ワーク・ライフ・バランス一覧[パパと夏休み](2)イクメン お出かけ安心休憩室・トイレ…店が工夫ベビーカーを押し、肩にオムツや着替え、哺乳(ほにゅう)瓶の入ったバッグ。東京都内の会社員関根淳一さん(44)は6月下旬の週末、生後7か月の長男と初めて2人で外出した。「平日は子育てを任せきりの妻に、たまには気分転換してもらいたい」と話す。 向かった先は、電車を乗り継いで約1時間のイベント会場。事前に利用駅のエレベーターの位置などを調べ、「ぐずったらどうしようと緊張しましたが、スムーズに行けた」とほっとした様子だった。 この会場で開かれたのは、父子での外出を推進しようというイベントで、約40組の乳幼児と父親が、宝探しなどのゲームに参加した。企画した育児用品販売会社の担当者は「子どもが泣き出して困っていた人もいたけれど、みんな2人だけでの外出を楽しんでいたようです」と話す。 育児に熱心な男性の増加を受け、東京都心の繁華街でも、父親が利用しやすい休憩所などが充実してきている。 「大人の街」銀座には昨年11月、商業ビル内に乳幼児と親の休憩ラウンジ「ベイビーオアシス」が登場。子どもが遊べるスペースがあるのが特徴で、週末は、母親が買い物中に乳幼児と利用する父親の姿も目立つ。利用料は1時間840円。大人はコーヒー、紅茶などが自由に飲める。 東京都荒川区の会社役員(38)は、妻が友人と食事中、2歳の長女を遊ばせていた。「妻はいつも家にいて、外出もままならない。きょうは、満足して戻ってくるまで待っています」と話す。 このラウンジの運営会社社長の増田健一郎さん(40)は、2児の父親。内装をパステルカラーではなく木目調の落ち着いた雰囲気にするなど、男性も入りやすいよう配慮したという。「お父さんにくつろいでほしいので、コーヒーなどもこだわって選びました」 プランタン銀座では、5月にベビールームを改装。授乳用とおむつ替えのスペースを分けるなどし、父親も使えるようにした。 9月に改装オープンする銀座三越も、父親が利用しやすいよう様々な工夫を凝らす。母親の買い物中に父親や祖父母が子どもと休憩できる部屋や、芝生のある屋外広場などを設ける。子ども専用トイレも設置し、父親が付き添いやすくする予定だ。 外出の際には、子どもに無理をさせないことも大切。神戸常盤大准教授の小崎恭弘さんは「長時間人込みにいたり、歩かせすぎたりしないように」と助言する。最初は家の周りの散歩から始め、近所の公園、少し遠くへの買い物、と段階を踏むといい。父親も利用できるおむつ替えや休憩の場所があるかも調べておきたい。 「普段からおむつ交換など子どもの世話に慣れておかないと、ぐずったときの対処に困ります。父子でのお出かけは、普段の生活の延長にあると考えて」と小崎さんは話している。(小坂佳子) 外出時の育児用品にこだわる男性も増えているようだ。父親の子育て情報誌「FQジャパン」編集部によると、ベビーカーではデザインや走行性が重視され、日本の企業が製造する3輪タイプや英国ブランドのものなどが人気。スウェーデンのメーカーの抱っこひもも、使い勝手がよいと父親に評判だ。 (2010年7月21日 読売新聞)
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