに好きです。丸山忠久は、「将棋で金とって
るんだから、もうちょっと面白い将棋指せ」と言いたく
なります。今は日曜は教会へ行くので滅多に見られませんが、
NHK杯をつけて、対局者が丸山九段だと「なんだ丸山か」と
テレビ消してましたから(笑)。
なお、私が一番好きな棋士は加藤一二三九段です。解説が
また面白いんですよね。
丸山九段ですか。彼の指し方はよく「友達を
なくす指し方」とか言われますね(苦笑)。
勝負に辛い手を指すので、賛否両論あるかと
思いますが。ただ、対局後には気さくな人
らしいので、評判は悪くないと思います。
加藤九段というと、キーワードは「棒銀」。
何を指しても棒銀一直線ですね。そうか、
あと、彼は敬虔なキリスト教徒でもありますね。
その点でNaGISAさんには馴染みやすい棋士
なのかもしれません。
藤井九段について補足しますと、彼の矢倉は
早囲いを目指す独特な指し方です。元々、
藤井システムを考案するときに、居飛車を
徹底的に研究したらしいので、違和感なく
矢倉を指しこなせるのだとか。
個人的には三浦八段、深浦王位、木村八段
も面白いと思います。特に、深浦王位は、
現役棋士の中で羽生名人と五分の戦績を
残している稀有な棋士です。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
丸山九段は確かに強いんですが、華がないんですよねえ。
私は、鈴木八段くらい豪快で無理矢理な将棋が、(見てる
分には)好きです。鈴木八段は解説も分かりやすいですし。
鈴木八段の力戦中飛車(いわゆる「ゴキゲン中飛車」)の
本は持ってますが、テレビなどでの語り口の通りの本でした(笑)。
>加藤九段というと、キーワードは「棒銀」。
>あと、彼は敬虔なキリスト教徒でもありますね。
加藤九段はカトリックですが、教会のバザーでは詰め将棋の
コーナーを開いて、大人気なんだそうです。うーん、
行ってみたい。
>個人的には三浦八段、深浦王位、木村八段も面白いと思います。
木村八段は強いんですが、タイトルには何故か縁がない
ですよね。私としては、渡辺竜王以外の若手実力者、橋本
七段とか山崎七段辺りにも奮起してもらい、頻繁にタイトル
戦に絡んでくれれば、もっと面白くなると思ってます。
個人的に今一番好きな棋士は、瀬川四段なんですが(笑)。
鈴木八段は、見た目も大柄ですが、見た目通り、
豪快に飛車を振るから、見ていて、気持ちが
いいですね。
瀬川四段…いいですね。再挑戦のチャンスを
モノにして、プロになった向上心、いいじゃ
ないですか。しかも、成績優秀なため、来春
から順位戦にも参加できます。
山崎七段は見た目も格好いいし、意外に力戦型を
好むので好きです。ハッシーはちょっと髪型が
むさ苦しいですね(苦笑)。将棋講座はわりと
好評みたいなんで、もう少しスーツが似合う
髪型にした方が…。
今日のNHK杯は森内九段と、若手のホープ豊島
五段の勝負だったんですが、やはり森内九段は
強いですね。少しの隙も逃しません。近い将来、
またタイトル戦に出るのは間違いないと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
鈴木八段も、強さが安定していないんですよね。何とか
タイトルを1つくらいは取って欲しいなと思ってます。
瀬川さんは、Blogを愛読してるんですよ。文章が上手くて
読み応えあります。もっとも、棋士はほとんど例外がなく
文章が上手くてBlogは面白いですけど。文章が下手で、
将棋が強くなれるとはあまり思えない(笑)。
森内九段と言えば、「パネルアタック25」に出場した
時の事が印象に残っています。博識でクイズも強かった
んですが、パネルの取り方が完璧で、1ミリの反撃も
許さないような完勝。さすがは名人(当時)と感心する
事しきりでした。