サクラエビ漁で知られる由比港漁業協同組合(静岡市清水区由比)の元販売課長(52)が組合の関連団体の運営資金など約2700万円を着服していたことが21日、組合への取材でわかった。組合によると、元販売課長は着服を認めているという。清水署は同日、組合が提出した被害届を受理し、業務上横領にあたる可能性があるとみて捜査を始めた。
組合は12日、この問題の発覚を受け元販売課長を懲戒解雇した。組合によると、元販売課長は組合の下部組織「由比蒲原さくらえび網組合」の口座から約2540万円を08年6月ごろから数回にわたって引き出したという。このほかにも、例年5月に開く「由比桜えびまつり」の運営資金約160万円を着服した疑いがあるという。
組合幹部が、この口座の通帳を確認したところ、金が不自然に引き出されていることに気付き、口座を管理していた元販売課長にただしたところ、「パチンコなどの遊興費に使った」と着服を認めたという。
宮原淳一組合長(69)は21日、取材に「組合員に申し訳ない。下部組織とはいえ、金銭の管理体制が不十分だった」と述べた。同組合を管理する静岡市水産漁港課は「下部組織は任意団体なので、市の監査対象ではないが、市は毎年、5月の祭りに補助金を出している。今回の問題が事実なら今後も補助金を出すかどうか検討する必要がある」と話した。【山田毅】
毎日新聞 2010年7月22日 地方版