全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長(59)は20日、参院選で初当選した女子48キロ級五輪金メダリストの谷亮子(34)に対し、強化指定選手選考を兼ねる11月の講道館杯(全日本体重別選手権)を欠場した場合、ナショナルチームなどの強化指定選手から外す方針を明らかにした。
出産などで休養中の谷は現在、ナショナルチームに籍を残している。同委員長は「去年、野村を落とした。谷を残したら野村が怒っちゃう」とバッサリ。昨年の講道館杯を欠場し、強化指定から外れた男子60キロ級の野村忠宏(ミキハウス)と同様の扱いにする考えだ。
五輪出場には(1)世界ランキング14位以内(2)各階級1カ国1代表‐が条件。強化指定から外れれば、国際大会の優先的な出場権を失い、出場枠に空きがある大会を選んで出場することになり、ランキングを上げることが困難になる。その上で、世界ランキング1位の福見(了徳寺学園職)、同3位の山岸(三井住友海上火災)、同5位の浅見(山梨学院大)との国内の戦いを強いられる。
強化指定から外れれば五輪出場は絶望的。すでに同委員長から講道館杯優勝を厳命されている谷。欠場も許されず、同大会が大きな関門になる。
(2010年7月22日)