様々なゴシップを記事にしてきた私だが、ルポライターとして学校のゴシップは始めてである。私は学校ネタはあまり好まないのだが情報をいただいた職員の話を聞いているうちに現代の学校の裏事情が見えてきた。
情報元の職員兼講師は09年6月現在、現役であるから「内部告発」になるかも知れない。彼は解雇を覚悟している一方、十数年乗り込できた沈みゆく船を見届けたいともいう。デリケートな内容なので推測できないように配慮したが関係者が見ればすぐ分かるだろう。詳しい内容については後に発刊する書籍に網羅する。
さて現役講師の話を要約した。
舞台は九州にあるコンピュータ系の専門学校。世間に名は知られていないが老舗だという。現在2校をもつ専門学校であるが以前から生徒が集まらず苦戦を強いられている。学校にとって生徒が集まらないのは死活問題である。そこで着目したのが「留学生」だった。通常の学校であれば数人の留学生が在籍する程度だが、この学校は徐々に増え続け今では学生の過半数を超えており全国でも例がないという。留学生の9割は中国人でコンピュータ学校というより日本語学校化している。調べると地元の専門学校の間では「問題校」に挙がっていた。
一般的に留学生は日本での就労目的が高いので学校の在籍は留学ビザ取得のための手段にすぎない。留学生にとっては留学生を大量に入学させるこの学校の存在があまりにも有名だそうだ。要するに留学ビザを取得して日本で就労するために学費を納めているのだ。性質上、学習のための学費ではないのでいわばビザ代ということになる。文部科学省や入国管理局がこれを黙認していることが驚きである。学校は留学生の受入れだけで毎年数億円の学費を稼いでいる。現在の運営資金はこれに委ねられている。博打のようなものだ。あまりにも留学生が多いので午前と午後の二部制にして授業をしているが元々2年間の授業数は規定の1800時間に届かないという。また未だにウィンドウズ98のノートを4人に1台で回して使わせている。つまり留学生を大量に入学させておきながら留学生のためにお金を使わない。これは学校が授業よりビザ取得の場を提供していると認めているようなものである。留学生との暗黙の了解のように見える。日本人の学生は入学後にこれらの事実を知り後悔する。日本人も留学生も卒業後はこの学校の卒業生であることを隠したがるという。留学生が増えると問題も多くなるが数人の留学生担当講師にすべてを委ねている。
留学生の問題はすべて講師の責任にされる。担任も講師が兼務しており教員免許の所持者は皆無。ほとんどは関連会社からの出向か派遣で賄っておりほとんどがこの学校の卒業生だ。契約社員に担任をさせていたこともあった。学校所属の正規職員は4〜5名だという。これはあきらかにグループ内の資金操作に他ならない。安直なやり方に見える。さらに毎年、時には毎月の単位で講師が責任をとらされ入れ替わる。内部にはチクリ屋がいて常時、職員の言動を見張っている。特に中途採用者の監視は著しい。まさに摩訶不思議な学校である。この閉鎖間はよほどの問題を抱えて手の施しようがないものと思われる。就職難な時代でありながらほとんどの講師が去っていくのは、よほど耐え難いのだと推察する。安泰なのは理事長と数人の役員のみだが彼らは部下に命令しかしない。しかも強制的にやらせる。命令通りにやって結果がでないと部下の責任となる。失敗には叱責を通り越して罵倒し怒鳴り散らす。私は話を聞くだけで彼らの経営能力が分かるが多くの職員も彼らの能力をすでに見切っているという。能力がないから部下を罵倒することで地位を確立させているだけだと。もはや哀れでもある。トップの側近も含めて集団離脱を企てているらしい。この学校が突然無くなったところで誰も気がつかないだろう。もう風前の灯火であることは職員達が悟っている。
この学校のゴシップはまだまだ尽きない。労働法違反、役員が漏らしたトップによる秘書へのセクハラ事件、元学生の犯罪、休校させゴルフ会を開催、データ改竄など・・・・・
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