2010-03-24

逆子の経膣分娩について

これから助産院や自宅出産を選ぼうとしている方の中には、妊娠経過中に逆子になる方もいらっしゃるとおもいます。
助産師会では逆子の扱いは禁止としていますが、実際にはどうだろう…という疑う気持ちが私にはありますので、妊娠している方の知識や意識の問題の改善もして欲しいとおもい、いつもコメント欄まで全て読んでくださっている方には重複する内容となってしまい申し訳ないのですが、今回はコメント欄を丸々というわけでもないけど、かなり“コメント欄の写し(移し)”まして、この問題、現状を知ってもらえたらとおもっています。

基は当ブログ『帝王切開が最後の切り札になるわけではない』です。

いつも産科医の立場としてご意見くださるsuzanさんから
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わたくしが研修医だった平成年代はじめころは
逆子であっても自然分娩の方針のお方はいらっしゃいました。
赤ちゃんが大きすぎないとか、赤ちゃんの姿勢が単でん位(単臀位で検索してみてください/琴母より)であるとか
いくつか条件はありましたが。
逆子の自然分娩はそれほど珍しいものではなかったのです。

ただし、逆子のお産は時間がかかります
頭がしたなら頭が見えてきたら「そろそろ生まれる」ですが
逆子のお尻が見えてきたら「さてこれから」です。
陣痛がきたらお尻を押さえて赤ちゃんが飛び出さないように
赤ちゃんの体を使って産道を広げるように、押しもどす。
初産婦さんならこれが一晩続くこともあります。
赤ちゃんの心拍はもちろんモニターしっぱなしで
心拍変化が少しでも怪しいときは帝王切開に切り替えです。
いよいよ抑えきれなくなって赤ちゃんの足を持って引っ張る瞬間はとても緊張しますが
うまくつるんと出てくれると、苦労しただけ喜びもひとしおでした。

こういう時間をかけた丁寧なお産は、
今の医療資源(はっきり言えば産婦人科医の数)の少ない時代には無理なのでしょう。
「逆子イコール帝王切開」と決まっている施設は、年々増えているようです。
逆子の自然分娩は、何かあったときの準備をきちんとしてのぞめば
決して危険なものではない、はずだったのですが
「準備」の段階で不足とあっては仕方ないと感じます。

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次はsuzanさんのご意見を読んだ私からです。
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ご意見を読んでいて思い返されるのが、琴子を出産する前に、助産師が
『逆子の方が簡単だ』
という説明の中で、当時はまだ足位とは分からないときだったのですが、足からでも簡単だという話があったことです。
指などを足に見立てて説明をしていましたが、足が出てきたら引っ張り出すだけだというような説明でした。
でも実際は、足、身体が出て、琴子の顎が引っ掛かったようで、琴子の全身の写真を産科医の方にお見せしたところ、琴子の足の形からして、助産師が相当焦って引っ張ったのが分かると言われました。
片足が伸びている感じがあるんです(素人の私でも足の様子がおかしいことは気が付いていました)。
この話を日本助産師会に出向いた際にしたところ、同席してた一人の助産師(助産師の教育をしたりしている立場の方)も
「そうなんですよ、逆子の方が簡単なんですよ」
って仰ったんです。
でもそれを急いで打ち消すかのように、当時の事務局長(助産師)が
「否、助産院で扱ってはいけないんです」
と何度か仰っていました。
自然分娩が可か不可かはマンパワーの問題もあるとおもいますが、何故か私が面と向かって話した助産師の方の中には
『逆子の方が簡単だ』
という認識の方が上記の通りに居て、その根拠がどこにあるのかが疑問です。
suzanさんのご意見を読む限り、『逆子の方が簡単だ』とはおもえないのですが…

