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40分間のヘリ搭乗なぜ? 官房長官は“遊覧”否定 '10/7/23

 来日中の金賢姫キム・ヒョンヒ元北朝鮮工作員(48)が22日、長野県軽井沢町から東京都内のホテルへ向かう途中、約40分間ヘリコプターに搭乗した。乗り込んだ飛行場と着陸ヘリポートは直線でたった約30キロ。移動だけが目的とは考えにくく“遊覧飛行”ととられかねない行動だ。

 仙谷由人官房長官は午後の会見で「都心の交通混雑を避けるためと聞いている」と説明、レジャー説を言下に否定した。

 金元工作員は午前9時半ごろ、軽井沢町の別荘を車で出発、同11時45分ごろ東京都調布市の調布飛行場に到着。午後0時15分ごろヘリで離陸、同55分ごろ江東区の東京ヘリポートに着陸し、被害者家族が待つ千代田区のホテルへ車で移動した。

 関係者によると、金元工作員を乗せたヘリは、神奈川県藤沢市の江の島上空まで飛んだ後、横浜市上空を通ってヘリポートに到着した。天候が良い日は江の島上空から西方に富士山が見えるが、元工作員が上空にいた時間帯は、空がかすんで見えなかったという。

 調布飛行場は元工作員のヘリが離陸する直前、上空を旋回する民間ヘリに、飛行場を中心とした約5・5キロ圏外に出るよう「情報」を出した。

 中井洽拉致問題担当相は同日午前の記者会見で、元工作員のヘリ搭乗に質問が及ぶと「わたしは詳しく聞いてません」と答えていた。




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