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交差点:信号待ち短縮 無視率減少、事故対策200カ所で--警視庁

 警視庁は今春から、2年計画で事故減少に向けた「交差点改革」に乗り出している。東京都は09年、交差点で発生する交通死亡事故の割合が全国ワースト2。事故の主因とみられる信号無視を防ぐため、「歩車分離方式」への変更などで信号待ちの時間を短縮させる対策を都内約200カ所で進める。警察庁も警視庁の取り組みを参考に全国警察に交差点の点検を指示しており、全国約8500カ所で同様の見直しを行っている。

 09年の都内の交通事故死者数は、47都道府県で4番目に多い205人だったが、08年より13人減で戦後最少となった。だが、交差点内の事故で死亡した人が占める割合は08年の44%(96人)から52%(107人)に増加。全国平均の37・3%を大きく上回り、愛知県(57%)に次いで2番目に高かった。

 都内の信号機は1万5508カ所(09年3月時点)と全国最多で、信号無視もこれに比例して多いとみられるが、警視庁交通管制課は「信号無視を減らせば死者数減につながる」と対策に着手した。

 (1)交通量が少ないのに信号待ちの時間が長い場所ほど、信号を無視する歩行者が多い(2)道幅の狭い道路ではこの傾向が強くなる--との仮説を立て、昨年、信号無視が多い交差点約500カ所で歩行者の動態を調査。その中から無視した人の割合が高く、改善が見込める交差点を集中的に見直すこととした。

 実際、先行して3月に対策を講じた千代田区有楽町1の「有楽町ガード西交差点」では、車両通行量の少ない側の「青信号」時間を短縮するなどして、75秒だった歩行者の信号待ち時間を29秒に短縮させたところ、横断者の信号無視率は48・4%から4・6%に激減した。江東区豊洲5の「深川5中角交差点」でも、歩車分離方式に変更して待ち時間を38秒短縮した結果、無視率は15・3%から8・3%に減少した。

 信号表示パターンの変更で交通渋滞の悪化も懸念されたが、同庁交通管制課は「問題は発生していない」としている。また、近年は高齢者が多く通行する交差点で歩行者側の青信号時間の延長要請が増えてきているため、高齢者が多い地域などでは歩行者側の青信号の時間を長くするよう対応しているという。

 警視庁は、今年2月から始めた警笛指導と併せ、一連の交差点改革で事故減少を図る考えだ。【町田徳丈】

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 ◆交通死亡事故のうち交差点で発生した割合

 =09年、単位は%

 (1)愛知57.3(1万2966)

 (2)東京52.2(1万5508)

 (2)埼玉52.2(  9676)

 (4)大阪50.7(1万1706)

 (5)群馬50.0(  3699)

(43)山口21.3(  2630)

(44)秋田20.3(  1845)

(45)沖縄19.1(  2013)

(46)岩手18.5(  1849)

(47)山梨18.4(  1748)

 *カッコ内は09年3月時点の信号機の設置個所

毎日新聞 2010年7月2日 東京夕刊

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