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上記の通り、逆子の方が簡単だと少なくとも二人の助産師、それも一人は日本助産師会から表彰され、NHKでは神の手と紹介(そのときのお産も逆子の分娩だったと助産師が言っていました)されていて、もう一人は日本助産師会の名刺を持ち、助産師の教育者としての上の方の立場(当時)の方です。
個人的な意見に過ぎないといえるかもしれませんが、その個人のそれぞれの立場や影響力は個人的では済まされないようにおもいます。
また、助産師会がその後に出したガイドラインで逆子の分娩を扱わないと明記することに対して、反論があって意見の対立があったことが感じ取れると私の弁護士さんが指摘されていましたから、逆子(骨盤位)に対しては『私ならやれるのに』という悔しさを抱いたままの開業助産師は少なくないのではないでしょうか。
そういう意識は、もしかしたらsuzanさんや、後に紹介させて頂くふぃっしゅさんのご意見にもあるように、少し前までなら出来ていたことが出来なくなったということ、技術の伝承が惜しまれるという点と重なるのかもしれませんが、産科医不足の問題をおもえば、また、無理することで一番危険にさらされるのが赤ちゃんだということを考えれば、答えはひとつになることじゃないかと感じます。
但し、助産師の方の主張する逆子の扱いへの技術伝承は、経験者の私としては非常に危険な行為、思想だとおもいます。

基、上記の私の意見に対して、suzanさんからのご意見です。
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「逆子のほうが簡単」と言う助産師は、複数いるんですね…
いや、どう考えても、どっちが簡単とかいう問題ではないと思います。
何をさして簡単というのだろう。
できたら詳しく聞いてみたいような気持です。

それから私、前の記述で「足を引っ張る」と書いてしまいましたが
足のつけね、というか、太ももからおしりにかけてをつかむ、と書くべきでした。
下からの逆子お産は、「おしり」が見えているのが「正しい」状態です。
それ以外のものが見えたら帝王切開に切り替えます。

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多分、私が知る以上に、『逆子の方が簡単』とおもっている助産師はいるのだろうとおもいます。
VBACだって扱っちゃっていたところはありますから…(H助産師と、以前に当ブログで紹介した記事の助産院※現況は把握していません)
これらの問題に対し、もっと“こんなことさせちゃっていましたけど、実に大きな問題である、危険な行為なんです”と公にして欲しいもんです。
昔は出来ていたというのは正しい表現ではないですよね、昔は逆子は病院がないからそのままそこで産むしかなかったというだけだったんです。
VBACは論外ですよね、これは医療(帝王切開)があってからのことですから。

いつも率直なご意見くださるひぃたんさんが、市の母親学級で聞いたというお話です。
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逆子の経膣分娩についてですが、市の母親学級で
「尻とか足とかを引っ張ればいいように見えるけど、頭が引っかかるから、尻が出たとか足が出たとかで引っ張っちゃいけないんだ。そこが逆子の難しいところなんだわ」
と、おじいちゃん先生が言っていました。もっとも、このおじいちゃん先生は
「帝王切開、昔は水杯きってやってたんだぞ!」
とも、仰っていたくらいなので、相当なお歳だったりするのですが・・・。

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“水杯きって”というのは、昔は開腹手術の際に家族と水杯で別れをして手術に望んでいたということを仰っているのですよね?(間違っていたら教えてください)

頭が引っ掛かる…琴子は顎だって助産師が言っていました。
顎ですよ、顎…それだって琴子は死んでしまったんです。
あんなに『逆子の方が簡単だ』、『足が出てきたら引っ張ればいいんだ』って簡単なことを今の医者は出来ないのだと言わんばかりだったのに…引っ張っちゃいけないっていう意見もあるなんて、今更ですけどショックです。

