大手パチンコ機器メーカー「三共」(東京都渋谷区)の毒島(ぶすじま)秀行会長(57)の資産管理会社「マーフコーポレーション」(豊島区)など数社が東京国税局の税務調査を受け、計約10億円の所得隠しを指摘されたことが分かった。重加算税を含む追徴税額は計約3億円に上るとみられる。
関係者によると、マ社は07年、所有していたパチンコ用プリペイドカード販売会社「日本レジャーカードシステム」(解散)の株をマ社の社長らに売却。数カ月後に高値で買い戻したが、国税局は故意に安く売却することで、社長らに約10億円の利益を提供したと認定した模様だ。
三共は今年3月期の連結売上高が2226億7300万円に上る業界大手。マ社は三共の株の15%余を所有する筆頭株主で、三共の監査役でもある税理士が社長を務める。毒島会長や創業者の父・毒島邦雄名誉会長は国内有数の資産家として知られる。
三共は「直接当社に関係することではないのでコメントしかねる」、マ社社長の税理士は「国税当局の指摘事項に基づいて修正申告した」と話している。【加藤隆寛】
毎日新聞 2010年7月23日 11時35分(最終更新 7月23日 12時47分)