そもそも論として、年収と消費能力とは根本的に異なる。年収が低くても貯蓄あるいはキャッシュフローが膨大であれば消費能力が大きい。人々が不公平だと感じるのは、表面的な年収などよりむしろ消費(お金の使い方)の大きさの違いだ。消費の局面だけにフォーカスして所得の要素を取り除いた課税のやり方は、むしろ公平に資する可能性が強いと思うのだ。 仮に本当にそれほど豊かではない人々に対しても、限られた範囲であれ必要最低限以外の物資を買える人々にその限られた範囲で同じレベルの税負担を求めることはむしろ当然のことと思えるのだ。生存権に対する配慮は必要だが、貧乏だからと言って税金をまったく払う必要がないと言う発想そのものは間違っているとワタクシは思っていることもあり、年収を基準にする消費税還付という発想には疑問がある。 一方で、基本的食料品や教育必需品や医療といった生活必需物資的な部分を非課税にするというのはありだと思う。技術的な困難は年収を基準とするよりは軽いかせいぜい同等ではないか、と思う。低所得者対策としては、それのほうが理にかなっている。 年収を基準としてやるとしたら、還付とか言って、数百円単位のレシートを何百枚も持ってこられるわけだが、それをいちいち税務署はチェックするのだろうか? 年収300万程度だと相当の対象者がいるだろうし、家計単位なのか個人単位なのかという点でも、レシートの付け替え(所得の多い親が所得の少ないコドモにレシートを渡して還付させるみたいな)事が起こりやすいのではないか?レシート漁りみたいな人々がスーパーやコンビニのレジのあたりを徘徊し始める?そういうのを防ぐため毎回記名式の領収書をとらせる?いずれにしてもスーパーのレジが大混乱するような予感・・・ やっぱりあまりスジが良くないと思わざるを得ない。 |
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菅直人首相の消費税還付言及を批判が相次いでいるようだ
出足がやけに快調だった菅首相も予想通りの発言のブレが生じ始めているようだ。何せマスコミの報道によると参院選まで出来るだけ菅氏には喋らせたくないというのが本音らしい。ノリノリで得意そうな演説も喋りすぎによって墓穴を掘ってしまう可能性が高いからなのかもしれな ...続きを見る |
事業資金融資パレード 2010/07/01 20:27 |
内 容 | ニックネーム/日時 |
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いつものこのながら、すばらしい観点ありがとうございます。直間比率の議論は今は郵貯様の社長さんと隠居中の深沢の老人のころからのお話です。 |
かる 2010/07/02 00:13 |
私も昨日自分のブログで消費税還付を取り上げました。 |
durian 2010/07/02 01:28 |
定額給付と組み合わせれば解決する問題だと思うんですが、 |
学生さん 2010/07/02 01:43 |
直間比率の見直しは必要でしょうが、安易な消費税還付は余計コストが掛かりますね。 |
348ts 2010/07/02 10:37 |
物品税復活は分かりやすいと私も思いますが、 |
40歳無職 2010/07/02 18:10 |
財政的に直間比率の見直しが必要だし、政治的に貧富格差の固定の解消が必要だし、還付金策はいいと思うのですが。相続税?リスキーだ。 |
ばり 2010/07/03 01:58 |
かるさんどうもです。直間比率の是正そのものには賛成で、むしろ消費税増税で課税ベースを拡大しようとしているのだから、年収でそれを縛ってしまっては意味不明の政策になりかねないと思います。 |
厭債害債 2010/07/04 23:03 |
348tsさんどうもです。物品税というのはそれなりに良くできていたと思います。ただ、税金をたくさん取るという目的のためには「広く浅く」というやり方が必要だったし、まあ技術的にも楽な方を選んだということでしょうね、 |
厭債害債 2010/07/04 23:18 |
還付って実際にどうなるの?と検索していて辿りつきました。 |
たぬきち 2010/07/13 01:22 |
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