次はひぃたんさんより先に寄せられたふぃっしゅさんのご意見ですが、“妊娠中の運動”については別記事にさせて頂きます。
ふっしゅさん、勝手に項目を分ける非礼をお許しください!
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骨盤位の経膣分娩については、産科の先生方にもいろいろと考え方があると思います。ちなみにうちのクリニックでも3年ほど前までは経膣分娩を行っていましたが、現在は全員帝王切開です。
骨盤位分娩の怖さは、最後の最後に頭の部分がひっかかって娩出が遅れるところにあるように思います。小児科医のいないクリニックでは、赤ちゃんへのリスクが高いのです。
産科の先生方にしても、経過をみる助産師にしても、骨盤位分娩の経験の機会が少なくなることも問題であって、不安を感じる点でもありますが、ほそぼそながらでも経験を伝え、いつか産科医・小児科医の先生に余裕がでる時代がきたら経膣試験分娩を復活させてほしいものです。
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やはり頭が引っかかってしまうんですね。
顎が引っ掛かるは頭が引っ掛かると同じでしょうか。
後、今回は単でん位と足位ですが、腕から出てきたりとか、他にもあります。
腕から出てくると、昔は子供を諦めて、その腕から切り刻んで母体を優先したということです。
こういうことを語っていくことも大事だとおもいます。

私たちに一番大事なのは、骨盤位の経膣分娩の場合、一番危険に晒されるのは誰なのかを真っ先に考えることだとおもいます。

今回紹介させて頂いたsuzanさん、ひぃたんさん、ふぃっしゅさん、有難うございます。

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No title

琴子ちゃんのお母さん、こんにちは。

わたしのコメントの中で「経過をみる助産師が骨盤位の経験が少なくなる」ことへの不安は、逆子の赤ちゃんをとりあげることは含まれていません。約20数年前の助産師教育の中でもすでに、骨盤位牽出術は医師のみにできることとして学びました。助産師は、医師が牽出術を行う直前まで、産婦さんがいきまないようにすることが仕事であると認識しています。

3年前までは骨盤位の経膣分娩もそれなりに体験してきましたが、「逆子は怖い」です。思い返して、骨盤位分娩での新生児死亡や重篤な新生児仮死などには幸いにしてあたりませんでしたが、頭が出なくて産科の先生たちと足が震えるような思いをしたことが1回あります。
1回の経験ですが、「一度ぐらいしか怖い思いをしたことがないから大丈夫」なんて、とても言えません。
いつも、たまたま無事に生まれたのであって、次のお産はわからないからです。
「10年目で怖いと思わなかったのに、20年やって怖いと思うのがお産だ」
と、うちの院長先生もおっしゃっていました。

自分が怖いお産にあたっていないから「お産は大丈夫」と思いこまないように、他の病院や他の国の統計などから危険性を知ることは大切だと思います。

No title

琴子の母さま、皆様
こんにちは。

「逆子は簡単」なんて話は今まで聞いたことがありません。いつからそんなことに?
私が妊娠出産していた頃(十年ほど前)に流行っていた内田春菊さんの漫画「私たちは繁殖している」ですが、再度見直してみましたら、まさに逆子のことが出ています。
赤ちゃんの場合頭が一番大きいから、逆子の場合引っかかってしまう、その場合へその緒も圧迫されるから赤ちゃんが息できなくなる・・・というような、きわめてわかりやすい、図解入りの説明(漫画なので当然ですが)。帝王切開も選択肢に入れつつの、産道を風船?で広げながらいきむのを耐え、何人もの医師がついてのお産でした(今ならかなり贅沢ですね)。漫画といえどもかなり細かいところまで描いていて、出てくるまでは十五分か二十分くらいの時間だったが赤ちゃんの心拍が時々落ちていた、そういう(危険がある)のが逆子だ・・・とも。
私生活では何かと物議をかもしている内田氏ではありますが、お産に関してはしごく真っ当な姿勢でのぞんでいたと思います。四人のお子さんはすべて病院で出産されています。

suzan先生の説明、非常にリアルで読むのが辛かったです・・・確かに初産の場合「道がついてない」ですから余計に出にくそうですよね。
産道を広げつついきむのを我慢しながら一晩かけて産む・・・想像しただけで気が遠くなりそうです・・・。
逆子は帝王切開、となった理由のなかには、医療資源の減少もさることながら、母親の負担を減らすということもあったのではないんでしょうか?
「逆子は簡単」どころか母親にとって相当辛いお産のように思います・・・いったい誰にとって簡単なんですかね? 本当に無責任な話です。

