2010年5月25日 21時21分 更新:5月25日 22時6分
25日の東京株式市場は、欧州の信用不安の再燃と円高の進行を受け、日経平均株価の終値が前日比298円51銭安の9459円89銭と3営業日連続で年初来安値を更新した。終値の9500円割れは、ドバイ・ショック直後の11月30日以来、約半年ぶり。25日はアジアや欧州株も急落。一方、外国為替市場ではユーロ安が進み、一時、約2円以上、ユーロ安・円高の1ユーロ=108円台を付けた。同市場での108円台は01年11月29日以来、約8年半ぶり。欧州経済の先行き不透明感が増す中で投資家心理が冷え込み、世界同時株安とユーロ安の連鎖に歯止めがかからない状況だ。
スペイン中央銀行が22日、経営危機の貯蓄銀行を管理下に置いたことを受け、欧州金融機関の信用不安が再燃。25日の東京株式市場はほぼ全面安の展開となった。
東京外国為替市場ではユーロが急落し、円相場は一時1ユーロ=109円台に上昇。対ドルでも1ドル=89円台まで円高が進み、採算悪化の懸念から自動車や電機などの輸出関連株が大幅に下落した。韓国の哨戒艦沈没事件による朝鮮半島情勢の緊迫化も投資家心理を悪化させ、日経平均の下げ幅は、一時300円を超えた。
株や商品市場の資金は国債に流れ込み、東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが前日比0.055%低い1.19%まで低下(価格は上昇)。ドバイ・ショック直後に日銀が追加緩和策を打ち出した昨年12月1日以来の1.2%割れとなった。
韓国総合指数は同2.75%安となるなどアジア各国の株価も全面安となった。
欧州主要市場でも、スペインの貯蓄銀行の経営破綻(はたん)が新たな金融不安の引き金を引いた形で、ロンドン株式市場のFT100指数は一時、前日終値比3%近く値を下げ、21日以来2営業日ぶりに5000台を割り込んだ。スペイン株式市場のIBEX指数は4%以上、仏CAC指数、独DAX40指数なども3%以上、値下がりしている。【大久保渉、清水憲司、ロンドン会川晴之】