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【聖香さん虐待死】内縁の夫、しつけ弁明し無罪主張 遺族が叫ぶ一幕も
このニュースのトピックス:暴行・虐待・監禁
大阪市西淀川区で昨年4月、松本聖香さん=当時(9)=を虐待し衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた母親の内縁の夫、小林康浩被告(39)の裁判員裁判の初公判が23日、大阪地裁(樋口裕晃裁判長)であった。小林被告は死体遺棄について「間違いない」と認める一方、保護責任者遺棄致死については「聖香は極度に衰弱していたことはなく、病院に連れて行く必要があるとは思わなかった」と無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、聖香さんの母親の松本美奈被告(35)=両罪で1審懲役8年6月の有罪判決=と同居後、虐待を繰り返したと指摘。「しつけのレベルを超えた暴行を与え、衰弱死させた」と主張した。
一方、弁護側は「死亡は予想外で、保護を怠ったわけではない。聖香さんのてんかんの持病が死因の可能性がある」と反論した。
起訴状によると、両被告は共謀し、殴打や十分な食事を与えない虐待で衰弱した聖香さんをベランダで寝具を使わせずに寝かせ、昨年4月5日午後、衰弱死させ、6日夜、遺体を奈良市の共同墓地に埋めて遺棄したとされる。
小林被告はこの日、黒色スーツ姿で入廷し、終始淡々とした表情。暴力について「聖香にうそをついたことを反省してほしかった」などとしつけの一環だったと弁明し、「感情的になり、やりすぎたことは反省しているが、私自身が親からされていたことで、虐待のつもりはなかった」と訴えた。
また、弁護側が「小林被告は聖香さんをかわいがっていた」と主張した際、遺族の1人が立ち上がって「それは虐待する前の話だ」と叫ぶ一幕もあった。