No title

suxan先生の「帝王切開が最後の切り札ではない」という話は真実です。分娩は産婦さんが主役、医師や助産師に任せるのはダメです。

でも、「新生児科医が最後の切り札ではない」こともご理解ください。
私たち、新生児科医は”生まれてから”は頑張れます。でも、赤ちゃんがお母さんと切り離されない時間、産道で引っかかっている間は何もできません。

NICU、常勤麻酔科医がいる施設では緊急帝王切開ができるという理由で骨盤位、双胎で経膣分娩を選択される妊婦さんもいらっしゃると思います。
でも、新生児科医が効力を発揮できるのは赤ちゃんを「産み落とした」あとです。私たちは、胎児心音が下がっていても、それが「胎児」である間は手出しができません。

帝王切開はともかく、経膣分娩を選択された場合は、たとえ新生児科医がそばにいても、赤ちゃんを守るのは自分しかいない・・・これだけは心得ていただきたいものです。

ふぃっしゅさんへ

こんにちは。
今回も記事にさせて頂きまして、有難うございました。
妊婦の運動についてのご意見は、後日改めさせていただきたいとおもいます。
勝手に分割しちゃってすみません。

> わたしのコメントの中で「経過をみる助産師が骨盤位の経験が少なくなる」ことへの不安は、逆子の赤ちゃんをとりあげることは含まれていません。
---
ふぃっしゅさんが仰っていることは十分に理解しているつもりです、私の言葉が足らなくてすみませんでした。

>約20数年前の助産師教育の中でもすでに、骨盤位牽出術は医師のみにできることとして学びました。助産師は、医師が牽出術を行う直前まで、産婦さんがいきまないようにすることが仕事であると認識しています。
---
私が記事内で紹介しました『逆子の方が簡単だ』と言った助産師2名は、20数年前には既に助産師としてベテランと言われていただろうお年の方たちなので、時代背景も違ったのだろうとおもいますが、しかし、H助産師に開業に向けて個人的に指導をお願いしていた助産師も居て、この方は“逆子のときには手伝うから呼んで下さい!”とお願いをしてたいそうですから、ふぃっしゅさんと同じような教育を受けていても、
“そのくらい、私になら出来る!”
とおもってしまう方だったのでしょうか…

> 1回の経験ですが、「一度ぐらいしか怖い思いをしたことがないから大丈夫」なんて、とても言えません。
---
ふぃっしゅさんのように感じる助産師の方が大半だとおもいたいのですが…


> 自分が怖いお産にあたっていないから「お産は大丈夫」と思いこまないように、他の病院や他の国の統計などから危険性を知ることは大切だと思います。
---
日本助産師会も、そういう内容を研修の課題として力を入れてくれればいいのに、ホメオパシーだとか、研修先はY医院だとかと、心の在り方が全く別だとおもえてなりません。

さくこさんへ

こんにちは。

> 「逆子は簡単」なんて話は今まで聞いたことがありません。いつからそんなことに?
---
多分ですが、ご年配の方に多いのではないでしょうか。
助産師会に行ったときにこの発言をされた方は、ご自身のお子さんを出産されるときも逆子で、なんの問題もなかったと仰っていたのですが、病院には行かなかったと仰っていた記憶があるんです。
話を聞いていて、あの頃はまだこうい色々なことを知らなかったので、
「簡単な逆子で、なんで琴子は死んだのだろうか」
と、かなり凹んだ記憶があります。

> 「逆子は簡単」どころか母親にとって相当辛いお産のように思います・・・いったい誰にとって簡単なんですかね? 本当に無責任な話です。
---
本当ですね。

若輩新生児科医さんへ

こんにちは。

> でも、「新生児科医が最後の切り札ではない」こともご理解ください。

> 帝王切開はともかく、経膣分娩を選択された場合は、たとえ新生児科医がそばにいても、赤ちゃんを守るのは自分しかいない・・・これだけは心得ていただきたいものです。
---
その通りですね。
お産の場に新生児科医がいらしても、新生児が生まれてくるまではいわゆる“患者”不在なんですよね。

