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【経済】

銀座 再び買い物天国 三越は売り場1.5倍へ

2010年7月23日 07時07分

本館東側に増築され、売り場面積が広がる三越銀座店=東京都中央区銀座4丁目で(中西祥子撮影)

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 三越伊勢丹ホールディングスは二十二日、三越銀座店を増床し、九月十一日に全館で新装オープンすると発表した。売り場面積は現状の一・五倍の約三万六千平方メートルとなり、銀座・有楽町地区では最大の商業施設となる。開店後一年間の売上高の目標を六百三十億円に設定し、「銀座一番店」の座をライバル百貨店の松屋銀座から奪取する構えだ。

 銀座地区には、流行のデザインを取り入れた低価格衣料(ファストファッション)チェーンの進出も目立ち、不況下での顧客争奪戦が熱を帯びてきた。

 新しい三越銀座店は、既存の本館と東側の公道をはさんだ新館を一体化。十三階建ての建物の九階には、芝生の広場や百三十四席の休憩スペースなど公共の「銀座テラス」を設け、託児所も併設する。中国人観光客らに対応する二階の「外国人観光案内所」も目玉だ。

 今回の増床は三越にとって二〇〇八年の伊勢丹との経営統合後、初の大型プロジェクトとなる。伊勢丹の商品調達力も活用して自社で商品を選んだ独自の売り場を各階で展開。三十〜四十代の取り込みを狙う。東京都内で会見した石塚邦雄社長は「百貨店としてのあるべき姿を示したい。失敗は許されない」と力を込めた。

 迎え撃つ松屋銀座は、バッグから食品まで高額品の品ぞろえを充実させている。八月中に高級ブランド雑貨の売り場を拡充。九月にはショコラなどを扱う高級洋菓子店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」が百貨店常設として初出店する。

 松坂屋銀座店は、四月に米国の衣料品店「フォーエバー21」を誘致。月間の来店客数を誘致前より八割増やした。

 銀座地区には百貨店以外にもユニクロやスウェーデンの「H&M」、スペインの「ザラ」など低価格を売りにした衣料品店が集結している。ある百貨店幹部は「競合他店との『買い回り』も見込み、銀座全体で顧客を取り込んでいきたい」と意気込む。

(東京新聞)

 

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