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拉致家族を“政争の具”にするな!

佐藤守

提供:軍事評論家=佐藤守のブログ日記

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これまでもそうですが、いくら情報を収拾してもそのままでは何の意味もありません。隠すなら具体的な救出の手はずを進めるか、それができないなら家族はもちろん、国民にも知らせるべきです。せっかく厖大な労力をかけて情報収集のために彼女を呼んできたのなら、明確な成果を出さなければ意味がありません。最も優先されるべきは「救出」であり、そのための情報収集です。そのことを忘れてはいけません。

ご参考まで、前に流した田原総一郎氏の裁判における陳述書をもう一度引用しておきます。再びこうならないことを望むのみです。

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私(田原氏)は、(北朝鮮から)帰国後の平成19年11月8日、外務省にて、外務省幹部4人と拉致問題について話し合いました。(中略)私が、ソン・イルホ大使が「8人以外に複数の日本人が生存している」と話したことを伝えたところ、外務省幹部は「同じ話を聞いているが、8人以外の複数の日本人が帰国しても、北朝鮮に対する世論が好転することはないと判断したため、その話はなかったことにした。」などと話しました。

===============≫

私も退官後、この問題に多少かかわってきたが、関係者の努力で全国ネットが完成すると、チャンネル桜が呼びかけた≪ブルーリボン≫は瞬く間に全国に広がった。

その後リボンはバッジになったが、議員諸侯は競ってこれをつけて仲間入りし始める。勿論、西村真悟氏や土屋敬之氏のような“本物”は別にして、バッジをつけることで票を意識する?と思われるような議員が目立つようになった。

私は防大以来38年間、制服を着て国家国民のためと信じて戦闘機に乗り続けてきたが、結局自衛隊は、政治屋にとっては「政争の具」以外の何ものでもなかった、と虚脱感を覚えたものである。

今回の軽井沢の鳩山別荘会談も、実は「シンガンス助命嘆願実行者」たちが蔓延る現政府による「政争の具」以外の何物でもない気がする。

もしそうだとしたら彼らの行為は背信行為であり、家族に対する大罪である。

自衛隊が政争の具扱いされても我々は平気であった。それは事に臨んでは身の危険を顧みず職務を遂行する決意があふれていたからである。

しかし「拉致事件」はそうはいかない。我々のように武器も持たず、夫として妻として、兄弟として、平和に過ごしていた庶民が、一夜にして北朝鮮というごろつき集団に肉親を引き裂かれたのである。彼らを救うのは「国家」しかないにもかかわらず、その国家は、彼ら彼女らの生命を守ろうともせず、今や己の保身に躍起になったルーピイたちに奪取され、彼らの「政争の具」にされている。

今回の金元工作員との面会が腑に落ちないのは、荒木氏が書いたとおり、事件後すでに30数年たっているにもかかわらず「見たことがある」とか「見た気がする人物がいる」とか「日本の警察に話している」程度の会話しか家族が聞けないことである。

国民はきわめて異常だと思わないのだろうか?

政府は勿論だが、これを追っかけまわしてワイドショーに仕立て上げているメディアも「他人事」、対応振りはかなり異常である。

その昔、北の犯罪が浮かび上がったとき、大半のメディアは否定したことを忘れてはなるまい。罪滅ぼしの意味もこめて、真正面から「奪還」に向けて北と日本政府を追求してみるが良い。

そうあってほしいと思いつつ、今朝の横田御夫妻の中継を見たがいたたまれなかった。

政府もメディアも、ご家族を正視できるか?

何も感じないというのであればそれは「けだもの以下」であり、万死に値する。
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軍事評論家=佐藤守のブログ日記

佐藤守

軍事評論家。岡崎研究所特別研究員。「チャンネル桜」コメンテータ。平河総研・専務理事

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