卒業危機:生活福祉資金貸し付け、総額2億5576万円に

2010年5月23日 19時17分

 生活困窮で授業料を滞納し、高校を卒業できない「卒業クライシス(危機)」への緊急対策として、2~3月に実施された生活福祉資金の貸し付けが、全国で1033件、総額2億5576万円に上ることが厚生労働省のまとめで分かった。学費や子どもの貧困に取り組む団体は「年度末ぎりぎりで多くの生徒たちが救われた」と評価する一方、恒久的な制度の創設を求めている。

 都道府県別の件数では青森県が最も多く146件、次いで東京都の107件。一方、佐賀県はゼロと、ばらつきが大きかった。厚労省は今年度から高校授業料の無償化が始まったため、制度の継続は考えていないという。

 「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの三輪ほう子共同代表は「高校生を救ったことは評価するが、子の借金となるため返済問題は残る」と指摘。全国私立学校教職員組合連合の永島民男書記長は「私立高校は負担が残り今後も学費滞納の問題は続く。恒久的な制度を検討してほしい」と訴えている。

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