家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の終息宣言(8月27日予定)に向け、宮崎県は22日、牛や豚の安全性を確認するための全頭検査を同県都城市で開始した。検査は主に目視で、県内約7700農場で90万頭超の家畜を対象に、8月11日まで行われる予定。
市町村別の畜産産出額で全国トップの同市では約2400農場が対象となっている。検査に先立って同市都北町の都城地域家畜市場には獣医師や市職員計約50人が集合し、長峯誠市長が「長い闘いに終わりが見えてきた。今回の検査は復興への重要な第一歩となる」と激励した。
牛約200頭を飼育する同市豊満町の繁殖農家の井ノ上廣實さん(71)は検査を終え、「全頭検査で購買者に安心してもらえると思う。一日でも早い市場再開を願っている」と話した。
県は全頭検査で異常がなく、感染被害が集中した県東部地域での牛や豚のふん尿などの排せつ物の堆肥(たいひ)化と、消毒作業を8月27日までに完了させ、新たなウイルス感染の危険性がなくなったと判断できた場合に、終息宣言を出す方針だ。
=2010/07/23付 西日本新聞朝刊=