内紛勃発のサークルKサンクス、高まるFCとの不協和音東洋経済オンライン7月21日(水) 11時 7分配信 / 経済 - 経済総合もともと両社は、昨年2月にCVSがFC契約(12年2月末まで)の契約満了の前倒しに向けた話し合いを求めたことで7月から調停中。こうした中、CVSが開業したビジネスホテル内に今年4月、ローソンがオープン。これが憶測を呼び訴訟の引き金となった。 「エリアFCの本部企業がほかのチェーンに自社物件を転貸するなど、考えられない行為。自社チェーンに不利益を与える」と怒りを隠さないサークルKS。片やCVSも「訴えられたのはグッドタイミング。相手の理不尽さをアピールしていきたい」(泉澤豊社長)と一歩も引かない。 サークルKSの主張は主に二つ。FC契約上、CVSには中途解約権がないことの確認と、FC契約期間満了後も2年間はコンビニ営業を目的として他社に賃貸・譲渡をしてはならないなどの請求だ。前者についてCVSは重大な不信行為があった際には契約解除を求めることができ、ペナルティを払ってもいいと主張。後者に関しても財産権の侵害だと反論する。 ■成長戦略に不満 CVSのコンビニ事業売上高は266億円(店舗130店)と、サークルKSのエリアFC13社中でトップクラス。旧サンクスと契約を結び、立地戦略や商品・サービスで独自色を出し成長を遂げた同社は異端的存在だ。 「彼らの努力もあるが、成長に対してそれなりの支援をしてきた」とサークルKSは説明する。だが、そもそもCVSがFC契約の中途解消を求めたのは、合併後のサークルKSの成長戦略に不安を抱いたから。「大手と違い、これからの方向性が見えないし、店舗間の距離規制を設けておきながら弊社店舗のすぐそばに直営店を作るなど、共存共栄の姿勢がない」(泉澤社長)と不満を蓄積させていた。 サークルKSからすれば、一連のCVSの行為は自社チェーンの信用力やブランド力を傷つけかねない。しかし、そこまでFCとの関係を悪化させた結果でもある。 市場飽和から既存店のマイナスが続くなど、コンビニ業界の経営環境は厳しい。安易な出店競争を反省し、既存店底上げを重視するチェーンが増えているのは、オーナーの収入減をいかに防ぐかが喫緊の課題だからだ。環境悪化に伴いチェーン間格差は広がり、オーナーにも本部のあらが目につくようになるだろう。 今回の内紛は、コンビニ業界が抱えている問題の氷山の一角と言えそうだ。 (高橋志津子 =週刊東洋経済2010年7月10日号) 【関連記事】 ・ 片務性が著しいフランチャイズ契約、加盟店の権利と本部の義務を明確化させる法整備が必要 ・ “匿名放談会”コンビニ加盟店オーナーのつぶやき――毎日悩んでます、コンビニ稼業はラクじゃない ・ まだまだいける?! コンビニ飽和時代の出店戦略、量より質で強みを発揮 ・ セブンに突き付けられた成長一辺倒への疑問、値引き事件が浮き彫りにした“構造問題” ・ 次の10年で目指すのはイノベーションで1位――新浪剛史・ローソン社長
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