PJ: 林田 力
家屋スクワッティング問題での主張の隔たり(下)
2010年07月23日 08:18 JST
【PJニュース 2010年7月23日】北芝氏と三枝氏と修道館役員の3人は2010年4月8日にサイト開設者の住居付近に行き、自転車で帰宅中のサイト開設者に遭遇した。
北芝氏らは物件の下見に行ったところ、サイト開設者に偶然出会ったと説明する。その日は六本木で出版関係の打ち合わせがあり、打ち合わせ終了後に三人で喫茶店に入った。そこで北芝氏は「この後はお暇ですか。サイト開設者が占拠している物件を見に行かないか」と提案した。他の二人も予定はなかったため、一緒に行くことになった。
北芝氏らはサイト開設者に会うことは想定していなかったとする。喫茶店では以下のやり取りがなされた。
三枝氏「でも、サイト開設者に会うのは嫌ですよ」
北芝氏「当たり前でしょう」
物件を見たところ、サイト開設者は留守であった。帰ろうと思い、家の周りに出たところ、小学校の正門前でサイト開設者に鉢合わせした。このように北芝氏らはサイト開設者との遭遇が偶然であることを強調する。現実問題として襲撃を計画していたならば、まだ小学生が歩いている時間帯に小学校の前で待っていることは非合理であると主張する。
これに対し、サイト開設者は計画的な待ち伏せであったと主張する。修道館で4月3日に宴会があり、そこに知人女性も参加して、計画を練っていたとする。そもそも北芝氏らが下見に出かける必然性はない。現地は最寄り駅からバスで行くような場所であり、フラッと出かけることは不自然であるとする。
以下、北芝氏らの説明である。
北芝氏らもサイト開設者も、お互いに会うことは想定外であり、しばらく動かずに見つめていた。最初にサイト開設者が口を開いた。
「北芝さん、仲直りしましょうよ」
この発言に対し、三人は唖然とした。あれだけ嫌がらせを繰り返しておきながら、仲直りを主張する神経が信じられなかった。しばらく固まっていたが、自転車の防犯登録を見た三枝氏とサイト開設者の間で以下の会話がなされた。
三枝氏「この自転車はサイト開設者の所有物ではないだろう」
サイト開設者「8000円で購入した」
三枝氏「自転車の所有者(知人女性)は、自転車を勝手に乗り回されて困っていると言っている」
三枝氏が100番通報すると、サイト開設者が自転車で北芝氏に突進した。前輪が北芝氏のズボンにぶつかった。北芝氏は前輪の跡のあるズボンを証拠として保持している。北芝氏は身体をひねったためにサイト開設者は尻もちをついた。三人の方からサイト開設者に触れたことはなかった。
警察到着後、サイト開設者は「持ち主から借りた」と主張を変更した。女性が来て、「自転車を貸した覚えはない」と答えた。サイト開設者は「借りた人から借りた」と主張した。買い物帰りのサイト開設者は「冷蔵庫に肉をしまいたい」と述べ、警官が同行の上で買い物の荷物を家に置きに行った。
警察が自転車を調べたところ、盗難届けが出されたものであることが判明した。北芝氏や三枝氏は、サイト開設者が女性の所有する自転車を勝手に乗り回していることを問題視していたが、三枝氏が警察に通報したことで問題の自転車が盗難品であるという別の問題が明らかになった。このためにサイト開設者と女性は西新井警察署で聴取を受けた。問題の自転車は女性が古物商として購入したものであった。
この後、サイト開設者は北芝氏と関わりのある出版社やイベント会場に乗り込み、「もうすぐ逮捕される。取引を止めろ」と妨害行為を繰り返している。また、イベントの共演者にも会いに行っている。
これに対して、サイト開設者は三枝氏から暴行され、負傷したと主張する。三枝氏はサイト開設者の自転車のグリップを握り、どこにも行けない状態にした。三枝氏は「お前は家賃を何ヶ月も払っていない」と言いながら、自転車を倒し、サイト開設者を負傷させた。サイト開設者は「供託する」と反論したが、「供託など関係ない」と言われて蹴られた。サイト開設者は翌日、病院に行き、全治2週間の診断を受けた。
自転車はサイト開設者が中古品を購入したものであると主張する。防犯登録の登録名を変更していなかったことが警察の聴取を受けた原因である。サイト開設者は西新井警察署に傷害などの告訴状を提出したとする。
両者の主張が大きく懸け離れている状況では解決は容易ではない。それでも解決のためには半歩でも前進させなければならない。本質的には民事事件であるが、現状は双方とも警察の方ばかりに目が向いている。それは不幸なエネルギーの使い方である。一般に民事不介入は警察の怠慢を正当化する口実として使われがちであるが、もし警察が民事紛争の一方の当事者が有利になるように動くならば、警察への信頼を失墜させる。ここに民事不介入の原則の本来的な存在意義がある。民事紛争として対処する必要がある。【了】
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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
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