No title

琴子ちゃんのお母さん、こんにちは。

コメントは琴子ちゃんのお母さんの好きなように切ったり貼ったりして使ってください!お役に立てればうれしいです。
また、骨盤位分娩での助産師の役割も、ここを読まれる産科関係者以外の方に明確になるように書いたつもりだったので、かえってお気を遣わせてしまってごめんなさい。

若輩新生児科医さんの書かれているように、新生児科医・小児科医の先生がいらっしゃることも本当に「最後の切り札」ではないのです。
琴子ちゃんのお母さんがこれまでにも何度となく、「何かあれば搬送されるから大丈夫」と思うことへ警告を書かれていたとおりです。

骨盤位分娩を「以前は産婆や助産婦だってやっていた。だから大丈夫」と思ってしまうのは、社会全体で安全性が高められる改善よりも、自分の技術への過信が勝ってしまっているのでしょうね。
「大半のお産は無事に終わる。以前は助産婦だけでやっていた。だから大丈夫」も同じだと思います。

日本のお産の半分は診療所で行われていますが、その大半は助産師ではなく、看護師さんや準看護師さんが分娩の経過観察を行っています。
私のクリニックでも、助産師がいない日は看護師さん、準看護師さんが経過を観ています。
経験を重ねれば、分娩経過の観察のポイントはわかってきます。
私のクリニックでは、分娩進行中は必ず一人のスタッフがマッサージをしたり付き添いますから、看護師さんが対応してくれた時も満足度は高いです。
昔の産婆や助産婦の勉強をした人と、現在の診療所で働く看護師さんたちとは経験量としては大差ないと思えます。異常への対応という点では、医師がすぐに対応できるクリニックの安全性の方が高いのは当然です。

きっとこんなことを書くと、「助産師の役割は違うのだ」と「主体的なお産」「ひとりひとりを大事にしたあたたかいお産」「会陰保護」などで反論があると思います。
でもそんなことは、病院や診療所に十分な人数を配置し、方法論が行き渡れば看護師さんだってできることだと思います。
そうなった時に、助産師と助産院の存在意義が再び問われることでしょう。

骨盤位の話題から少しずれてしまいましたが、「逆子は簡単」と言ってしまう助産師も、「正常産は助産師だけでできる」と言ってしまう助産師も、全体の安全性というものが見えていないと思います。

ふぃっしゅさんへ

こんにちは。
返事が遅くてすみません…;;

> コメントは琴子ちゃんのお母さんの好きなように切ったり貼ったりして使ってください!お役に立てればうれしいです。
---
有難うございます、もう数日頂いて、また使わせていただこうとおもっております、いつも有難うございます。


> 若輩新生児科医さんの書かれているように、新生児科医・小児科医の先生がいらっしゃることも本当に「最後の切り札」ではないのです。
---
生きていることと、死んでしまったばかりでは親の目には全く同じような皮膚の色、温もりでも、医療が手の施しようのないことであると、こんな当たり前のことでさえ、子供が死んでからでないと気がつけないことがありました。
というより、子供の死を想像だけでしていても、それは全く意味のないほど、現実は冷たくて儚い、怖いことだと知ることが出来なかった。
医師がそこにいるからなんとかなるなんて、本当に甘い考えなんだと知りました。
医療がそこにあっても、生きて生まれてこないと駄目なんですよね。


> 骨盤位分娩を「以前は産婆や助産婦だってやっていた。だから大丈夫」と思ってしまうのは、社会全体で安全性が高められる改善よりも、自分の技術への過信が勝ってしまっているのでしょうね。
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そうなんですよね、社会全体から外れたところの過剰な自信からきているのですが、それをうまく隠すように、『医療が先走りすぎている、介入しすぎている』ということで更に安心させていることもあるとおもいます。
逆から言えば、『医療が先走りし過ぎているだけで、いざというときは役立てればいいんだ』という意味に解釈させていて、『搬送するんだから』で安心な世の中以外を見せない(なんだか私の説明が支離滅裂気味ですね…)

