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パチンコ出店妨害:最高裁が2度目の差し戻し判決

 北海道稚内市でパチンコ店の出店を計画していた札幌市内の業者が、妨害目的で公園を新設されたとして、地元業者らに約10億円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は22日、原告敗訴とした2審・札幌高裁判決を破棄、審理を高裁に差し戻した。判決は「違法な出店妨害」と判断した。この訴訟では最高裁が07年にも差し戻し判決を言い渡しており、2度にわたって審理がやり直される異例の裁判となった。

 原告側が99年に新店舗建設目的で土地を購入、地元業者らは近くに公園を建設して社会福祉法人に寄付した。公園が先に設置認可を受けたため、「公園から100メートル以内での営業は認めない」と定めた条例により出店が許可されなかった。

 00年に提訴した原告側は1審で勝訴したが、2審で逆転敗訴。最高裁の1回目の判決(07年)は今回同様に「違法な出店妨害」と判断したが、差し戻し後の札幌高裁判決(09年)が「公園を寄付した主な目的は福祉事業への協力」として再び原告敗訴とした。

 今回の判決で、小法廷は「寄付の主目的は出店妨害」と判断。差し戻し審で賠償額を算定するよう命じた。原告側は公園の寄付を受けた社会福祉法人にも賠償を求めたが、「積極的な加担はしていない」と退けた。【伊藤一郎】

毎日新聞 2010年7月22日 19時24分

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