11日に投票があった参院選県区で、須坂市の投票総数が投票者数を12上回った問題で、須坂市選挙管理委員会の事務所に保管してあった未使用の投票用紙が、本来あるべき数より12枚少なかったことが、21日分かった。同市選管が明らかにした。穂刈昭彦・市選管委員長は20日、この問題の責任を取って辞任した。
選管事務局によると、県選管から6月15日に送付を受けた投票用紙の総数は4万3500枚で、同日から、事務所にある鍵付きのロッカーで保管。このうち4842枚が期日前投票と在外投票で使われ、さらに3万5510枚を投票日に全16カ所の投票所に配布した。
差し引き3148枚が保管されているはずだったが、今月15日に点検した結果、3136枚しかないことが分かったという。ロッカーに壊された形跡などはないという。
選管の渡辺勉事務局長は「ロッカーに保管されている票が少なくなっていることまでは想像が及ばなかった」と説明。原因は不明だが、「不正投票のために盗んだと考えるにしては、12枚というのは少ないのではないか」としている。
また、委員長を辞任した穂刈氏は取材に対し「問題の原因は分かっていないが、選挙の管理上の責任を問われる結果になったと考えている」と述べた。穂刈氏の任期は来年3月11日までだった。後任には21日付で、山本秀雄・委員長職務代理が就任、補充員の中村義勝氏が新たに委員となった。