> 「大半のお産は無事に終わる。以前は助産婦だけでやっていた。だから大丈夫」も同じだと思います。
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本当です、この暗示は誰がおもいついたんでしょうかね。

> そうなった時に、助産師と助産院の存在意義が再び問われることでしょう。
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そう問われないために、必死になって医療批判をしたり、看護師を排除するようなことに力を注いでいるように感じています。

>
> 骨盤位の話題から少しずれてしまいましたが、「逆子は簡単」と言ってしまう助産師も、「正常産は助産師だけでできる」と言ってしまう助産師も、全体の安全性というものが見えていないと思います。
---
本当ですね。
全体の安全性なんて、多分全く考えたことのない方たちがいるのです。
だから、搬送の意味を無視して、勝手な考えで、いわゆる非常識な搬送をしているという話も聞こえていますから、お産は本来、一人で産んで…とかなんとかって言っている方達ですもん、全体とか社会なんて考えないんでしょうね。
私自身、助産院に傾倒していた頃は、潜在的に「状態が悪化したなら救急車呼んで当然」とおもっていたのだとおもいます。
日々の生活の中で呼ばないようにしているつもりだったから悪意は持っていないつもりでも、自分がこれからしようとしていることがどういうことなのか、全く理解出来ていなかったのです。
一つ一つ振り返っていくと、自分も社会全体を考えていなかったと反省もしています。

No title

私のような素人でも、「逆子の方が簡単」などという説明は読んだこともされた事もありませんので、そのような事を個人的見解だとしても発言する助産師は信頼できないと言って過言ではないと思います。

1992年頃のマタニティ雑誌の特集でも妊婦向けの本でも、逆子の第一選択は帝王切開と説明されていました。ある条件下の逆子の場合のみ経膣分娩で取り扱う病院や診療所も存在していたとは思いますが、それは極めて少数派でしたよ。

逆子の第一選択が帝王切開である理由は、「逆子を経膣で出産する場合、さいたい脱出や頭・顎などが引っかかって出られなくなる場合があり、それが極めて短い時間でも子供の命に関わるから」と説明されていたと記憶しています。頭そのものが引っかかる場合もあれば、赤ちゃんの顎がひっかかり顎を上げた状態になり出られなくなる、そういう説明がなされていたと思います。(逆子でなくても、顎を上げた状態では頭が産道に入りませんよね。)

また、逆子の経膣分娩の成功率は通常に比べて明らかに低く、経膣で生まれた場合にも障害などが残る確率が高い。

さらには、産道のある地点まで児が進むとそこで出産不可能になっても帝王切開には切り替えられない、そういう場合は一度児を胎内に押し戻してそこあれ帝王切開に切り替える必要があり、それが出来ない場合は下から出すしかないのだとも。

逆子の経膣出産が続いてきたのは、病院出産が一般的ではない時代がよくも悪しくもあったからなのではないでしょうか。致し方ない状況下での技術というのが必要なものとして確かに継承されて来たのだろうと思います。継承されること事態は良いことだとは感じますが、それはあくまでも緊急事態の回避差であって、それを積極的に使用するという意味合いのものではないはずです。

しかし、それにしても助産師がそれを「簡単」だと発言するのも、その裏にそのような認識があるのも宜しくない事ですよね。さらにはそのような認識の助産師が自宅出産を請け負っているのはやはり問題なのではないでしょうか。

逆子に限らず、どんなに準備していても一回一回のお産はやってみなければわからない。そこがお産の怖いところ・・・そう考えると、結果オーライだからといって医療に遠い意識を持つ助産院や自宅出産を引き受ける助産師が存在する事は怖い事だと思えてなりません。

本当にそこに事故は存在しないのか?疑問を感じてしまいます。
プロフィール

Author:琴子の母
助産院や自宅出産についての情報があまりにも偏っています。
助産師会の方から『産む側も勉強を』と言われました。
偏ったままの情報での勉強は、あらたな誤解を生み、悲しいお産を増やす可能性が高いとおもっています。
助産院や自宅出産が抱える問題、リスクを知って貰い、その上で分娩方法や場所の選択をしていくことを願っています。

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