北朝鮮:潜水艦4隻が所在不明…韓国警戒

2010年5月26日 22時44分

 【ソウル西脇真一】韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の沈没原因を巡り、北朝鮮が南北間のすべての通信の遮断を表明したことで、意思の疎通が難しくなり、局地的な小規模の戦闘が発生する可能性も出ている。韓国メディアは26日、日本海に面した北朝鮮咸鏡南道(ハムギョンナムド)の基地から潜水艦4隻が姿を消し、韓国海軍が全力で行方を追っていると報じた。

 韓国紙・朝鮮日報が韓国政府当局者の話として伝えたところ、北朝鮮のサンオ(サメ)級潜水艦(300トン)4隻が24日に基地を離れ所在が分からないという。24日は、李明博(イ・ミョンバク)大統領や政府が対北朝鮮制裁の実施を明らかにした日だ。海軍は27日、黄海で十数隻が参加する対潜水艦の機動訓練を実施する予定だ。

 韓国軍当局は南北の軍事境界線一帯で04年まで実施していた大音量による宣伝放送の再開を発表。各地の哨戒所などで、スピーカーの設置が進んでいる。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の前線中部地区司令官が24日、警告を発表。韓国の「330憲兵哨所」を名指しし、反北朝鮮スローガンとスピーカーを撤去しなければ「直接照準撃破射撃を開始する」と述べた。

 さらに、南北将官級会談の北朝鮮側代表団長は、開城工業団地の制限もにおわせた。

 北朝鮮側は25日、韓国政府との「すべての関係を断絶」し、李大統領の「任期期間は一切の政府間の対話と接触をしない」などとする報道官談話を発表した。韓国への「懲罰措置」だとしている。談話では、南北関係の全面閉鎖や協力事業の全面撤廃の断固たる措置に入ることを正式に宣言した。

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