米国務省は21日、北朝鮮による大量破壊兵器の拡散活動に絡む資金ルートを遮断するため、今後2週間以内に包括的な制裁措置を取る方針を明らかにした。

　クローリー国務次官補（広報担当）は同日の定例会見で、クリントン米国務長官が明らかにした対北朝鮮制裁の内容を説明し、「これまで北朝鮮の兵器拡散を遮断することに集中してきたが、現在は兵器プログラムに資金を提供する違法活動に打撃を加える国家的措置を強化する方向へとシフトしている」と述べた。

　制裁の主な内容は▲大量破壊兵器の拡散に関与している北朝鮮の機関、個人を米国務省、財務省の制裁対象に追加指定し、資金を凍結▲海外で違法活動を行う北朝鮮の貿易会社の業務停止、金融取引遮断▲兵器拡散にかかわる北朝鮮幹部の旅行禁止措置拡大▲外交特権を利用した麻薬密売など違法取引に対する監視強化▲北朝鮮に対するぜいたく品などの禁輸、北朝鮮からの通常兵器購入禁止に向けた国際的な協力強化－などとなっている。

　クローリー次官補は、「米国は一連の制裁措置を数カ月にわたり検討してきた」と述べ、2週間以内に制裁措置を発表する考えを示した。

　クローリー次官補は、包括的な制裁措置が実施された後、アインホーン対イラン・北朝鮮制裁履行調整官が8月初めにも関係国を訪問し、国際協力の強化を目指すことを明らかにした。

ニューヨーク＝朴宗世（パク・ジョンセ）特派員